【新章突入】ショタたちがいろんなものに襲われる話

のりたまご飯

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第5章 振り返れば、そこには。

Part8 午前3時

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悠真と悠人が浴槽から出ると、最後に掛け湯をして、小さいタオルを腰に巻いて脱衣所へと向かう。
脱衣所には依然人がいなかったが、スムーズに服を着ることができた。
コーヒー牛乳を200円で二本買い、二人で飲む。

「ごくっごくっ」

「ごくっごくっ」

「「ぷは~~~!!!」」

熱い体をクールダウンするコーヒー牛乳は
体の隅々にまで澄み渡る。

「美味しいね~!」

「やっぱこの味だな!」

牛乳を飲み終え、空になったびんを隣のカゴに置くと、ジャンパーを着て、脱衣所の外に出る。

「あらあら、今から歩き?」

「そうなんです…まあ多分大丈夫ですよ!」

「またくるねおばあちゃん!」

「はいはい~気をつけてねぇ~」

玄関の引き戸を開けると、外はくる時よりももっと強い風が吹き、気温がすっかり下がっていた。

「さむうううっっ!」

「風に吹き飛ばされるなよおお!」

橋の下に着くまでの5分間、冷たい冬の風に吹かれながらも、
なんとか二人は家に到着できた。

「帰ってこれたぁ…風すごい…」

「僕寒いから早く寝るね…ううう」

「布団ちゃんと被りなよ!うーん…こんな寒い中で勉強やってる暇ないなぁ…」

「お兄ちゃんも早く寝たら?」

「そうしよっか」

悠人は悠真の布団に潜り込み、二人が一つの布団に入るような姿勢を取る。

「二人だとあったかい?」

「うん!」

「そっか。じゃ、おやすみ」

「おやすみ…」

しばらく経つと、二人分の寝息が聞こえてきた。


ビュオオオオオオ…
冷たい風が橋の下から通り過ぎる。
ダンボールで作った家も決して寒さには強くなく、中にも風が入ってくる。


悠人が目を覚ましたのは、目覚める時間よりもはるかに早い午前3時。
悠真の声からだった。

「おにいちゃん…寒いよぉ…」

「ん…うう…朝になったらちょっとは寒さ薄れるから…それまで我慢…んぅ…」

「違うう…!、ねえ、足とか手は寒いのに…体がめっちゃ暑くて気持ち悪い…」

「体が熱い…まさか…!」

悠真の頭に手を当てると、平熱よりも明らかに高い温度だった。

「悠真…熱出て…体温計…はい、これ!、冷えピタどこだ…解熱剤…」

ピピピピ!ピピピピ!

「うわぁ…」

「何度だった!?」

「39.1…」

「39!?まずいまずい…」

「はくしゅっ!ううう…寒いよぉ…」

「冷えピタと解熱剤ない…どうしよ…病院か…?でもこの風の中じゃ…」

「お兄ちゃぁん…」

「悠真ぁ…」

悠人の目はすでに涙目になっていた。

「寒いから…お兄ちゃん抱っこしてぇ…」

「うんっ…悠真は強い子だから、我慢してくれよなぁ…」

解熱剤を探し回っている間に、スマホに一件の連絡が来ていた。

『昨日はありがとう。今夜も寒いから、気をつけてね。』

徳井からだった。

「そうだ…徳井さんに電話すれば…」

スマホを掴み、通話ボタンをおす。
トゥルルル…トゥルルル…

3コール目に徳井が電話に出た。

『ゆうとくぅん…?どうしたのぉ…』

「徳井さんっ…ぐすっ、助けてくださいっ…」

『えっ』

「悠真が…熱出して…39度あって…僕どうすればいいのか、わからないんですっ、、、」

『マジで…今から河川敷行くから、待っててね。5分でつく。』

「えっ、来てくれるんですか!?」

『君らのピンチに、オレが駆けつけないなんて、そんなのショタコンとしt』

ガチャ

「悠真!徳井さんが来てくれるって!」

「徳井さん…?なんでぇ…」

「だから…もうちょっと我慢してっ…」

悠人は悠真を強く抱きしめた。

「そんなことしたらお兄ちゃんにもうつっちゃうって…」

「大丈夫…オレはこれがいいからさ…」

それから5分の間に、悠人はカバンに簡単な荷物を入れて、徳井の到着を待っていた。
そして電話から確かに5分後。

「ゆうとくううん!!ゆうまくううん!!!」

「徳井さんっ!ほんとに来てくれた!」

「だから言ったろ~?これがしょt」

「39度ぐらいあるんですけど、薬とか全然なくて…徳井さんのところ、ありますか??」

「あっ、も、もちろん!ささ、早く車乗って!オレん家で悠真くん寝かせよう」

「はい!」

悠人はカバンを背負って、徳井はタオルケットに包まれた悠真を抱き車に載せた。
四人乗りの軽自動車だが、車内には暖房が効いており、外とは大違いである。
徳井は悠真を後部座席に載せ、悠人を副操縦席に座らせる。そして自分は操縦席に座り、河川敷の道路から自分の家へと車を走らせるのだった。

続く


=天の声=
徳井が可哀想になってきちゃった
まあただの妻に捨てられたおじさんなんですけど
次回はいよいよ研究員Zが登場するとか...しないとか
ではでは
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