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気になる同級生【【千弦と聡二】
部活見学
しおりを挟む彼女が俺に向かって「ふふっ」と笑いかけてくれたときから、俺は彼女と親しく話す機会が多くなった。
あまり好きな言葉ではないが、俺はいわゆるスクールカーストというやつが上位とみなされがちなせいか、佐倉のファンから特にやっかまれることもなく、彼女と普通に会話を重ねた。
あえて本を読んでいないときに好きな作家を尋ねたら、「芥川龍之介!」との即答が返ってきた。
特に『南京の基督』がお気に入りだというから、ちょっと皮肉な展開の話が好きなのかもしれない。
スポーツは「どこをどう見たらいいか分からない」という理由で観戦が苦手なのだという。
言われてみれば、俺もテニスが得意なだけで、ほかのスポーツにはあまり興味がないから、「どこをどう見たら」という感覚は分からないでもない。
簡単なルールやポイントを教えたら、テニス部の練習も見学に来てくれるようになった。
「珍しいな。F組の佐倉が来てるよ」
「誰かお目当てがいるのか?俺とか?」
「バーカ、んなわけあるかよ」
と、3年生は全体的に何となく浮足立っていた。
なるほど彼女は相当人気があるらしい。
2年の片桐にも「檜先輩のクラスのあの人、俺めっちゃタイプっすよ」と言われた。そして流れるように「紹介してくださいよお」と来るので、「お前の手に負える相手ではないぞ」と答えた。
どういう意味に取ったのか、「ああ見えて怖い先輩」だと思ったらしく、その後は何も言わなくなった。
全国大会がたまたま本県開催だったので、そちらの応援にも来てくれた。
残念ながら2回戦敗退という不本意な結果ではあったものの、
「お疲れさま。檜君ってとっても動きがエレガントなんだね」
という、非常にトンチンカンだが佐倉らしいと思える感想を賜った。
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