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緑地で一服
しおりを挟むしかし本当にいい月だ。多分満月なのだろう。
めちゃくちゃクリアに見えるから、雲もなさそうだ。
酔い覚ましに飲みながら帰ろうと思い、自動販売機でミルクティーを買った。
冷たいやつだったけど、そんなに寒くは感じない。1月や2月のこの時間なら、こうはいかないだろうな。
歩いて帰るのは初めてだが、国道n号バイパスの脇の歩道をぷらぷらまっすぐ歩くだけなので、道に迷うこともない。2キロという距離も、散歩兼酔い覚ましには多分ちょうどいい。
ただ、途中で1カ所、迂回させるみたいに橋ができていた。
こういう想定外のことも、少し酔っぱらっているせいもあってちょっと楽しい。
石畳風のちょっと凝った造りの橋を、街灯の光が控え目に照らしていた。
橋を渡り切ると、公園――ってほどでもない緑地があって、ベンチが二つ並んでいた。
月を見上げるのにちょうどいい位置だと思い、そこに腰かけてペットボトルのふたを開けた。
座ったせいか、体が安心したのだと思う。
俺は背中をベンチに任せ、気付けばうとうとしていた。
意識的に見たわけではないので、確定ではないんだけど、その直前に見た時計は23時40分?45分?少なくとも30分よりは後だった気がする。
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