短編集「めおと」

あおみなみ

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パパは不器用

アウトドアな父・インドアな娘

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「悪い人じゃないんだけどね…」
人に何かをしてあげたい願望が強い人の落とし穴、的な小話です。

***

「父親が休みの日にパチンコ行きたがる家の子供ほど、舞浜のテーマパーク“D”に連れていけとせがむ」
 のだそうだ。

 真偽のほどは分からないけれど、モエカの父・コウタは口癖のようにそう言っている。

 確かにコウタはパチンコをしないし、モエカも“D”には興味がない。というよりも遊園地やテーマパークの人混みが苦手だ。そこだけを切り取ると、案外当たっていそうな気がしないでもない。

 小学生の頃からよく聞いていた言葉だったけれど、来年は高校生というこの年齢になって、モエカは認識を改めた。

 これって要するに、パチンコと“D”への偏見じゃん、と。
 好き嫌いはしようがないにしても、それはあんまりカッコいいことではない。少なくとも、顔で言うことではない。

 コウタはアウトドア派で、『Be Friend』という雑誌を高校生の頃から愛読しているらしい。
 結構なキャンプ道具を持っているし、休みの前日に暗いうちから動き出して、山歩きしながら写真を撮るのがを楽しみにしている。

 モエカは家で本を読んだり何か作ったりするのが好きで、出歩くにしても半径1キロ程度だが、そういう散歩自体は嫌いではなかった。これは完璧に母親ハルナの影響だろう。
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