血が吸えない最弱ヴァンパイアは見返すために世界最強となり世直しをしたいと思います。

アイス

文字の大きさ
15 / 25

15話 想定外の事態

しおりを挟む
 ここはレインの城内。

 ライズはアリオンの命令で様子を探っている。

 「ガイラスの野郎を早くぶっ倒してやりたいな」

 「ですが、レイン様。部下の者は皆重症で、戦いに加算できるほどではありません! 」

 レインの側近であるアーケンが答えた。

アーケンは見た目こそは弱そうな爺だがかなりの実力の持ち主だ。

 「ならば、ガイラスと一騎討ちになるな」

 「そうですね。その際は私も手助けをさせてもらいます! 」

 「アーケンがでる幕ではない」

 「さようですか。身に余るお言葉に感謝致します」

 「楽しみだな! あーはっはっはっ! 」

 レインは実力があるからか、自信満々に笑い声を上げている。

 次はガイラスの城内に行かねば。

 「スッ」

 ライズは天井裏から出る際に音を立ててしまった。

 「誰だ? 」

 無論、レインにバレてしまう。

 「レイン様、私が確認致します。スキル《地獄針》」

 天井に信じられない量の針が現れた。

 が、ライズはスキル《テレポート》を使いアリオンの家に戻る。

 「アリオン様! 」

 「どうした、ライズよ」

 「たいへん、申し訳ありません。私はレインの城内で忍びこんでいたことに気づかれてしまいました」

 「顔がバレたのか? 」

 「いえ、まだバレてはいません」

 「なら、良い。しばらく休んでいなさい。ライズは働きすぎだ」

 アリオンって部下を気遣う、優しい奴なんだな。

 「ねぇ、アリオン。レインってライズより強いの? 」

 「ここにいる3人よりも強い」

 信じられない。

 前はどれくらい強いかは知らされてなかったから、あまり知らなかったけど、まさかここまで強いなんて。

 「そ、そうなんだ」

 ひきつったように私は答えた。

 「アリオン様、ガイラスの様子を探れず本当に申し訳ありません」

 「大丈夫だ。私が行くから。安心して休め」

 「は、はい......」

 「じゃあ、私はガイラスの城内に行ってくる」

 そう言い残し、アリオンはガイラスの城内に向かった。


 「ふぅ、ようやく着いた」

 ガイラスの城は海と山に囲まれた、敵に攻め込まれにくい場所にかまえている。

 「さてと、天井裏に行きますか」

 ホップ、ステップ、ジャンプの要領で城を外から登り、あっという間にガイラスのいる部屋へと辿り着く。

 そして、天井裏に入る。

 「レインとの対決いや、一騎討ちがワクワクするなサラよ」

 サラというのはガイラスの側近で、容姿は女性らしさがかなりあり、ピンク色の長い髪が特徴的だ。

 「でもさ、ガイラス。あたしはさガイラスが怪我しないのが一番だと思ってるの。だがらさ、無理しないでね」

 サラはガイラスのことをかなり好んでいるようだな。

 もしかして、二人はできている?

 まぁ、そこはいい。

 「だがサラよ、レインを倒さねば我々の願う世界はできぬのだぞ」

 「わかってるよ。だ、か、ら、あんまり無理しない程度にがんばってね」

 サラはガイラスの体をいやらしいような触り方で触り誘惑をしている。

 私は、一体何を見させられているのだろうか。

 「でも、ガイラス。あなたの部下は皆、戦意喪失をしてるわよ」

 「だが、城の医者がしっかりと処置をしているから大丈夫さ」

 「そっか」

 まぁ、今日はあんまり期待するほどの情報は出そうにないな。

 帰るとするか。

 アリオンは来た道を通り帰る。


 「ふぅ、やっと我が家に着いた」


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...