24 / 32
花婚式 4th Wedding Anniversary
【終】20:00
しおりを挟む
唐揚げを揚げながら恵介の帰りを待っていると、「ただいまあ」と言いながら、恵介は「これ、お土産」と花かごを渡してきた。
「これは?」
「あー、結婚記念日でしょ。アダチの自販機で買った。花の活きはイマイチだけど…」
アダチというのは、恵介の通勤路にある生花店の名前だ。
たしか営業時間は21時ぐらいまでだったけど、やはり今は繰り上げにしているようだ。
その代わり、店の前にもともとあったブーケや花かごの自販機販売を充実させているという。自販機だからどうしても限界があるけれど。
それでもバラ、トルコキキョウ、カスミソウなど、全体に白やピンクの淡い色彩が可憐でかわいい、素敵な花かごだった。
「…ありがとう」
「え?あずみ、泣かないでよ!来年はもっといいのを買って…」
「ううん、何でもうれしいよ。ていうか、恵介が忘れてなかったことが一番うれしいから」
「何か、俺の評価低くね?」
「何をおっしゃる!」
私は唐揚げを揚げながらつまみ食いしたことを忘れ、恵介に抱き着いてキスをした。
「…俺のメシ、唐揚げ1個多目にちょうだいね」
「あ、バレた?」
今日これ以降の会話は、全て2人の照れ隠しで構成されそうだけど、こういううれし恥ずかしのくすぐったさは、本当に久しぶりかも。
「あ、そのヘアスタイルいいじゃん。これ――髪飾りにしてみたら?」
ケイスケが花かごのスポンジ(オアシス)から、カスミソウを一房抜いて、私のお団子アレンジに挿した。
「いいじゃん。これも挿して…これも…そうだ。写真も撮っとくか?」
「やだ、恥ずかしいよ」
「自分の後頭部は見えないでしょ?記念だよ、記念」
恵介、本当にありがとう。照れ隠しでもうれしいよ。
【『花婚式 4th Wedding Anniversary』 了】
「これは?」
「あー、結婚記念日でしょ。アダチの自販機で買った。花の活きはイマイチだけど…」
アダチというのは、恵介の通勤路にある生花店の名前だ。
たしか営業時間は21時ぐらいまでだったけど、やはり今は繰り上げにしているようだ。
その代わり、店の前にもともとあったブーケや花かごの自販機販売を充実させているという。自販機だからどうしても限界があるけれど。
それでもバラ、トルコキキョウ、カスミソウなど、全体に白やピンクの淡い色彩が可憐でかわいい、素敵な花かごだった。
「…ありがとう」
「え?あずみ、泣かないでよ!来年はもっといいのを買って…」
「ううん、何でもうれしいよ。ていうか、恵介が忘れてなかったことが一番うれしいから」
「何か、俺の評価低くね?」
「何をおっしゃる!」
私は唐揚げを揚げながらつまみ食いしたことを忘れ、恵介に抱き着いてキスをした。
「…俺のメシ、唐揚げ1個多目にちょうだいね」
「あ、バレた?」
今日これ以降の会話は、全て2人の照れ隠しで構成されそうだけど、こういううれし恥ずかしのくすぐったさは、本当に久しぶりかも。
「あ、そのヘアスタイルいいじゃん。これ――髪飾りにしてみたら?」
ケイスケが花かごのスポンジ(オアシス)から、カスミソウを一房抜いて、私のお団子アレンジに挿した。
「いいじゃん。これも挿して…これも…そうだ。写真も撮っとくか?」
「やだ、恥ずかしいよ」
「自分の後頭部は見えないでしょ?記念だよ、記念」
恵介、本当にありがとう。照れ隠しでもうれしいよ。
【『花婚式 4th Wedding Anniversary』 了】
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる