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7話
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葵は水と食べ物を取り、携帯トイレを使用して多少なりとも人心地がついた。
屋根の上の為、吹き曝しで体感温度がかなり低くなり、レインコートをごそごそと取り出して着込む。
風を通さないのでそこそこ暖かい。
かなり珍妙なスタイルになったが、誰かが見てる訳でもなし、まあいいやと思っていた。
夜、知らない場所で更に森の中、では遭難して下さいと言っているようなもの。
とりあえず、葵はここで夜明けを待つつもりだった。
明るくなれば少しは様子も分かるだろう。
「ーーでは、やってみるか」
ラノべには付きもののアレ。召還されたと言うからには自分にも出来るかもしれない。
「ステータスオープン」
ーーやっぱり出たよ。
パソコンの画面のような物が目の前に現れた。
アオイ ミネギシ (聖女、異世界人)
年齢1 4
属性 聖、光、風、土、水、火、闇(全属性)
魔力∞
スキル 結界(レベル10/10)
鑑定(レベル10/10)
幻覚(レベル10/10)
他もズラズラと表示されていたが、画面が涙で滲み、葵はウィンドウを一旦消した。
こんなもの、ちっとも嬉しくない。それより家に帰りたい。
葵は膝を抱えて顔を埋める。
「ーー聖女に全属性に魔力が∞?スキルがレベル10って……ホント、チートじゃん」
チートなんて欲しいと言った?
ここに来たいって望んだ?
要らないよ!こんなの。
私の夢はこの世界にはない。
検事になって、犯罪者達に罰を下したい、それが将来の希望なのに。
勝手に人の事を聖女だなんて決めて、何の権利があってそれを奪うの?
自分の未来をねじ曲げられた葵は、悔しくて悲しくて堪らない。
葵に影響を与えた父親の樹は、求刑が厳し目の鬼検事として知られていた。
父子家庭でありながら、弁護士に転身して娘の側にいる事を選ばないのは、検事だけが被害者の声を代弁し、求刑ができる立場だから。
“依頼人の利益を守る”事が大前提の弁護士とはそこが違う。例え依頼人が悪くても弁護しなければならない。
大手弁護事務所からの引き抜きもあった様だが、正義感の強い樹の性格では無理だった。
『--葵、側にいてやれなくてゴメンな』
『大丈夫だよ。お父さんは鬼検事の方が似合ってるよ。ガンガン悪人共を責めて責めてやっつけるのがさ』
多忙な上に単身赴任のせいで、なかなかー緒にいられなくても葵はそんな父が好きだし、尊敬している。
「お父さん、心配してるよね……」
久しぶりに帰ってみれば娘が学校帰りに行方不明。
普通の中学生なら家出や夜遊びを疑う所だが、普段から葵は予定外に行動を変える時には、必ず連絡する習慣が身に付いているので、連絡なしの寄道も考えにくい。
特に今日は半年ぶりの父親の帰宅の日。その日にわざわざ夜遊びの可能性もなし。
葵は検事を目指し、勉強しているだけあって、成績優秀、品行方正。親友の椎名綾香を初め友人も多く、部活は部長をし、後輩からも慕われている。
つまり家庭や、学校での問題はなく家出する理由が見あたらない。
残るは事件性。
特に父親が検事と来ては、おそらく直ぐにそちらを疑う筈だ。
樹が取り扱った刑事事件の中には暴力団絡みもあり、脅迫を受けたのも一度や二度では収まらない。
日本のマスゴミ共の格好の餌食になるだろう。
「大騒ぎになりそう……」
ため息をついた所へ、ドドドドッと地響きが遠くから聞こえて来て葵は顔を上げた。
身を低くしながら、そーっと屋根の端まで行って身を伏せ下を覗くと、3 0人程の騎士達が馬でやって来るのが見えた。
出迎えているのが例の2m。
「団長!」
下馬した騎士達が一斉に礼を取る。
(あの2mは団長なのか)
「来たな。コリンズ、早速だがここから半径5km以内を徹底的に捜せ」
「そんなに遠くまで行けますかね?」
(行ってないよ-、ここだよ)
「俺もそう思うが念のためだ。今度の聖女サマは、身体能力はかなりのモノだと思うぞ。さっきも言ったが、そこら辺の貴族の令嬢とは違うんだと頭に入れとけ。いいか?抵抗されても、くれぐれも傷つけるなよ」
「了解しました」
あの一撃はかなり効いたらしく、用心しろの訓示を受けて騎士達は捜索に散って行った。
そのまま様子を見ていると、中から見かけ王子が出て来て2mに声をかけた。
「ヒューバート、“塔”の者達を運ぶのにも人手がいるぞ」
「ええ、魔力切れで全員ブッ倒れてますからね。もうすぐ他のも来るでしょうし、あいつらに運ばせますよ」
「ああ」
“塔”の者とは魔法陣の回りでバタバタ倒れていたフードの連中の事だろう。
そうすると、まだ大勢ここにやって来るらしい。
「ランフェルド殿下はどうなさいます?」
(げっ!アイツ見かけだけじゃなく本当に王子だったんかい)
葵はそのランフェルドの返事を聞いて、顔を強ばらせる事になる。
屋根の上の為、吹き曝しで体感温度がかなり低くなり、レインコートをごそごそと取り出して着込む。
風を通さないのでそこそこ暖かい。
かなり珍妙なスタイルになったが、誰かが見てる訳でもなし、まあいいやと思っていた。
夜、知らない場所で更に森の中、では遭難して下さいと言っているようなもの。
とりあえず、葵はここで夜明けを待つつもりだった。
明るくなれば少しは様子も分かるだろう。
「ーーでは、やってみるか」
ラノべには付きもののアレ。召還されたと言うからには自分にも出来るかもしれない。
「ステータスオープン」
ーーやっぱり出たよ。
パソコンの画面のような物が目の前に現れた。
アオイ ミネギシ (聖女、異世界人)
年齢1 4
属性 聖、光、風、土、水、火、闇(全属性)
魔力∞
スキル 結界(レベル10/10)
鑑定(レベル10/10)
幻覚(レベル10/10)
他もズラズラと表示されていたが、画面が涙で滲み、葵はウィンドウを一旦消した。
こんなもの、ちっとも嬉しくない。それより家に帰りたい。
葵は膝を抱えて顔を埋める。
「ーー聖女に全属性に魔力が∞?スキルがレベル10って……ホント、チートじゃん」
チートなんて欲しいと言った?
