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いくつもの街を巡り、いくつもの人と出会い、そして別れを繰り返して――葵が歩んだ道のりは、すでに百年を超えていた。
支えた人は五十を越え、それぞれが新しい未来を築き、次の世代へと夢を繋いでいった。
そして、気づけば葵の足は懐かしい場所へと向かっていた。
――あの王女と共に笑い、語り、歩んだ国へ。
街は眩しいほどの活気に満ち、石畳の上には溢れる笑顔があった。葵は自然と城の門へと辿り着き、近づいてきた門番にそっと懐から一つのボタンを取り出した。
それは、旅立ちの朝に王女が託してくれた飾りボタン。年月を経てもなお輝きを失わないそれを見て、門番たちは驚きと敬意を込めて道を開けた。
「お通りください――」
導かれるままに謁見の間に進むと、そこにいたのは王女の孫であり、今の国王だった。若き王の瞳には、どこか幼い頃の王女を思わせる光が宿っている。
「……ようこそ。我らが国を支えてくださった方」
その声を聞いた瞬間、葵の胸に温かなものが広がった。
あの日の王女はいない。けれど、その想いは確かに受け継がれている。
葵は静かに微笑み、心の中で誓った。
――これからも私は、出会いと別れを繰り返すだろう。
けれど、そのすべてを支えに変えていく。人が歩む未来を、陰ながら見守り続けていく。
そうして葵は、変わらぬ姿のまま、新しい物語へと歩き出した。
支えた人は五十を越え、それぞれが新しい未来を築き、次の世代へと夢を繋いでいった。
そして、気づけば葵の足は懐かしい場所へと向かっていた。
――あの王女と共に笑い、語り、歩んだ国へ。
街は眩しいほどの活気に満ち、石畳の上には溢れる笑顔があった。葵は自然と城の門へと辿り着き、近づいてきた門番にそっと懐から一つのボタンを取り出した。
それは、旅立ちの朝に王女が託してくれた飾りボタン。年月を経てもなお輝きを失わないそれを見て、門番たちは驚きと敬意を込めて道を開けた。
「お通りください――」
導かれるままに謁見の間に進むと、そこにいたのは王女の孫であり、今の国王だった。若き王の瞳には、どこか幼い頃の王女を思わせる光が宿っている。
「……ようこそ。我らが国を支えてくださった方」
その声を聞いた瞬間、葵の胸に温かなものが広がった。
あの日の王女はいない。けれど、その想いは確かに受け継がれている。
葵は静かに微笑み、心の中で誓った。
――これからも私は、出会いと別れを繰り返すだろう。
けれど、そのすべてを支えに変えていく。人が歩む未来を、陰ながら見守り続けていく。
そうして葵は、変わらぬ姿のまま、新しい物語へと歩き出した。
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