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正直、私もそう思う…(2017年4月27日)
しおりを挟む今村雅弘氏が復興大臣職を辞任しました。
もともと東日本大震災絡みの失言(とされる発言)が多い方でしたが、4月25日、二階派パーティーでの講演での『まだ東北で、あっちの方だったから良かった』が決定打となったようです。
少し前の『自主避難は自己責任』が斜め上発想の人たち(私感ですが)から批判されたこともあり、一事が万事のように、「ほらやっぱりこういう奴だったでしょー?」とたたかれるのではと思いましたが、そこは切り分けて考えている人が多い印象です。
たまたま周りに「いや、だって自主避難って言ってるんだから」と考えるタイプが多いせいもあるかもしれませんが。
もっともそういう発想の人間でないと、福島なんかでのうのうと生活できるわけありませんもんね、はいはい、すみませんね。
10年ほど前のM-1グランプリでサンドウィッチマンがワイルドカード枠から優勝を勝ち取ったとき、お笑い系の掲示板で、意味不明な書き込みを見たことがありました。
要約すると「東北(宮城県)出身のくせに」という、批評の域に達していないダメ出し――というよりただの悪口だったのですが、なぜかそれを書き込んだ人の常識では、『東北人が面白いことを言うわけがない』『東北人はバカにしてもいい』、この2つがみんなが認める「真理」としてあったようで、掲示板住民にボコボコにされてなお、「ちょっと何言ってるかわからない」だったようです。
また、大分前(少なくとも震災前)の『タモリ倶楽部』で、空耳アワーの安斎肇さんが箭内道彦さん(福島県出身)と鍋をつついたときの話をしていたのですが、「福島の人って何でああなの? くらーい顔して下向いて無言で…」と、箭内さんのそのときの様子を表現していました(**)。
多分、一緒にお鍋を囲む程度の親交があるからこそ、「ちょっとー、ノリ悪いよー?」程度のいじりの意図で言ったのだと思いますが、福島出身者が言われて愉快な言葉ではありません。
でも、「やな感じ!」という感情と、「自分も鍋食べてるときはそんなかもなー」という振り返りは、不思議でも何でもなく、普通に同居するものです。
ただ、それは福島出身だからではなくて「そういう人」だからです。
暗い顔というのも見た人の主観でしかないし(というか、箭内さんにはもともとそこまで朗らかな印象がないし) カニならカニ、肉なら肉がおいしかったら、多分、その瞬間は笑顔で「あ、うまっ」と言うと思います。
**
若干記憶違いがあった可能性があるので、念のため。
安斎さんが、プライベートか仕事絡みかで鍋をともにしたわけではなく、タモリ倶楽部番組内の企画で鍋を食べるときの箭内さんの様子を見て、私感として「福島の人って…」と言っていたのではないかという可能性があります。
具体的に示せる映像や記録が見つからなかったのですが、「福島の人って何でああなの?」という発言自体は間違いなくありました。
私自身がそれまで安斎さんに比較的好印象だったので、「えー、こういうこと言っちゃうんだ」と少しがっかりしたほどですから。
**
ともかく。
ことほどさように、東北民はディスっていいタイプの田舎者だという意識って、悲しいかな、結構一般的なものではないでしょうか。
中学生のとき、なぜ福島で東京電力のCMを放送しているのかという理由を社会科の先生が説明してくれました。
「福島にある原子力発電所(だけじゃないけど)では、東京電力の電気をつくっているんです。
どうして東京――関東じゃなく、福島にあるかわかりますか?
地震が少ない(※当時の認識です)、東京から比較的近いなどの理由もありますが、
東京につくって事故など起こったら、大惨事になるからです」
ざっとこんな話でした。
よくよく考えると、「ひどい」話なんですけど、当時の私は「そりゃそうだな」としか思いませんでしたし、ある意味今でもそう思っています。
原発から60キロ程度離れたところに住まう者の認識はこの程度です。
具体的に原発立町の人たちと直接話したことがないので、原発についてどんなふうに教わっていたのかを知りませんが、多分、「未来を照らす!」「なくてはならないもの!」など、前向きな教育をされていたであろうことは想像できます。
炎上商法をねらっているんでもない限り、大抵の有名人・公人は口を慎みますし、慎むように求められます。
だから問題になる失言というのは、指摘されないと「何が問題だったか」を言った本人自体が自覚できないものです。
だって正否はともかくとして、本人の中では「事実」なんですから。
少し違いますが、「台風が北海道に抜けました」(一安心のニュアンス)という気象情報が問題視されたことがあります。
北海道には台風は無関係という認識が言わせていた言葉でしょうが、実は結構余裕で上陸したりしていますよね。
私は公人でも有名人でもないので、進んで失言をしましょう。
「どうせみんな同じこと思ってるんでしょ」
これ、ネット上で露悪的に(しかし匿名で)書き散らしている人に限りません。
ごくごく普通に善良な、あまり物を深く考えない人たちも含んでいます。
その人たちは、普段は人並みに親切で、家族や友人を大切にし、余裕があれば東北のみならず被災地復興募金にも協力的かもしれません。
それでも「東京が被害に遭うよりはマシ」と思ってしまって、そう思ったすぐ後に、それを悔いたり恥ずかしいと思ったりするかもしれません。
あの立場にある人が言っていい言葉でなかったことはたしかですが、何かと東京一極集中のこの日本において、被災地・東北の当事者ですら、立場が少しかわればその発想が出てくるのが普通――というか、出てこない方がおかしいような気さえします。
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