初恋ガチ勢 if設定編 こんな出会いもまた一興

あおみなみ

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英明編【メグと大輔】

図書委員会とコラボ

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 去年、委員会ミーティングに比較的まめに顔を出していた俺に、
「お前は真面目だな。何かやりたいことがあるのか?」
 と声をかけてきたのが、当時副委員長だった檜先輩だった。
 ダメモトで
「エンタメのページにオカルト関係のコラムを書きたい」
 と、“なーんちゃって”が付きそうな軽い調子で言ってみたら、少し考えてから、
「そうか。面白そうだな。委員長と相談してみよう」
 と言い、翌日にはわざわざうちのクラスまで来て、
「お前の連載が決まった。次号に載せたいから、600字から650字程度で何か書いてくれ」
 と言いながら、学校オリジナルの原稿用紙を渡してきた。

「あ、1行18字を守ってくれれば、この用紙でなくてもいいし、縦横どちらでもいい。手書きでなくてもいいぞ」

 とのことで、本当に抜かりがない。

◇◇◇

 あれはあれで面食らったが、俺としては今年もああいうコラムを書ければいいか程度に思っていた。
 そこに突然の副委員長への指名だったが、部活の上下関係を抜きにしてもお世話になっていることだし…
「まあ、いいですけど…」
「よろしくな。今年はコラボ企画なども考えているので、
 そちらの対応もお願いしたい」
「コラボ?」
 相変わらず何を考えているか、読めない人だ。

◇◇◇

 檜先輩は尊敬もしているし、決して嫌いではない。
 中学生離れした聡明さや無駄のない有能さに憧れていて、見習いたいとも思う。
 ただ――かなり苦手だ。
 同じテニス部でも、部長の高田礼一郎先輩ほどの威圧感はないのに、何となく逆らえない雰囲気がある。

 檜先輩は委員会終了後、
「よし、図書室に行くぞ」
 と言い出した。
「なぜですか?」
「実は去年から、図書室の佐鳥さとりさん(司書の女性)と話をつけた。
 図書委員会と報道委員会のコラボレーションだ」

◇◇◇

 図書委員長は檜先輩と同じクラスの女子生徒だった。
「ああ、やはり君が選ばれたか」
「報道は檜君?こっちも予想通りでした(笑)」

 3年生の委員長、2年生の副委員長のほかに、新入生の女子を紹介された。
「こちら1年D組の桜井芽久美ちゃん。絵本と少し古い少女小説に詳しいの。
 お母さんがプロのライターらしいんだけど、この子の書く文章もなかなか読ませるんだ」
「いえ、そんな…」

 身長は150センチあるかないで、1年の女子としても小柄な部類だろう。
 くっきりした賢そうな顔立ちで、短いおかっぱが似合っている。
「桜井です。先輩方、よろしくお願いいたします」
 とお辞儀をする所作がきれいで、真面目な子という印象を受けた。

「ふうん。そういう生徒なら報道うちに欲しかったな」

 長身で存在感のある檜先輩に見下ろすようにそう言われ、桜井という女子は委縮して一層小さくなってしまった。
 何というか――かわいらしい。少し恥ずかしがり屋なのかもしれない。
 女子にあまり興味を持ったことがないが、こういう子は何だか見ているだけで、その、いいな。

◇◇◇

 檜先輩と図書委員長の説明によると、今年は図書館だよりを報道委員会で出している定期便の中に織り込みたいとのことだ。
 写真の扱いや紙面づくりは報道の方が慣れているので、図書委員会が発行している新刊おすすめ情報を写真入りで「相乗り」させたいという。
 もともと学校一の読書家とのうわさの檜先輩が温めていた企画で、図書委員としても、願ったりかなったりということで乗ってきた。
「一般紙に載っている文芸コーナーみたいなものだ。
 通り一遍の新刊案内ではなく、本格的な紹介や書評が欲しいと思ってな。
 場合によっては先生や保護者にも協力を仰ぐかもしれないし、
 もちろん、もっと別な角度で企画を立ててもいいぞ」

 それ専門の委員として、図書サイドで1年の桜井が選ばれたのだそうだ。
「うちからはそういう係は出さないんですか?」
 と聞いてみたら、
「俺とお前で十分だろう?図書にはたまたま優秀な1年生がいたというだけだ」
 と言われた。
 俺とお前というより、檜先輩1人で十分だった気もするのだが、優秀な人に頼りにしてもらえることはうれしいし、何よりも、その桜井という女子が気になった。

◇◇◇

 委員会の後、部活の方に顔を出した。
 こちらも今、入部希望者の対応などで忙しい。
 檜先輩と一緒に部室に行く途中、
「正副委員長以外にもう1人とお願いはしていたが、
 随分かわいい1年生が担当になったな」
 と、含みありげに言われた。
 ひょっとして、先輩も桜井に興味があるのか?

 うちのテニス部は、関東大会優勝の常連で、全国制覇の経験もある。
 檜先輩はその中でも3本の指に入るスター選手なのだが、美麗な容姿と圧倒的な強さでエースに君臨する市村清吾先輩、実力ナンバーツーの高田部長に比べると、いろいろな意味で地味な存在だ。
 といっても、派手な中では地味というだけで、女子のファンもそれなりに多い。
 知性派で有名なので、本が好きなおとなしい女子に受ける傾向がある。
 (まさに桜井ってそのタイプなのでは…)

 そんなチャラついた軟派なことを考えていたら、顔に出てしまったのか、
「これから打ち合わせなどで顔を合わせる機会も多くなるだろう。頑張れよ」
 と付け加えられた。

 だからこの人は苦手なんだよ…。
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