22 / 164
22 ふつうの朝霧
しおりを挟む
俺は非常に機嫌を悪くして、不遜な男を睨み上げた。
どう頑張ってみても朝霧の手にあるスマホは奪えねえし、いつか、また油断した時に全削除してやる。
ひとまずは、取れる対策をすべきだ。
「……なら、絶対ロックはかけろよ?! じゃねえとお前が寝てる間に……」
言いかけて口を閉じた。そうだ、ロックがかかってないんだから、朝霧が寝てる間に消せば良い。人様の画像を勝手に消すなんて、普通は言語道断。だけど、消すのは俺の画像だけだ。別にいいだろう。
よし、と頷いた俺を面白そうに見て、朝霧がスマホを操作した。
「分かった。ロックはかけておく」
「…………」
くそ、あと少し口を閉じるのが早ければ……。
何食わぬ顔の朝霧がテーブルのゴミを袋に突っ込むと、小さくまとめてゴミ箱に放り投げた。
腹が立つほど見事なシュートを披露した拍子に、その背中から雑誌が滑り落ちる。
「そういや、なんでスマホ画像見たんだよ?」
「確認しただけだ」
「だから、何を」
朝霧は思案するように少し間を開けて、俺のスマホを指した。
「その画像と、雑誌の俺の違い」
「何も違わねえよ。プロが撮った方がイイってだけだろ」
胡乱な目を向けると、朝霧も不服そうな顔をする。
「それが嫌だ」
「ソレって何だよ、良く撮られんのが嫌なわけ?」
「……かもな」
何言ってんだ、写りが良い方がいいに決まってんだろ。馬鹿かこいつは。
証明してやろうと、素早くスマホを構えてパシャリとやった。
ちょっと眉を上げた朝霧が、同じように俺を撮る。
こいつ、俺が撮ると必ず撮り返してきやがる。だから俺のスマホにある朝霧の画像枚数と同じだけ、俺の人質画像が保存されている。すげえ嫌だ。マジで他人に見られたら死ぬ。
「ほら見ろよ。雑誌の朝霧はバリバリ格好いいだろ?」
ずい、と画面を向けてやり、雑誌も取り返してテーブルに開いた。
雑誌の中に居る、孤高のアスリート『朝霧 涼』と、スマホの中に居る、『普通の朝霧』の顔。
まあな、どう撮っても映える顔面には違いねえけどな!!
「……へえ? どれが格好いいんだ?」
「見りゃ分かるだろ、プロの撮った方が格好いいだろ? これとか、クールで色気っつうの? 雰囲気あって、めっちゃ――」
……あれ?
きゅ、と唇を結んだ。
ちょっと待て、そうじゃない。俺は、単に写真の質の話をしているだけであって。
スマホの画面からそうっと視線を移動させて、朝霧を見上げる。
頬杖をついた朝霧は、画面でも雑誌でもなく、俺を見ていた。
視線が絡んだ瞬間、堪えきれないように口元を押さえて肩を震わせている。
「そうか、俺はクールで色気があって、バリバリに格好いいか」
くっっっそ! こんなもん誘導尋問だ!
「写真の話だっつってんだろ!」
「そうか」
「野郎……。お前はコイツじゃねえ! こんな高潔で質実剛健なヤツじゃねえわ」
雑誌をバシバシ叩いて、腹立ち紛れに言いつのる。
「だから、違うと言っただろ」
澄ました朝霧の、ほら見ろ、と言いたげな顔が腹立たしい。
なるほどな! お前の性格の悪さとかうっとうしさが、綺麗さっぱり昇華された別人写真だから嫌なのか。
贅沢なやつめ。俺だったら超絶イケメンに写してもらえるなら、その方がいいに決まってるわ! 実物と違うとか、知ったことか。
「つうか、笑えばいいだけじゃねえ? お前がいつも通りにすればいい話だろ」
「それができれば苦労しない」
「なんでだよ。……朝霧くーん、こないだのも良かったよぉ! はい、笑って~」
スマホを構え、声色を変えてひらひら手を振ってやると、朝霧がふっと笑った。
すかさず響くシャッター音。
「ほら見ろ、何も苦労してねえ。簡単じゃねえか」
「それはお前が……。急に七瀬さんになるな」
「俺のテクにかかれば、朝霧君も大したことないね。俺、カメラマンの才能あんのかもな」
「笑わせんのは、カメラマンの才能じゃないだろ」
簡単に笑った朝霧に気を良くして、撮ったばかりの画像を開いて……絶句した。
「あー……これは、ちょっと、ダメかも」
「何が」
真面目な顔で唸る俺に、朝霧が首を傾げる。
「こんなのが掲載されたら、死人が出る」
「出るか」
くい、と自分の方へスマホを引き寄せた朝霧が、画面を確認して生ぬるい視線を寄越してくる。
いや、出るだろこれ。
画像を目にした瞬間、ドクッと鼓動が跳ねるような衝撃。
磨いた刃みたいだった朝霧の、自然と綻んだ笑み。
ほんのちょっと、目尻が下がるだけで。
ほんのちょっと、口角が上がるだけで。
こんなにも、こんなにも、印象が変わるのか。
これが、ギャップというやつだろうか。
「はあ~俺の才能が怖い。世界を虜にしてしまう」
「お前の才能なのか」
俺だろうよ。だってお前だけならただの無愛想写真なんだからな。
『確かに?』と言って笑う朝霧に何となくイラッとしたので、何枚も撮ってやった。
貯まっていく、笑う朝霧の画像。
これってもしかして、世界で俺のスマホにしかないかもしれないな、なんて思ったのだった。