ここに来たいって望んだ?
要らないよ!こんなの。
私の夢はこの世界にはない。
検事になって、犯罪者達に罰を下したい、それが将来の希望なのに。
勝手に人の事を聖女だなんて決めて、何の権利があってそれを奪うの?
自分の未来をねじ曲げられた葵は、悔しくて悲しくて堪らない。
葵に影響を与えた父親の樹は、求刑が厳し目の鬼検事として知られていた。
父子家庭でありながら、弁護士に転身して娘の側にいる事を選ばないのは、検事だけが被害者の声を代弁し、求刑ができる立場だから。
“依頼人の利益を守る”事が大前提の弁護士とはそこが違う。例え依頼人が悪くても弁護しなければならない。
大手弁護事務所からの引き抜きもあった様だが、正義感の強い樹の性格では無理だった。
『--葵、側にいてやれなくてゴメンな』
『大丈夫だよ。お父さんは鬼検事の方が似合ってるよ。ガンガン悪人共を責めて責めてやっつけるのがさ』
多忙な上に単身赴任のせいで、なかなかー緒にいられなくても葵はそんな父が好きだし、尊敬している。
「お父さん、心配してるよね……」
久しぶりに帰ってみれば娘が学校帰りに行方不明。
普通の中学生なら家出や夜遊びを疑う所だが、普段から葵は予定外に行動を変える時には、必ず連絡する習慣が身に付いているので、連絡なしの寄道も考えにくい。
特に今日は半年ぶりの父親の帰宅の日。その日にわざわざ夜遊びの可能性もなし。
葵は検事を目指し、勉強しているだけあって、成績優秀、品行方正。親友の椎名綾香を初め友人も多く、部活は部長をし、後輩からも慕われている。
つまり家庭や、学校での問題はなく家出する理由が見あたらない。
残るは事件性。
特に父親が検事と来ては、おそらく直ぐにそちらを疑う筈だ。
樹が取り扱った刑事事件の中には暴力団絡みもあり、脅迫を受けたのも一度や二度では収まらない。
日本のマスゴミ共の格好の餌食になるだろう。
「大騒ぎになりそう……」
ため息をついた所へ、ドドドドッと地響きが遠くから聞こえて来て葵は顔を上げた。
身を低くしながら、そーっと屋根の端まで行って身を伏せ下を覗くと、3 0人程の騎士達が馬でやって来るのが見えた。
出迎えているのが例の2m。
「団長!」
下馬した騎士達が一斉に礼を取る。
(あの2mは団長なのか)
「来たな。コリンズ、早速だがここから半径5km以内を徹底的に捜せ」
「そんなに遠くまで行けますかね?」
(行ってないよ-、ここだよ)
「俺もそう思うが念のためだ。今度の聖女サマは、身体能力はかなりのモノだと思うぞ。さっきも言ったが、そこら辺の貴族の令嬢とは違うんだと頭に入れとけ。いいか?抵抗されても、くれぐれも傷つけるなよ」
「了解しました」
あの一撃はかなり効いたらしく、用心しろの訓示を受けて騎士達は捜索に散って行った。
そのまま様子を見ていると、中から見かけ王子が出て来て2mに声をかけた。
「ヒューバート、“塔”の者達を運ぶのにも人手がいるぞ」
「ええ、魔力切れで全員ブッ倒れてますからね。もうすぐ他のも来るでしょうし、あいつらに運ばせますよ」
「ああ」
“塔”の者とは魔法陣の回りでバタバタ倒れていたフードの連中の事だろう。
そうすると、まだ大勢ここにやって来るらしい。
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葵はそのランフェルドの返事を聞いて、顔を強ばらせる事になる。
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