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バック・トゥ・ザ・江戸アンド西部
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私は江戸時代っぽい世界と、西部劇っぽい世界の中にいた。二つの世界に、同時に存在している。テレビの画面分割表示みたいなもので、慣れれば不都合はない。
江戸時代っぽい世界の方では、私は着物の下に女性忍者スーツを用意してて。西部劇っぽい世界の方ではズボンにウェスタンポンチョという、拳銃使いのスタイルである。
ぽい世界、というのは、まず明らかに私の衣装素材が未来的だからだ。たぶん23世紀の技術が使用されてて、薄くて軽くて、それなのに着ていて温かい。二つの世界も、テレビや映画で見たようなものとは違う気がする。もっとも私は歴史に詳しくないから、ドラマの方が実際と違うという可能性も否定できない。
いつもどおり、仕事にありつきに行く。二つの世界は現在、どちらも昼間だ。時計なんかないから正確には知らないが、まったく同じ時刻で、二つの世界がリンクしているように私には思われた。
「標的はこいつ。報酬は二十両だ、しくじるんじゃないよ」
江戸時代っぽい世界では、忍者である私の女上司が人相書き、つまり似顔絵を路上で渡してきて速やかに立ち去っていく。元の日常世界では縁がないような仕事で、だからこそ私は楽しかった。人の命を奪うならゲーム感覚でやるのが一番である。変にストレスを溜めてはいけない。
「今夜、クレイ一味が一軒家に集結します」
西部劇っぽい世界では、十代の少年が酒場で私に情報を教えてくれた。英語なのだが、23世紀の技術で勝手に脳内翻訳される。「ご苦労さま。はい、お駄賃」と、これも私の言葉が自動翻訳されて。賞金首の情報料である金貨を受け取った少年は、笑顔で帰っていった。
私が日常世界から別世界へ行けるようになったのは、まず、23世紀くらいの宇宙船内が最初だった。ただ宇宙空間での長旅はあまりにも退屈で、私は別の世界へも行きたくなって。その結果、私は江戸時代や西部劇時代にも行けるようになったのだった。23世紀の技術を持ち込むことも可能で、どういう理屈なのだか私は知らない。
考えられるのは、ここが23世紀のAIが作った、仮想世界なのではないかと。そういうことである。言葉の不都合もなく、私は別世界に順応できているし。あるいは未来の技術で、本当にタイムトラベルができているのか。まあ、どうでもよくて、タイムパラドックスは今のところ起きてないから私としては問題ない。
私の別世界での仕事は、腕さえ確かなら、細かいことを詮索されない業種である。私は流れ者ということになっていて、今回も仕事をするのは夜だ。それまでの間、二つの世界で私は博打をやって時間を潰した。
夜が来る。江戸時代っぽい世界では駕籠で、標的のお偉いさんが、護衛に囲まれながら林の中の細道を移動していた。標的が善人か悪人なのか、私は知らない。お金になればいいのである。忍び装束の私は木陰から、彼らの前に飛び出して、護衛が乗っていた馬の足を止めた。
西部劇っぽい世界では、夜の一軒家で、賞金首のクレイ一味がポーカーに興じていた。きっと次の強盗計画など練っているのだろう。その計画が実行される日は永遠に来ない。窓の外から、私は屋内のランプを撃ち抜いた。
馬上の護衛が切り掛かってくる。刀は空を切って、私は馬上の護衛の、頭よりも高い位置へと飛び上がっている。私が履いている草履には、反重力装置が組み込まれているらしい。空中での蹴りで、首の骨が折れて彼は落馬した。
一軒家は屋内の明かりが消えて、クレイ一味が右往左往している。堂々と私は正面から屋内へ入っていき、一人ずつ撃ち殺していった。暗視できるのは未来技術のお陰である。西部劇っぽい世界で、私は賞金首を一掃して。江戸時代っぽい世界で、私は護衛を斬り殺していく。
画像処理のように、生々しい殺害の光景はソフトフォーカスされて私の目に映る。これはむしろ、精神面への処置だろうか。恐怖もなく、すべてがスローモーションに見えて、私は未来の忍者スーツで高速移動や攻撃が可能だ。最後に駕籠から標的を引きずり出して、殺してから人相書きで確認をする。本物だったので、これで報酬二十両は頂きだ。
