初恋ガチ勢

あおみなみ

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第41章 【番外編】月下氷人、三度(みたび)【千弦と聡二 交際編】

口実作りの名人

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 結局礼一郎は、東京の和泉の下宿近くまで送っていったらしい。

「電車が少し混み合ってきたせいか、ボディーガードになる、とか言ってくれたの。あんなに女の子扱いされたのは初めてかも」

 少し恥ずかし気だが、満更でもない様子だった。
 某芽久美と大倉何某の初対面エピソードを彷彿とさせないでもない。

「何だかこのままじゃ悪いから、改めてお礼がしたいんだけど…」
「あいつの誕生日は5月で、もう過ぎてしまったが、少し遅い誕生日のプレゼント的なのも口実になるのではないか?」
 そう言われ、和泉が「いいわね」と言った後、少し意地の悪い表情を浮かべ、「さすが檜君、口実作りの名人ね」と言った。この間の千弦さんとのガールズトークで一体何か吹き込まれたか?という顔だ。

 ちなみに礼一郎の方からも、「次に和泉さんと店に来る予定はあるか?」と聞かれた。呆れたことに連絡先の交換もしなかったようだ。
 しかし俺に抜かりはない。和泉の許可をきちんと取っていたので、彼女の携帯番号を伝えた。

「彼女はお前からの連絡を喜ぶはずだ。電話してやれ」
「しかし、何を話したらいいか…」

 和泉は先日の「帰宅デート」で、自分ばかり話し過ぎたかもと反省していたのだが、一方で「高田さんが時々相槌を打ちながら、しっかり話を聞いてくれたのがうれしかった」と言っていた。
「どこかに誘って、顔を見て話すといい。お前たちにはその方が手っ取り早そうだ」

 よくよく考えると、電話で会話するよりハードルが高いかもしれないなと思いつつ提案した。
 しかし、礼一郎は予想外の「そうだな。そうしてみる」という返事をした。

 俺は過去に芽久美と貝沼少年、芽久美と大倉という2のカップルの仲を取り持ったことがある。
(たまたまそうなっただけで、芽久美が身持ちが悪いわけではないので、念のため)
 礼一郎と和泉がうまくいけば3度目ということになるが、好人物と好人物の間を取り持つのは悪くない気分だ。うまくいってくれるといいのだが。
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