買う側、買われる側

転生新語

文字の大きさ
1 / 6

プロローグ

しおりを挟む
「いらっしゃーませー」

 職場しょくばちかくのコンビニにくと、今日もけた女子じょし店員てんいんこえ出迎でむかえてくれた。ここのてんいんは、たぶん全員がアジアけいがいこくじんだ。おひるかんたい女子じょし店員てんいんがいて、よるになると男子だんしてんいんはたらいていると。基本はそんなシステムらしい。

 いま昼時ひるどきで、オフィスがいだからか、ひるやすみにはいった男女だんじょがレジまえれつしている。いつもどおりの光景こうけいだった。このあたりのコンビニでは一番いちばん人気にんきてんではないだろうか。雑誌ざっしみが可能かのうで、女子じょし店員てんいん可愛かわいい。とく後者こうしゃ重要じゅうようなポイントで、男性だんせいきゃくおおはした。

「ありあとござましたー」

 ありがとうございました、を極限きょくげんまでだらけた口調くちょうにすると、こうなるのだろうなと。そうおもわせるこえが今日もこえてくる。私は店内てんないまわりながらもみみかたむけていて、こころいやされていくのを実感じっかんしていた。ここの店員てんいんは、ほぼ全員ぜんいん礼儀れいぎただしいけれど、唯一ゆいいつ例外れいがいである彼女は口調くちょうはなはだしい。そして私は、彼女のそんな口調くちょう大好だいすきなのだ。こまったことに。

 あれこれべものとみものをものかごにれて、私もレジまえならぶ。レジの会計かいけい二人ふたり女子じょし店員てんいん対応たいおうしていたけど、うんよく私は、だらけた口調くちょうの彼女のまえすすむことができた。

「あー、おねえさん。今日も美人びじんだネ」

 笑顔えがおで、そうってくる。私にわせれば彼女こそ美人びじんだ。ひくくて一五〇センチ程度ていどだけど(ちなみに私は一七〇センチ以上いじょう無駄むだたかい)、ほんじんとはまたちがった、東洋的オリエンタルふんがある。すこけれど、私の前ではそのやさしくゆるんで、さら口調くちょうなった。

「ありがとう。美人びじんさんにわれるとうれしいわ」

 かるかえしてせるけど、私の内心ないしん少女しょうじょみたいにドキドキしている。私は二十代にじゅうだい後半こうはんで、彼女は……いくつだろう? 二十代にじゅうだい前半ぜんはんだと思うけど、十代じゅうだいわれても納得なっとくしそうなわかさだった。

 もっとはなしたいけど、私のうしろにはきゃく行列ぎょうれつができている。彼女からレジぶくろって、笑顔えがおわしてコンビニからた。これで今日の仕事しごとれる。彼女は私のしで、その存在そんざいは私に活力かつりょくあたえてくれていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話

穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

処理中です...