客観的に見れば、正視に堪えない状況だろう。私からすれば、これは日常の外の出来事である。テレビゲームの中にいるようで、それでいて現実感はある。勝利が確約されていて、そういう戦いは楽しいものだった。楽しすぎて、もう戻れそうになくて。同じ体験を他人に薦めようとは、まったく私は思わない。
江戸時代っぽい世界では、女性忍者のギルドというか、本部があって。私は報酬を受け取った後、本部の宿泊施設に泊まった。個室ではなく大部屋がいくつかあって、その一つで、私は何人もの同僚と裸で絡み合う。この世界で無法者の私が、最もリラックスできる場所がここなのである。暗殺者の私は、いつ外で報復されてもおかしくないので。
同僚との乱交は本部から咎められず、むしろ推奨されていた。21世紀のアイドルグループと同じで、女性忍者が外部の男性と恋愛をするのは不味いのである。内部から裏切り者が出て、組織が崩壊することは避けたいのだった。
西部劇っぽい世界では、生死不問の賞金首であるクレイ一味を仕留めた私が、酒場の二階にある売春宿でせっせと賞金を浪費している。こちらでも複数人が相手で、私は女性同士でのセックスが好きなのだなと実感させられる。妊娠しないから都合がいいし。
犯罪者から銃撃される確率はゼロではないけど、裸でも、未来技術の自衛装置は作動しているのだ。枕元には銃があるので問題ないだろう。仮にここで死んだら、江戸時代っぽい世界にいる方の私はどうなるのかと、ちょっと興味は湧いた。
二つの世界で、私は複数人との情事を同時進行していく。両耳から淫語を流されるASMRがあるけど、あんなものより遥かに凄まじい快楽である。未来のエロ技術というのは大したものだった。それともパラレルワールドを行き来できるのは、私の能力によるものなのか。
私の今の状況が、不思議な能力によるのか、未来のAIによるのかは不明だけど。こんなに楽しい娯楽は滅多にない。人命を奪うことで、私の生存本能が刺激されて、激しい性的欲求が起こって情事が盛り上がる。いつでも21世紀の日本へ戻れるから裁かれることもない。
リスクがほぼゼロの娯楽である。少なくとも宇宙空間や、今いるような別世界においては。暗殺される可能性はあるが、それを言ったら、絶対に負けないテレビゲームというのも退屈なのだ。対価として、ある程度の危険は受け入れようと思っている。
江戸時代っぽい世界の方では、私は着物の下に女性忍者スーツを用意してて。西部劇っぽい世界の方ではズボンにウェスタンポンチョという、拳銃使いのスタイルである。
ぽい世界、というのは、まず明らかに私の衣装素材が未来的だからだ。たぶん23世紀の技術が使用されてて、薄くて軽くて、それなのに着ていて温かい。二つの世界も、テレビや映画で見たようなものとは違う気がする。もっとも私は歴史に詳しくないから、ドラマの方が実際と違うという可能性も否定できない。
いつもどおり、仕事にありつきに行く。二つの世界は現在、どちらも昼間だ。時計なんかないから正確には知らないが、まったく同じ時刻で、二つの世界がリンクしているように私には思われた。
「標的はこいつ。報酬は二十両だ、しくじるんじゃないよ」
江戸時代っぽい世界では、忍者である私の女上司が人相書き、つまり似顔絵を路上で渡してきて速やかに立ち去っていく。元の日常世界では縁がないような仕事で、だからこそ私は楽しかった。人の命を奪うならゲーム感覚でやるのが一番である。変にストレスを溜めてはいけない。
「今夜、クレイ一味が一軒家に集結します」
西部劇っぽい世界では、十代の少年が酒場で私に情報を教えてくれた。英語なのだが、23世紀の技術で勝手に脳内翻訳される。「ご苦労さま。はい、お駄賃」と、これも私の言葉が自動翻訳されて。賞金首の情報料である金貨を受け取った少年は、笑顔で帰っていった。
私が日常世界から別世界へ行けるようになったのは、まず、23世紀くらいの宇宙船内が最初だった。ただ宇宙空間での長旅はあまりにも退屈で、私は別の世界へも行きたくなって。その結果、私は江戸時代や西部劇時代にも行けるようになったのだった。23世紀の技術を持ち込むことも可能で、どういう理屈なのだか私は知らない。
考えられるのは、ここが23世紀のAIが作った、仮想世界なのではないかと。そういうことである。言葉の不都合もなく、私は別世界に順応できているし。あるいは未来の技術で、本当にタイムトラベルができているのか。まあ、どうでもよくて、タイムパラドックスは今のところ起きてないから私としては問題ない。
