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第四章 生まれた子どもたちの行方~その二
南国で女三人に育てられた少年⑷
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R江の死後、X佳とY香は入籍し、T文は二人の養子になった。また、今まで住んでいたマンションを二部屋とも引き払い、新しく3LDKのマンションを借りた。R江の遺骨は、R江が沖縄に持ってきていたQ平のものとともに、海に散骨した。
これらは全て、Y香がR江の生前から考えていたことである(散骨はR江の希望でもあった)。関東に住んでいるX佳の兄と姉が葬儀や相続のことでクレームをつけてきたが、「あなたたちは何も面倒を見てなかったんだから黙りなさい!」と言ったら大人しくなった。
「お母さんの遺産もほとんど入院費用で消えたからね。ちゃんとテレビ電話で通帳見せて説明したらあいつら引っ込んだよ、アハハ!」
Y香は愉快そうにX佳に報告した。それを聞いたT文が尋ねた。
「練馬のお兄さんと川崎のお姉さん、もう会えないの?」
「会わなくていいでしょ、あんなやつら!」
R江のホスピス入院中、一度だけ関東からその二人が見舞いに来たが、少しだけR江やT文と話をすると、「じゃあ、あとはX佳の言うことをよく聞いて。」と言って去って行ったのだという。Y香がR江の様子を見に行った際に、R江は憤慨してそうY香に話した。
「末っ子のあんたに全部丸投げで、一銭も出さないのよ。そのくせ遺産はよこせってどうにかしてる! T文のきょうだいでまともなのはX佳姉ちゃんだけよ。」
T文は少し考えてから言った。
「で、今は、俺のママは姉ちゃんとY香姉ちゃんなんだよね。二人の呼び方はそのままでいい? 俺の中でママはあの年取ったママだけだからさ。」
Y香は笑った。
「いい、全然いいのよ! 私たちはT坊をちゃんと面倒みていくために形を整えただけだから。T坊は今まで通りのT坊でいい!」
二人の同性カップルにとって、T文を育てるのは簡単なことではなかった。家庭にT文以外は女性しかいないということで甘く見られることもあったし、T文が中学に上がると「レズに育てられてやんの」と同級生にバカにされて非行に走った時期もあった。しかし、Y香はその都度毅然と対応した。
「そうだよ、あんたはレズに育てられてんだよ。悔しかったら家を出てみろ!」
T文は勢いで家出したが、行くあてもなく三日後に帰宅した。
「ごめんなさい、本当のママが死んだのにずっと面倒みてくれてるの、姉ちゃん達じゃないかって。神社の境内で寝泊まりしてたら、神主さんに見つかって、事情を話したらめちゃくちゃ怒られた。」
「あー、その神主さんにお礼言いに行かなきゃいけないね。」
呑気にY香が言った。そして、こう付け加えた。
「いーい? 怒られてるうちが華なのよ。諦められたら誰も叱ってくれないんだから!」
「Y香姉ちゃんも、まだ俺のこと諦めないで! 今日から真面目にするから。」
T文は土下座した。
「はいはい。わかったから頭をあげなさい。ちゃんと学校に行って、ちゃんと勉強してね。」
X佳はただその様子を見ているだけだった。
T文は数学や理科の勉強はイマイチだったが、R江の遺伝子なのか国語や英語、社会の成績は良かった。特に歴史は、小学生のときにゲーム「日本全国ぼうけんの旅」をやり込んだせいか、いつも満点だった。
ある日、Y香は何となくT文に尋ねた。
「T坊さ、将来どこに住みたい? 私は沖縄に住みたくて沖縄の大学に来たんだよね。」
T文は答えた。
「俺絶対北海道がいい! 雪も綺麗だし、魚も美味しいんだもん。」
R江の死後、T文のリクエストで再びX佳・Y香・T文の三人は冬の北海道旅行に行っていた。T文が小六のときである。このときはニセコで思うぞんスキーを楽しんだ。
「じゃあさ、北海道の大学に行けるように勉強してみようよ。」
確かにこのとき、Y香は北海道「の」大学に行けるように勉強しろと言ったはずなのだが、T文には「北海道大学に行けるように勉強しろ」と聞こえたようで、その日から猛勉強を始め、結果、地域で一番難しい公立高校に進学した。高校での成績も良く、担任からは「九州大学に行けるぞ」と言われたが、T文は、「俺はあえて北大に行くんです」と返事をしたらしい。
そして、大学受験で、T文は見事に北海道大学法学部に合格した。文学部でないのは、「法か経済のほうが就職で潰しが効く」というY香の現実的なアドバイスのためだった。
「T坊、すごいねー。私も鼻高々だよ。ま、勉強したのはT坊なんだけど。」
T文は小柄なY香をゆうに見下ろすような身長になっていたが、Y香のつむじに白髪があるのを発見して涙が出そうになった。
「いや、姉ちゃんとY香姉ちゃんが頑張って働いてご飯を食わせてくれて、しかも時々叱ってくれたからだよ。」
「じゃあさ、産んでくれたT坊のパパママにもお礼を言いに行かなきゃね!」
Y香がそう言うと、X佳は、「明日は船で海に出るか!」と笑った。
数年前から、二人の経営するレストラン「high-tie」は名護市にも支店を出せるほど繁盛していた。それで二人は、税金対策のために会社を設立し、会社名義でクルーザーを購入した。そのクルーザーで毎年盆と正月には海に出て、墓参りの代わりに献花をしている。ちなみに船舶免許はX佳が取得した。
「うん、三人でママに報告しに行こう!」
T文が同意した。
「で、その前に、さっき、うちのレストランでディナー予約したんだ。和食じゃないけど祝い膳、良くない?」
「Y香姉ちゃん、行動がはやいな。」
T文が苦笑いすると、あとの二人も笑った。
翌朝、三人は朝食をとると車でマリーナへ向かい、そこからクルーザーで海に出た。三月前半の朝の東シナ海は風が少し涼しく、長袖のTシャツ一枚だと足りないような気がした。
「まだ朝だからね。日が高くなると暑くなるよ。」
サングラスをかけたX佳が操縦席から言った。
クルーザーは風を切って海上を走る。マリーナから一時間程度西に進んだところが、Q平とR江を散骨した場所だ。T文は黙って海を見ていた。小魚の群れや、波の光の反射、水平線。どれをとってみても美しい。しかし、急にT文はこの沖縄を離れることが心細くなってきた。北海道での一人暮らし。学費と生活費は二人がある程度出してくれると言うが、経済的な問題より他のこと、例えば学校で上手くやれるかだとか、一人暮らしができるかだとか、そんなことが気になった。今までは二人が家事をやってくれていたし、何か問題があると主にY香が解決してくれたが、北海道に二人はいない。父親は物心着いたときにはいなかったし、母親は死んでしまった。そして、この海に眠っている。
T文が気づいたときには、すでにクルーザーのエンジンが止まっていた。
「ほら、T坊着いたよ。パパママに挨拶なさい。」
Y香が促した。
「パパママ、おかげさまで俺は北海道大学に合格しました。四月から遠くに行くけど、またパパママに会いに来るんでよろしくお願いします。」
T文がそう言うと、Y香は口を尖らせた。
「他に言うことはないの?」
「パパママ、産んでくれてありがとうございます。」
「他には?」
「パパママ、X佳姉ちゃんも産んでくれてありがとうございます。姉ちゃんがいなかったら、俺はどうなってたか。」
「まだあるでしょ?」
「ママ、姉ちゃんがY香姉ちゃんと一緒にいることに文句を言わないでくれて、ありがとうございます。Y香姉ちゃんも俺の恩人です。」
Y香は目に涙をためて言った。
「まだまだ!」
「パパママ、これからは姉ちゃん達が二人で仲良く暮らせますように。ついでに俺にも可愛くてしっかりした彼女ができますように!」
「なんじゃそりゃ~!」
Y香は泣き笑いした。操縦席から出てきたX佳はサングラスを外し、「もういいじゃん」と言ってY香を止めた。
T文は海に背を向け、二人のほうを向いて頭を下げた。
「姉ちゃん達も本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」
「うわーん! 男は嫌いだけど、いい男になりやがって!!」
Y香は声を上げて泣いた。X佳は黙ってY香を抱きしめた。
これらは全て、Y香がR江の生前から考えていたことである(散骨はR江の希望でもあった)。関東に住んでいるX佳の兄と姉が葬儀や相続のことでクレームをつけてきたが、「あなたたちは何も面倒を見てなかったんだから黙りなさい!」と言ったら大人しくなった。
「お母さんの遺産もほとんど入院費用で消えたからね。ちゃんとテレビ電話で通帳見せて説明したらあいつら引っ込んだよ、アハハ!」
Y香は愉快そうにX佳に報告した。それを聞いたT文が尋ねた。
「練馬のお兄さんと川崎のお姉さん、もう会えないの?」
「会わなくていいでしょ、あんなやつら!」
R江のホスピス入院中、一度だけ関東からその二人が見舞いに来たが、少しだけR江やT文と話をすると、「じゃあ、あとはX佳の言うことをよく聞いて。」と言って去って行ったのだという。Y香がR江の様子を見に行った際に、R江は憤慨してそうY香に話した。
「末っ子のあんたに全部丸投げで、一銭も出さないのよ。そのくせ遺産はよこせってどうにかしてる! T文のきょうだいでまともなのはX佳姉ちゃんだけよ。」
T文は少し考えてから言った。
「で、今は、俺のママは姉ちゃんとY香姉ちゃんなんだよね。二人の呼び方はそのままでいい? 俺の中でママはあの年取ったママだけだからさ。」
Y香は笑った。
「いい、全然いいのよ! 私たちはT坊をちゃんと面倒みていくために形を整えただけだから。T坊は今まで通りのT坊でいい!」
二人の同性カップルにとって、T文を育てるのは簡単なことではなかった。家庭にT文以外は女性しかいないということで甘く見られることもあったし、T文が中学に上がると「レズに育てられてやんの」と同級生にバカにされて非行に走った時期もあった。しかし、Y香はその都度毅然と対応した。
「そうだよ、あんたはレズに育てられてんだよ。悔しかったら家を出てみろ!」
T文は勢いで家出したが、行くあてもなく三日後に帰宅した。
「ごめんなさい、本当のママが死んだのにずっと面倒みてくれてるの、姉ちゃん達じゃないかって。神社の境内で寝泊まりしてたら、神主さんに見つかって、事情を話したらめちゃくちゃ怒られた。」
「あー、その神主さんにお礼言いに行かなきゃいけないね。」
呑気にY香が言った。そして、こう付け加えた。
「いーい? 怒られてるうちが華なのよ。諦められたら誰も叱ってくれないんだから!」
「Y香姉ちゃんも、まだ俺のこと諦めないで! 今日から真面目にするから。」
T文は土下座した。
「はいはい。わかったから頭をあげなさい。ちゃんと学校に行って、ちゃんと勉強してね。」
X佳はただその様子を見ているだけだった。
T文は数学や理科の勉強はイマイチだったが、R江の遺伝子なのか国語や英語、社会の成績は良かった。特に歴史は、小学生のときにゲーム「日本全国ぼうけんの旅」をやり込んだせいか、いつも満点だった。
ある日、Y香は何となくT文に尋ねた。
「T坊さ、将来どこに住みたい? 私は沖縄に住みたくて沖縄の大学に来たんだよね。」
T文は答えた。
「俺絶対北海道がいい! 雪も綺麗だし、魚も美味しいんだもん。」
R江の死後、T文のリクエストで再びX佳・Y香・T文の三人は冬の北海道旅行に行っていた。T文が小六のときである。このときはニセコで思うぞんスキーを楽しんだ。
「じゃあさ、北海道の大学に行けるように勉強してみようよ。」
