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第4話 【ヒロイン目線】目から鼻へ抜ける
学園祭
しおりを挟む部活のとき、例の3ヒントクイズの話をしてみた。
大規模なのは無理だけど、例えば4択問題を作って答えさせ、全問正解していないと最後の連想がうまくいかない、みたいな構成にしたらいけるかも、みたいなところで大筋が決まった。
「あとは難易度の調整とジャンルのバランスかな」
「カンタン過ぎても盛り上がらないし、難し過ぎても白けるし…」
「それに最後の正解も、タイムリーなのにしないと」
智彦さんがお友達とチームを組んでクイ廃に出たとき、結果こそ芳しくはなかったんだけど、「20xx年、あのみずほテレビの「クイズバトル・ハイ」県代表に勝ち上がったチームを輩出した名門サークル!」みたいなうたい文句が打てるので(若干誇大広告だけど…チームが先で、サークル結成がその次だし)、結構乗ってくれる人もいるかもしれない。
「クイズ系の掲示板に企画告知の書き込みしておこうか」
「他校のクイ研の友達にも声かけとくよ」
競技クイズは意外と外部とのつながりがないと、活動が盛り上がらない。例会でほかの学校の人たちとよく会うし、社会人サークルに顔を出している人もいるみたい。
「ガチ勢だらけで排他的な感じになっちゃうのもあれだし、問題の難易度別でコース分けしてもいいんじゃない?最後の正解だけ同じにして」
「あと、最後の正解が外部に漏れる可能性もあるから、一定時間経ったら問題自体を変えちゃったりしても…」
やること、考えることはいっぱいありそうだけど、今年大滑りしても、来年以降改良していけばいい。
どうせ私たちOBは、先輩風吹かせに遊びに来るだろうし(笑)。
クイ研ってだけで陰キャみたいにバカにする人もいるけど、みんな前向きで、趣味を思い切り楽しんでるんだよね。理解されにくいだけで。
◇◇◇
文化祭当日はもたついたり、小さなミスがあったりもしたものの、結構いろんな年齢層の人が集まって楽しんでくれたみたいだ。
小学6年生で「難」の方を選んで、5ヒントのうち3つで正解して、最後も見事大正解という子には、「敢闘賞」としてお菓子の詰め合わせをプレゼントした(ほかのクラス企画のゲームか何かでもらったのの横流しだけど)。
その子によると、
「わかんなかった2つは正解聞いてもピンと来なかったです。
3つは四択じゃなくても分かったやつだから、
逆に自分の頭の中で連想が絞りやすくて助かりました」
という、実にクールな感想を賜った。これは来年以降の企画の参考にもなりそう。
智彦さんも遊びに来てくれたし、桐本先生も覗きにきた。
先生は、私が智彦さんと笑いながら話しているを見て、「河野は彼と…随分親しそうだったね。つき…いや、何でもない」って、分かりやすく動揺?していたので、
「付き合ってませんよ!(付き合いたいけど)」と言ったら、ちょっとほっとしたように見えたけど、さすがにうぬぼれかな?
私はたしかに智彦さんが好きだけど、先生に今時点で誤解されるのは少し嫌。
何だろう、この気持ち。
ちなみに桐本先生は、「クイズバトル・ハイ、出てみたかったけれど、仲のいい友達は興味なさそうだったし、そのためだけにチームを結成するほどガチでもなかったし…」と言っていた。
もし先生が出場して本選に残っちゃったりしたら、小学生だった私が桐本先生をテレビで見て、「かっこいいお兄ちゃんだな」なんて思っていたかもしれない。
それ以前に、ほかの女子がさわいだり、「〇〇高校の桐本宗輔君がイケメンと話題。性格は?彼女は?大学はどこに進学する?」みたいなまとめ記事が書かれていたりしてね。
妄想は果てしないけど、部活の方は文化祭の企画で引退する。
とりあえずは目の前の、短大の推薦試験。
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