私の別世界での仕事は、腕さえ確かなら、細かいことを詮索されない業種である。私は流れ者ということになっていて、今回も仕事をするのは夜だ。それまでの間、二つの世界で私は博打をやって時間を潰した。
夜が来る。江戸時代っぽい世界では駕籠で、標的のお偉いさんが、護衛に囲まれながら林の中の細道を移動していた。標的が善人か悪人なのか、私は知らない。お金になればいいのである。忍び装束の私は木陰から、彼らの前に飛び出して、護衛が乗っていた馬の足を止めた。
西部劇っぽい世界では、夜の一軒家で、賞金首のクレイ一味がポーカーに興じていた。きっと次の強盗計画など練っているのだろう。その計画が実行される日は永遠に来ない。窓の外から、私は屋内のランプを撃ち抜いた。
馬上の護衛が切り掛かってくる。刀は空を切って、私は馬上の護衛の、頭よりも高い位置へと飛び上がっている。私が履いている草履には、反重力装置が組み込まれているらしい。空中での蹴りで、首の骨が折れて彼は落馬した。
一軒家は屋内の明かりが消えて、クレイ一味が右往左往している。堂々と私は正面から屋内へ入っていき、一人ずつ撃ち殺していった。暗視できるのは未来技術のお陰である。西部劇っぽい世界で、私は賞金首を一掃して。江戸時代っぽい世界で、私は護衛を斬り殺していく。
画像処理のように、生々しい殺害の光景はソフトフォーカスされて私の目に映る。これはむしろ、精神面への処置だろうか。恐怖もなく、すべてがスローモーションに見えて、私は未来の忍者スーツで高速移動や攻撃が可能だ。最後に駕籠から標的を引きずり出して、殺してから人相書きで確認をする。本物だったので、これで報酬二十両は頂きだ。
客観的に見れば、正視に堪えない状況だろう。私からすれば、これは日常の外の出来事である。テレビゲームの中にいるようで、それでいて現実感はある。勝利が確約されていて、そういう戦いは楽しいものだった。楽しすぎて、もう戻れそうになくて。同じ体験を他人に薦めようとは、まったく私は思わない。
江戸時代っぽい世界では、女性忍者のギルドというか、本部があって。私は報酬を受け取った後、本部の宿泊施設に泊まった。個室ではなく大部屋がいくつかあって、その一つで、私は何人もの同僚と裸で絡み合う。この世界で無法者の私が、最もリラックスできる場所がここなのである。暗殺者の私は、いつ外で報復されてもおかしくないので。
同僚との乱交は本部から咎められず、むしろ推奨されていた。21世紀のアイドルグループと同じで、女性忍者が外部の男性と恋愛をするのは不味いのである。内部から裏切り者が出て、組織が崩壊することは避けたいのだった。
西部劇っぽい世界では、生死不問の賞金首であるクレイ一味を仕留めた私が、酒場の二階にある売春宿でせっせと賞金を浪費している。こちらでも複数人が相手で、私は女性同士でのセックスが好きなのだなと実感させられる。妊娠しないから都合がいいし。
犯罪者から銃撃される確率はゼロではないけど、裸でも、未来技術の自衛装置は作動しているのだ。枕元には銃があるので問題ないだろう。仮にここで死んだら、江戸時代っぽい世界にいる方の私はどうなるのかと、ちょっと興味は湧いた。
二つの世界で、私は複数人との情事を同時進行していく。両耳から淫語を流されるASMRがあるけど、あんなものより遥かに凄まじい快楽である。未来のエロ技術というのは大したものだった。それともパラレルワールドを行き来できるのは、私の能力によるものなのか。
私の今の状況が、不思議な能力によるのか、未来のAIによるのかは不明だけど。こんなに楽しい娯楽は滅多にない。人命を奪うことで、私の生存本能が刺激されて、激しい性的欲求が起こって情事が盛り上がる。いつでも21世紀の日本へ戻れるから裁かれることもない。
リスクがほぼゼロの娯楽である。少なくとも宇宙空間や、今いるような別世界においては。暗殺される可能性はあるが、それを言ったら、絶対に負けないテレビゲームというのも退屈なのだ。対価として、ある程度の危険は受け入れようと思っている。
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作家 蔵屋日唱
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