どう頑張ってみても朝霧の手にあるスマホは奪えねえし、いつか、また油断した時に全削除してやる。
ひとまずは、取れる対策をすべきだ。
「……なら、絶対ロックはかけろよ?! じゃねえとお前が寝てる間に……」
言いかけて口を閉じた。そうだ、ロックがかかってないんだから、朝霧が寝てる間に消せば良い。人様の画像を勝手に消すなんて、普通は言語道断。だけど、消すのは俺の画像だけだ。別にいいだろう。
よし、と頷いた俺を面白そうに見て、朝霧がスマホを操作した。
「分かった。ロックはかけておく」
「…………」
くそ、あと少し口を閉じるのが早ければ……。
何食わぬ顔の朝霧がテーブルのゴミを袋に突っ込むと、小さくまとめてゴミ箱に放り投げた。
腹が立つほど見事なシュートを披露した拍子に、その背中から雑誌が滑り落ちる。
「そういや、なんでスマホ画像見たんだよ?」
「確認しただけだ」
「だから、何を」
朝霧は思案するように少し間を開けて、俺のスマホを指した。
「その画像と、雑誌の俺の違い」
「何も違わねえよ。プロが撮った方がイイってだけだろ」
胡乱な目を向けると、朝霧も不服そうな顔をする。
「それが嫌だ」
「ソレって何だよ、良く撮られんのが嫌なわけ?」
「……かもな」
何言ってんだ、写りが良い方がいいに決まってんだろ。馬鹿かこいつは。
証明してやろうと、素早くスマホを構えてパシャリとやった。
ちょっと眉を上げた朝霧が、同じように俺を撮る。
こいつ、俺が撮ると必ず撮り返してきやがる。だから俺のスマホにある朝霧の画像枚数と同じだけ、俺の人質画像が保存されている。すげえ嫌だ。マジで他人に見られたら死ぬ。
「ほら見ろよ。雑誌の朝霧はバリバリ格好いいだろ?」
ずい、と画面を向けてやり、雑誌も取り返してテーブルに開いた。
雑誌の中に居る、孤高のアスリート『朝霧 涼』と、スマホの中に居る、『普通の朝霧』の顔。
まあな、どう撮っても映える顔面には違いねえけどな!!
「……へえ? どれが格好いいんだ?」
「見りゃ分かるだろ、プロの撮った方が格好いいだろ? これとか、クールで色気っつうの? 雰囲気あって、めっちゃ――」
……あれ?
きゅ、と唇を結んだ。
ちょっと待て、そうじゃない。俺は、単に写真の質の話をしているだけであって。
スマホの画面からそうっと視線を移動させて、朝霧を見上げる。
頬杖をついた朝霧は、画面でも雑誌でもなく、俺を見ていた。
視線が絡んだ瞬間、堪えきれないように口元を押さえて肩を震わせている。
「そうか、俺はクールで色気があって、バリバリに格好いいか」
くっっっそ! こんなもん誘導尋問だ!
「写真の話だっつってんだろ!」
「そうか」
「野郎……。お前はコイツじゃねえ! こんな高潔で質実剛健なヤツじゃねえわ」
雑誌をバシバシ叩いて、腹立ち紛れに言いつのる。
「だから、違うと言っただろ」
澄ました朝霧の、ほら見ろ、と言いたげな顔が腹立たしい。
なるほどな! お前の性格の悪さとかうっとうしさが、綺麗さっぱり昇華された別人写真だから嫌なのか。
贅沢なやつめ。俺だったら超絶イケメンに写してもらえるなら、その方がいいに決まってるわ! 実物と違うとか、知ったことか。
「つうか、笑えばいいだけじゃねえ? お前がいつも通りにすればいい話だろ」
「それができれば苦労しない」
「なんでだよ。……朝霧くーん、こないだのも良かったよぉ! はい、笑って~」
スマホを構え、声色を変えてひらひら手を振ってやると、朝霧がふっと笑った。
すかさず響くシャッター音。
「ほら見ろ、何も苦労してねえ。簡単じゃねえか」
「それはお前が……。急に七瀬さんになるな」
「俺のテクにかかれば、朝霧君も大したことないね。俺、カメラマンの才能あんのかもな」
「笑わせんのは、カメラマンの才能じゃないだろ」
簡単に笑った朝霧に気を良くして、撮ったばかりの画像を開いて……絶句した。
「あー……これは、ちょっと、ダメかも」
「何が」
真面目な顔で唸る俺に、朝霧が首を傾げる。
「こんなのが掲載されたら、死人が出る」
「出るか」
くい、と自分の方へスマホを引き寄せた朝霧が、画面を確認して生ぬるい視線を寄越してくる。
いや、出るだろこれ。
画像を目にした瞬間、ドクッと鼓動が跳ねるような衝撃。
磨いた刃みたいだった朝霧の、自然と綻んだ笑み。
ほんのちょっと、目尻が下がるだけで。
ほんのちょっと、口角が上がるだけで。
こんなにも、こんなにも、印象が変わるのか。
これが、ギャップというやつだろうか。
「はあ~俺の才能が怖い。世界を虜にしてしまう」
「お前の才能なのか」
俺だろうよ。だってお前だけならただの無愛想写真なんだからな。
『確かに?』と言って笑う朝霧に何となくイラッとしたので、何枚も撮ってやった。
貯まっていく、笑う朝霧の画像。
これってもしかして、世界で俺のスマホにしかないかもしれないな、なんて思ったのだった。
60
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる