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授賞式
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スーツに着替え終わると同時にマネージャーがノックをして部屋に入ってきた。
「頭、ボサボサですよ。何しているんですか?」
まったくいやらしくない言葉も今の俺にはそう聞こえてしまって気まずくなったのを誤魔化すために咳払いをする。
「もう会場に行かないといけないんで早く髪の毛整えてください。」
「ああ、分かった。ありがとな。」
「. . . はい。」
珍しくお礼なんて言ったもんだから沈黙が流れた。
会場へ移動して、マネージャーから教えてもらった席に座る。
授賞式が始まるのを知らせるオーケストラの曲が流れ、去年受賞したベテラン女優の雪村さんが舞台の上に立つ。
いつまでも変わらない美貌は会場の人たちを魅了する。
「司会は雪村です、よろしくお願いします。では、さっそく最優秀主演男優賞の方を発表いたします。最優秀主演男優賞は. . 吉沢伊織さんです!」
スポットライトが当たり、名前を呼ばれて舞台へ向かおうと移動していた。
その時、アイツと目が合ってしまった。焦る気持ちが一瞬こみ上げたが、テレビで放送されていることを思い出し、なんとか感情を抑えた。
そして舞台の上に立ち、トロフィーを受け取りマイクスタンドに向かって立つ。
「ありがとうございます。この賞に選ばれたことは本当に光栄なことですし、子役の頃からの夢だったので大変嬉しく思います。そして、"初恋"という映画で共演させていただいた方々や、スタッフの皆さん、監督にはとても感謝しています。」
授賞式スピーチが終わり、舞台から降りて席に戻る。
そして、受賞者がどんどんと発表されていく。
「最優秀新人賞は櫻木潤さんです!」
ついにアイツの出番になり、舞台の上に立つ姿を見る。
「最優秀新人賞に選んでいただいて嬉しいです。僕はある人を追いかけてこの世界に入って、日々努力してこの賞を受賞出来ました。その人は吉沢伊織さんで、伊織さんは僕の高校の先輩なんです。だから、伊織さんに追いつけるように頑張ります!」
こいつのスピーチはまるで俺への想いしか言っていなくて、この世界に入って長年たっている俺は変なプライドがあるから腹立たしかった。
「頭、ボサボサですよ。何しているんですか?」
まったくいやらしくない言葉も今の俺にはそう聞こえてしまって気まずくなったのを誤魔化すために咳払いをする。
「もう会場に行かないといけないんで早く髪の毛整えてください。」
「ああ、分かった。ありがとな。」
「. . . はい。」
珍しくお礼なんて言ったもんだから沈黙が流れた。
会場へ移動して、マネージャーから教えてもらった席に座る。
授賞式が始まるのを知らせるオーケストラの曲が流れ、去年受賞したベテラン女優の雪村さんが舞台の上に立つ。
いつまでも変わらない美貌は会場の人たちを魅了する。
「司会は雪村です、よろしくお願いします。では、さっそく最優秀主演男優賞の方を発表いたします。最優秀主演男優賞は. . 吉沢伊織さんです!」
スポットライトが当たり、名前を呼ばれて舞台へ向かおうと移動していた。
その時、アイツと目が合ってしまった。焦る気持ちが一瞬こみ上げたが、テレビで放送されていることを思い出し、なんとか感情を抑えた。
そして舞台の上に立ち、トロフィーを受け取りマイクスタンドに向かって立つ。
「ありがとうございます。この賞に選ばれたことは本当に光栄なことですし、子役の頃からの夢だったので大変嬉しく思います。そして、"初恋"という映画で共演させていただいた方々や、スタッフの皆さん、監督にはとても感謝しています。」
授賞式スピーチが終わり、舞台から降りて席に戻る。
そして、受賞者がどんどんと発表されていく。
「最優秀新人賞は櫻木潤さんです!」
ついにアイツの出番になり、舞台の上に立つ姿を見る。
「最優秀新人賞に選んでいただいて嬉しいです。僕はある人を追いかけてこの世界に入って、日々努力してこの賞を受賞出来ました。その人は吉沢伊織さんで、伊織さんは僕の高校の先輩なんです。だから、伊織さんに追いつけるように頑張ります!」
こいつのスピーチはまるで俺への想いしか言っていなくて、この世界に入って長年たっている俺は変なプライドがあるから腹立たしかった。
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