キーボードクラッシャーの日常

あおみなみ

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サービス業のサービスの部分

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 モスバーガーのナゲットを時々注文します。
 家族で食べるときは、自分が注文しなくても、家族の誰かが欲しがるので、まあ結構高頻度で注文しているのではないかと思います。

 このナゲットにつけるソースが無料だったのは10年以上前でしょうか。「別売1個30円だか40円になって久しい」とだけ覚えています。無料でもらっていた頃は、主にマスタードを選んでいました。
 今は、大抵テイクアウトということもあり、家でケチャップを使ってもいいし、好みに自作してもいいので、別売品を買うことはなくなりました。というか、そのまま何もつけずに食べても十分おいしいので、イートインでも注文することはありません。

 ある日こんなことがありました。

 私がよく行く店舗は、結構年配のスタッフもいらっしゃるところです。60代ぐらい?という感じの女性が注文を取り、別売ソースなしでナゲットを注文したら、「ソースはいかがですか?」と確認されたので、「不要です」とはっきり言ったつもり、でした。
 しかしなぜか会計の1、2分後、別の若いスタッフから、「ソースは何にするか」と確認されました。
 「ソース自体注文していません」と答えると、やや怪訝な顔をしつつ、「失礼しました」と謝られました。

 えーっ、どゆこと?

 下種の勘繰りですが、ひょっとして年配のスタッフさんが私のオーダーを伝えたにもかかわらず、「聞き忘れた」と思われたのではないでしょうか。
 それは年齢のせいなのか、平生こういうミスをしやすい人なのか、理由は分かりません。ただ、少なくとも若いスタッフは「ソースを注文しないなんておかしい」と判断したのでしょう。別売である以上、それを選ぶのは私の自由というか裁量のはずなのですが。しかも、ミスしていない人をミスした扱いしたってことですよね。

(私には別に謝まんなくてもいいけど、最初に注文取ったスタッフさんには謝ったのかな……?)

 少し気になりましたが、確認のしようがありません。せめて謝っててくれたらいいな。
 バーガーショップの中で一番好きなのがモスなので、このこと一つ取って「もう行かねー!」とはなりませんが。

***

 そういえば、「前提になっていること」からズレたせいで、会計ミスを招いたこともありました。

 何十年も前ですが、あるラーメン屋さんにて。当時はあまりなかったトッピング別料金のお店で「しょうゆラーメンにバター」という注文をしたところ、数十円高い味噌ラーメンで計算されてしまいました。一緒に行った母はトッピングなしのしょうゆだったのと、トッピング料金がレジの場所から見やすい場所に貼ってあったこととで、すぐに計算ミスに気付きました。例えば、しょうゆラーメンが400円×2、トッピングが50円で計850円のはずが、味噌450円のため900円請求された、みたいな感じです。

 気づいて指摘すると、「あー、ごめん。しょうゆにバタートッピングする人なんていないから」と、笑いながら打ち直してくれたのですが、釈然としません。

って、私がたった今注文したやろがい!)

 言いたいことは分からないでもないけれど、その一言、要ったか……?

 いつも同じものを注文する和食屋さんでいつもと違うものを注文したばかりに、請求額が少なめだったので言うと、「あー、ごめんなさい。いつものくせで……」と笑いつつ詫びられたこともあります。多分、割とよくあることではないかと思います。

 ところで、この店にひとりで行くときはいつもカウンターを利用していたせいか、人の好さそうな大将が、実は結構毒を吐くタイプというのを知っていました。

 といっても、内容は大したことじゃないんです。最近の流行について「あんなもの好きなやつの気が知れない」と言ったり、たまたま食べたラーメン屋さんがイマイチだった話を実名で話したり、久々に東京に行ったけど、満員電車に乗っている人がみんな目が死んでいたので、「都会は人の住むところじゃねえな」と言ったり、本当にありふれた、多分悪気もないであろう発言ばかりです。

 まあそんな感じなので、「あの客がいつもと違うもの頼むから間違っちゃったよ」と、私に責任をなすりつけるのでは……などと、要らぬ心配をしてしまうわけです。

***

 私は自他ともに認めるビビりで気にしいなので、逆に幸いなことにカスタマーハラスメント加害者になる可能性は、限りなく低いという自負があります。
 それでいて、こんな取るに足らないことをいつまでも気にして愚図愚図ぐずぐず愚痴愚痴ぐちぐちしているのだから、変な種を自分の中にため込み、いつかは嫌がらせ――とはいかないまでも、よろしくない態度の萌芽につながりかねません。

 ちなみにモスバーガーは今も時々行きますが、ラーメン屋さんは何年も前に廃業。和食屋さんは大幅値上げの後、気づけば数カ月行ってないなあ――という状況です。
 と書いてみて思ったけれど、こんなにおわせ的なこと、書く必要もありませんね。
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