101 / 144
【SS:ジェード視点】絶対になんかあっただろ!
しおりを挟む
「ジェード、すまなかった」
教室に入るなり、いきなりリカルドから謝られた。
聞けば俺と話したあと、ユーリンちゃんは首尾良くコイツを確保して、しっかり仲直りしてしまったらしい。あれだけ避けられてもくじけずに通い詰めた、ユーリンちゃんの粘り勝ちだ。
頑張れとは言ったものの……すごいな、ユーリンちゃん。
でも、コイツにはあれくらいガッツがある子がちょうどいいんだろう。
「良かったじゃん! これまでつれない素振りをしてきたんだからさ、休日に連れ出して美味しいご飯でもご馳走したほうがいいよ」
「いや、それが」
慣れていないであろうコイツにさりげなくアドバイスしたら、まさかの返事が返ってきた。
「いきなり、家に招くの!? 家族に合わせるって……マジで!?」
「父母がどうしてもと譲らないのだ」
開いた口が塞がらない。だってリカルド、かなりの上級貴族だよね!? 庶民出のユーリンちゃんには負荷が強すぎるでしょ。お前はいったい、どれだけユーリンちゃんにストレスかけたいんだ。
「ユーリンも承知してくれて、今週末には家に来て貰うことになった」
「今週末って、あさってじゃん!」
すげーな、ユーリンちゃん。オレなら絶対に断ると思うのに。
いよいよ度肝をぬかれたけど、本人が会ってみるというのなら、オレが反対する立場でもない。オレは、心の中で応援、に徹することにした。
頑張れ、ユーリンちゃん!
***
そして週明け、期待半分、心配半分で学園に向かい、教室に入ったオレは度肝を抜かれた。
え……なんか、リカルドがなんか、キラキラしてる。なんか爽やか。
いつもの重苦しいオーラが消えて、近寄りがたさが半減してるんですけど! なにがあったんだ、いったい!
しかし無情にも始業のベルが鳴る。休み時間に根掘り葉掘り聞いてやる。そう思ったのに、ヤツときたら
「い、いや、特に、何も……」とか言葉を濁して逃げ回り、昼休みはユーリンちゃんに拉致され、詳しいことは一切聞けないままだ。
なにが「特に、何も」だ。その真っ赤な耳がすべてを物語っている。絶対に、なんか面白いことになってるだろ!
そして放課後。
オレはついにリカルドを拉致った。
腕力でも魔力でも敵わないから、「ユーリンちゃんが来るたびに、お前のお願いを律儀にきいてあげたのオレだよね?」という、姑息な圧をかけるしかなかった。すまん、リカルド。
でもどうしても、昨日起こったであろう事を根掘り葉掘り聞きたいんだよ。できればリカルドの口から。
教室に入るなり、いきなりリカルドから謝られた。
聞けば俺と話したあと、ユーリンちゃんは首尾良くコイツを確保して、しっかり仲直りしてしまったらしい。あれだけ避けられてもくじけずに通い詰めた、ユーリンちゃんの粘り勝ちだ。
頑張れとは言ったものの……すごいな、ユーリンちゃん。
でも、コイツにはあれくらいガッツがある子がちょうどいいんだろう。
「良かったじゃん! これまでつれない素振りをしてきたんだからさ、休日に連れ出して美味しいご飯でもご馳走したほうがいいよ」
「いや、それが」
慣れていないであろうコイツにさりげなくアドバイスしたら、まさかの返事が返ってきた。
「いきなり、家に招くの!? 家族に合わせるって……マジで!?」
「父母がどうしてもと譲らないのだ」
開いた口が塞がらない。だってリカルド、かなりの上級貴族だよね!? 庶民出のユーリンちゃんには負荷が強すぎるでしょ。お前はいったい、どれだけユーリンちゃんにストレスかけたいんだ。
「ユーリンも承知してくれて、今週末には家に来て貰うことになった」
「今週末って、あさってじゃん!」
すげーな、ユーリンちゃん。オレなら絶対に断ると思うのに。
いよいよ度肝をぬかれたけど、本人が会ってみるというのなら、オレが反対する立場でもない。オレは、心の中で応援、に徹することにした。
頑張れ、ユーリンちゃん!
***
そして週明け、期待半分、心配半分で学園に向かい、教室に入ったオレは度肝を抜かれた。
え……なんか、リカルドがなんか、キラキラしてる。なんか爽やか。
いつもの重苦しいオーラが消えて、近寄りがたさが半減してるんですけど! なにがあったんだ、いったい!
しかし無情にも始業のベルが鳴る。休み時間に根掘り葉掘り聞いてやる。そう思ったのに、ヤツときたら
「い、いや、特に、何も……」とか言葉を濁して逃げ回り、昼休みはユーリンちゃんに拉致され、詳しいことは一切聞けないままだ。
なにが「特に、何も」だ。その真っ赤な耳がすべてを物語っている。絶対に、なんか面白いことになってるだろ!
そして放課後。
オレはついにリカルドを拉致った。
腕力でも魔力でも敵わないから、「ユーリンちゃんが来るたびに、お前のお願いを律儀にきいてあげたのオレだよね?」という、姑息な圧をかけるしかなかった。すまん、リカルド。
でもどうしても、昨日起こったであろう事を根掘り葉掘り聞きたいんだよ。できればリカルドの口から。
1
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる