【R18】Jasmine 俺のカノジョはとびきり魅力的で――飛び抜けてインランらしい

あおみなみ

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第35話 家族の休日【夫】

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 娘は春から小学生だ。一番近い公立なので、妻の母校でもある。
 先日は入学式に着ていく服、ランドセルなどを買いに、家族でデパートに行った。

 そのとき、8階の手芸用品売り場に寄りたいと妻に言われた。
 あまり縁のある売り場ではないが、何となく付き合ったら、「男性にもオススメ!レザークラフト」というコーナーがあったので、完成見本品につい見入ってしまった。
 コインケースやキーケースなど、普段使いの小物をつくったりしても楽しそうだ。

「あなた、それ買うの?」

 妻が用事を済ませて声をかけるまで、ああでもないこうでもないと悩んでいたせいか、結構長いことそこにいたことに気づかなかった。

「ああ――っと、決まったの?」
「うん!上履き入れとリュックつくってもらうんだ!」

 妻の代わりに娘が元気に答えた。

「リュック?」
「ロープザックっていうやつよ。運動着を入れて、ランドセルの上からロープひもをひっかけてくくりつけるの」

 説明してくれたのは妻だ。そういえばそういう小学生を、月曜の朝などに近所でよく見かけるな。
 そういうふうに持つことで、両手が空いていいというが、後ろが重くてひっくり返ったりしないんだろうか。

「大丈夫なんじゃない?そこまで重くはならないし、ひっくり返ってもロープザックがクッションになるし」

 妻が少しにやにやして教えてくれたが、そういう問題なんだろうか…。
 
 娘はずっと保育園に通っていたが、保育園では「〇〇センチ×〇〇センチでこういうものをつくってこい」といって、運動着入れやコップ入れなどを手づくりさせることが多かった。もともと器用な妻にはお手の物なので、小学校で使う袋類もつくることにしたらしい。

 妻は仕事をしつつ、家事も要領よくこなし、さらにちょっとした余力で自分の好きな本を読んだり、手芸を楽しんだりもする。運動神経はあまりよくないのでインドアタイプだが、結構多趣味で、自分を楽しませるすべを知っているようだ。

 妻も俺も、少し前に30歳になり、一応まだaround30アラサー(**)といってもいい年齢だ。
 子供が独り立ちしたら、とか、老後どうするとかはまだまだ先の話だけれど、俺も妻を見習って、何か趣味でも持とうかなどと考えたりもする。
 レザークラフト――いや、無理かな。材料費が高そうだし、こうして出来上がり品を感心して見るだけでも結構楽しい。

 そもそもデパート自体、あまり来ない場所だが、美しい妻と愛らしい娘と3人、こうして連れ立って出かけられるのは幸せだと思う。

**細かくてスミマセン。実はまだ時代設定的に「アラフォー」「アラサー」という言い回しが世に出ていない頃なのですが、しっくり来るので使わせていただきました。

***

 家に帰ると妻は、ささっとミシンをセッティングし、あっという間に「ロープザック」というものをつくってしまった。
 そうか、ロープをああいうふうに通せば、両脇からロープを引っ張ったとき、簡単に口が絞れるんだな――などと、またまた感心して見入ってしまった。

「どうかした?」
「いやあ、器用だなって思って」
「へへ、ありがと」

 もう一つの上履き入れはもう少し手数がかかるので、後でゆっくりやるのだと言いながら、娘にロープザックを渡した。

 「ママ、ありがとぉ!」と、目を細めて完成品をぎゅっと抱きしめる姿が、あまりにも愛らしい。
 許されるなら、このまま閉じ込めておきたい気分だ。
 こんなにかわいい子を毎日外を歩かせるのは、パパは心配だぞ…。

あいつの両親や――義兄もこんな気持ちだったのかもな)

 を思い出すと、いまだに少し複雑な気分にはなる。
 
 「実の妹を習慣的に抱き、写真まで撮っていた疑惑のある人物」

 それももう20年近く昔の話だし、疑惑は疑惑でしかない。
 例えば今さら妻に問いただしても、正直には言ってくれないだろう。
 ならば、義兄が貫き通した「嘘」を、現実として扱わなければならない。
 そう自分で決めたことではあるが、なかなかにきついものだ。

***

 義兄のことを思い出した日、俺はいつも妻を激しく抱く。
 妻は気づいていないだろうが、俺の攻めに素直に反応し、それはそれは愛おしい。

 妻のしとどに濡れたアソコの入口をに触っていると、ついそのを指で味わいたくなって、くいっと深く突っ込んでみた。
 妻は少し顔をしかめたが、これが苦痛なのか快感なのはが読めない。しかも官能をくすぐるような声でこんなことを言う。
 
「あ、ん…ちょっと痛い…ん…」
「悪い…」
「でも…それが気持ちいい…んだよね…」

 どちらかというと愛らしいベビーフェイスの中に、妖艶な隠し味のある表情。
 …たまんない。
 
 俺は、同じ職場のTが去った後、妻以外の女性を抱いていない。
 そういうもなく、何よりその気にもなれなかった。

 その分というか、妻には妊娠中も少し無理をさせてしまったが。

 妊娠中ではないが、娘が4歳か5歳の頃か。
 彼女が2階で眠ったのをいいことに、2人とも酔いが回っていたせいもあり、リビングで全裸になって交わっていたら、何かの拍子に起きて娘まで服を脱いで「ワタシも~」と満面の笑みで乱入してきたことがあったな。あのときは大慌てで服を着たっけ。

「ちょっと…何ニヤニヤしてるの?」

 あ、顔に出てしまったようだ。

「いや――さすがにリビングでヤるのはまずいかな、と」

 妻にはコレだけで、何のことだか通じたようだ。
 さすがに長く夫婦をやっているだけのことはある。

「あのときは…ねえ…でも、そういう誰が来るか分からないシチュエーションって、ドキドキしちゃうかも」
「え?」
「想像すると、だよ。私はもっとセックスしたいな」
「…だよね」

 誰が来るか分からないシチュエーションに…ドキドキ?
 それは経験談なのか?それとも一般論的なアレか?
 
 妻のそういう危なっかしい感性もまた、愛すべきものだし、自分の肉欲に働きかけてくるものでもある。

(俺、いがいとネトラレ願望あったりしてな…)

 俺は口を半開きにした無防備な妻の顔をまっすぐ見下ろしながら、激しく腰を動かし、いつものように果てた。

 妻はいつものように愛らしく、エロチックで、温かく――そして柔らかかった。
 出産後、少しふっくらしたような気はするが、「太った」とまでは思っていなかった。
 しかし妻本人が少し気にしているように、実際太ったのかもしれない。
 男と女ではそういう感覚にずれがあるとも聞くし、俺は感想を求められるまでは静観するだけだ。

 妻の体に(少なくともセックスのお相手として)何ら不満はない。

「気持ちよかった…ありがとう」
「やだ、夫婦なんだから、こんなことでお礼言わないでよ」
「それもそうか…」
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