短編集「めおと」

あおみなみ

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花婚式 4th Wedding Anniversary

再び18:00

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 素敵なヘアスタイル、素敵な旦那さん…か。

 栄養ドリンクは飲みきってしまったけれど、ボトルを捨てるでもなく手に持ったまま、ついついぼーっとしてしまった。

 私は今十分幸せだ。
 どれぐらい幸せかといえば、恵介の無神経な一言に腹を立てつつも、幾つもいい思い出を取り出して並べて、「よくない態度だったかな」と反省できるほど幸せだ。

 今日の夕飯は、もう決まっている。
 ケーキ屋さんも、最近は閉店が早い。
 19時までと思ったら18時30分に繰り上げ、なんてことがざらになっている。感染症が落ち着くまでは、こんなものだろう。

「ま、4年目って中途半端だしね。特にこだわらなくてもいいか」

 私は自転車をこぎながら、しばしば独り言を言うくせがあった。
 例えば住宅街を通りかかったとき、誰かが家の中で、私の「大きい独り言」を聞いたとしても、誰が言ったか特定される前に、さっと走り去ってしまえるから、あまり気にしない。

「来年来年、やったるでー、見とき!」
 関西方面の人に後ろからどつかれそうなでたらめな言葉で意気込みを表明したら、自転車ですれ違った人にぎょっとされた。さすがにこれは恥ずかしい。

 結婚5年目は何婚式っていうのかな。調べなくちゃ。

◇◇◇

 私は家に帰り、お米をしかけた後、スマホで「お団子 アレンジ 動画」と検索した。
 特殊な道具やスタイリング剤が欲しいものは無理だけど、ちょっといい感じに髪をいじろうと思ったのだ。
「〇分でラクラクアレンジ!」「ワンランク上のカワイイを作ろう」など、幾つも出てくる。

 恵介のことだから、あんまり頭のてっぺんだと、「たんこぶみたい」なんて言って笑うかもしれない。
 彼の(腹の立つ)無邪気な笑顔が見たい気もするが、今日のところは「カジュアル&フェミニンな、ゆるふわだけどきっちり見え」みたいなのを選択した。

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