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第24章 【番外編】あの頃が一番楽しかったかもしれない。【メグと大輔】
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しおりを挟む次の日、駅前で「どうした?元気がないな」と声をかけられ、振り向いたら檜先輩がいた。
くそっ。この人って声までいいのかよ。
「数少ない通学路仲間の肩がいつもより落ち気味なので気になったが――余計なお世話かな?」
そこで俺は(名前とか出さないで)前日のけんか?のことと、一応仲直りできたっぽいけどすっきりしないってことを思い切って言ってみた。
「ふむ…ババアと言ったことで怒ったんじゃないとすると、ほかにも何か言ったということだよな?」
「あの…狂い咲きとか、みっともないとかって…言いました」
「なぜそんな言葉が出てきた?」
「それはその…その子の母ちゃんが、せんぱ…若くてかっこいい人と楽しそうに話してたから…」
「ほお。君はなかなか面白い言い回しを知っているんだな」
え?そこ?
「謝罪は尊いが、見当はずれな謝罪が相手を余計怒らせることはよくある。
そこは「なぜ君はそんなに怒ったのか」と理性的に、あくまで低姿勢で尋ねてみるのも手ではないか?」
「あ…はい…そうなんですけど…そうですね」
「ただし、取り繕ったりごまかしたりせず率直にな。
でなければ、芽久美ちゃんとはこのまま上っ面だけの付き合いのクラスメートで終わるぞ?」
「(え?名前言ったっけ?言ってない…よな)」
「じゃ、俺はここで」
檜先輩はそう言うと、店の前を掃いていた芽久美の母ちゃんに走って近づいていった。
すげっ。ここに着くまでの5分くらいで「解決」っぽい空気になっちゃったよ。
そして、走っていく檜先輩を見て、何で芽久美があんなに怒ったのか、俺でも何か分かった。
デレデレしてんのは、芽久美の母ちゃんじゃなく、檜先輩の方なんだよな。
しかも、いくら美人でもあんな年上のヒトを好きだって気持ちを隠そうともしていない。
堂々としすぎてて、逆にかっこいいじゃん。
◇◇◇
俺はその日、芽久美と普通に話したり、くだらないことで軽くケンカしたりして普通に過ごした後、帰宅してからまた彼女にLINEした。
「ある人に言われて、俺がどんなにひどいこと言ったか反省した。改めてごめん」
「ついでに言うみたいで悪いけど、俺芽久美のこと中1のときから好きだった。俺と付き合ってくれ」
檜先輩みたいにかっこよくはできないけど、好きな子に好きだって「取り繕ったりごまかしたりせず」伝えることは、ちょっと勇気出しゃできる。
芽久美からの返事は
「ありがとう。それを直接顔を見て言ってくれたら、考えてもいいよ」
だった。
え?え?これって…。
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