確かにこのとき、Y香は北海道「の」大学に行けるように勉強しろと言ったはずなのだが、T文には「北海道大学に行けるように勉強しろ」と聞こえたようで、その日から猛勉強を始め、結果、地域で一番難しい公立高校に進学した。高校での成績も良く、担任からは「九州大学に行けるぞ」と言われたが、T文は、「俺はあえて北大に行くんです」と返事をしたらしい。
そして、大学受験で、T文は見事に北海道大学法学部に合格した。文学部でないのは、「法か経済のほうが就職で潰しが効く」というY香の現実的なアドバイスのためだった。
「T坊、すごいねー。私も鼻高々だよ。ま、勉強したのはT坊なんだけど。」
T文は小柄なY香をゆうに見下ろすような身長になっていたが、Y香のつむじに白髪があるのを発見して涙が出そうになった。
「いや、姉ちゃんとY香姉ちゃんが頑張って働いてご飯を食わせてくれて、しかも時々叱ってくれたからだよ。」
「じゃあさ、産んでくれたT坊のパパママにもお礼を言いに行かなきゃね!」
Y香がそう言うと、X佳は、「明日は船で海に出るか!」と笑った。
数年前から、二人の経営するレストラン「high-tie」は名護市にも支店を出せるほど繁盛していた。それで二人は、税金対策のために会社を設立し、会社名義でクルーザーを購入した。そのクルーザーで毎年盆と正月には海に出て、墓参りの代わりに献花をしている。ちなみに船舶免許はX佳が取得した。
「うん、三人でママに報告しに行こう!」
T文が同意した。
「で、その前に、さっき、うちのレストランでディナー予約したんだ。和食じゃないけど祝い膳、良くない?」
「Y香姉ちゃん、行動がはやいな。」
T文が苦笑いすると、あとの二人も笑った。
翌朝、三人は朝食をとると車でマリーナへ向かい、そこからクルーザーで海に出た。三月前半の朝の東シナ海は風が少し涼しく、長袖のTシャツ一枚だと足りないような気がした。
「まだ朝だからね。日が高くなると暑くなるよ。」
サングラスをかけたX佳が操縦席から言った。
クルーザーは風を切って海上を走る。マリーナから一時間程度西に進んだところが、Q平とR江を散骨した場所だ。T文は黙って海を見ていた。小魚の群れや、波の光の反射、水平線。どれをとってみても美しい。しかし、急にT文はこの沖縄を離れることが心細くなってきた。北海道での一人暮らし。学費と生活費は二人がある程度出してくれると言うが、経済的な問題より他のこと、例えば学校で上手くやれるかだとか、一人暮らしができるかだとか、そんなことが気になった。今までは二人が家事をやってくれていたし、何か問題があると主にY香が解決してくれたが、北海道に二人はいない。父親は物心着いたときにはいなかったし、母親は死んでしまった。そして、この海に眠っている。
T文が気づいたときには、すでにクルーザーのエンジンが止まっていた。
「ほら、T坊着いたよ。パパママに挨拶なさい。」
Y香が促した。
「パパママ、おかげさまで俺は北海道大学に合格しました。四月から遠くに行くけど、またパパママに会いに来るんでよろしくお願いします。」
T文がそう言うと、Y香は口を尖らせた。
「他に言うことはないの?」
「パパママ、産んでくれてありがとうございます。」
「他には?」
「パパママ、X佳姉ちゃんも産んでくれてありがとうございます。姉ちゃんがいなかったら、俺はどうなってたか。」
「まだあるでしょ?」
「ママ、姉ちゃんがY香姉ちゃんと一緒にいることに文句を言わないでくれて、ありがとうございます。Y香姉ちゃんも俺の恩人です。」
Y香は目に涙をためて言った。
「まだまだ!」
「パパママ、これからは姉ちゃん達が二人で仲良く暮らせますように。ついでに俺にも可愛くてしっかりした彼女ができますように!」
「なんじゃそりゃ~!」
Y香は泣き笑いした。操縦席から出てきたX佳はサングラスを外し、「もういいじゃん」と言ってY香を止めた。
T文は海に背を向け、二人のほうを向いて頭を下げた。
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