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第一部ルート4「動き出す歯車」
追跡者
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突然そんな何の証拠も根拠もない事を信じられない…。
でも…もしそんな事が出来るとしたら、もう一度やり直せるかもしれない…。
今後帰ってからむちゃくちゃな事になってしまうであろうが、このままよりはいい…。
郷に帰ってから職を失ってもいい…。
あの子達が助かる道があるのなら…。
そして私の翼が戻るなら…。
「嘘か本当かは、この際どうでもいい。私は行動して、自分の目で確かめるわ。」
ハクシは私の決意に頷いた。
「わかった。俺は今からこの騒動の根源であるシイクを食い止めに養殖場へ向かう。」
ハクシからその後、仲間が操られている理由と私の翼が利用されている事を説明された。
「おそらく養殖場の地下にマインドカラーを動かしている機械本体がある。そこに翼ができる限りの保存状態で置いてあるはずだ。それを奪還すれば、機人の技術で翼を縫合すれば元通り飛べるようになるはずだ。」
「そんな簡単に縫合なんてできるものなの?」
「俺の体は脳と心臓と呼吸器官と一部の細胞、血液部分のみ生身だ。古くなると自分で交換をするため、縫合技術はかなり高いぞ。もちろん動けるように神経も元に戻せる。」
「信じ難い話だけど、今はそれにかけるしか無さそうね…。」
私とハクシは気が合わないような口調で淡々と喋った。
そしてハクシは、アサトとシエルとポルテを見渡しながら問いかけた。
「これから養殖場に向かうが、お前達はどうする?」
「私達は今の現状で街にもどるが出来ないとあれば前に進むしかないと思ってる…。」
「え?僕はそんなこと思ってな…」
シエルはポルテを目で威嚇した。
「別にあんたはここで誰かの助けを求めて、1人で残るって言うのなら別な話だけど?」
「ついていきます…。」
「街の様子も気になるけど、戻った所で指名手配の件で何も出来ずじまいだと思う。だから…この騒動の根源を叩かない限り街には戻らない。養殖場についていくわ。」
ハクシはシエルの意思を受け取り、アサトの方へ目を向ける。
「数日で里帰りになるとは思っていなかったけど、もどる所もないし付いて行くよ。たぶん僕が一番非力だと自覚はしている。何かみんなの役に立てる事があれば雑用でもなんでも言って欲しい。」
「なにをバカなことを…。」
アサトの言葉にハクシが鼻で笑いフォローし始めた。
「最初は全員バラバラの種族が自分達の異なる理由の為に一箇所に集まった。全員争いの対象だった者が、今となっては手と手を取り合える関係となった。」
私は嫌そうな顔でハクシを見る。
それを受け取ったのか
「まぁ若干の意見の相違はあるにしても、今は全員同じ目的に向かっている。それは何故かわかるか?」
アサトは首をかしげている。
「アサトが中心にいなければ、ここに全員いなかったと言う事だ。」
「そうね…私を最終的に助けてくれたのはアサトだし…もちろんシエルにも感謝はしてるよ。」
「俺もアサトがあの場に居合わせていなければ確実にこの世にはいないであろう。シエルもきっかけはどうあれ俺やアリルの命を救っていなければ、そのままシイクに捕つかまっていたであろう。」
「私もまさかあの知識も何もない故人に、ここまで左右されるとは全然思ってもみなかったわよ。」
3人の別種族達はアサトの因果関係を賞賛した。
「僕は別にしたい事をしていただけだから…。」
アサトはかわいい照れ笑いで下を向いている。
すこし時間が経ちすぎていた…。
そろそろ行動を移さないとミラージュホログラムシステムが暴発しているとはいえど、敵もこちらを索敵しているのだから見つかる危険性もある。
私は移動を促す前に、悪い予感は的中してしまう。
「伏せろ!!!」
響き渡るハクシの声と共に銃弾の雨が降り注いだ。
でも…もしそんな事が出来るとしたら、もう一度やり直せるかもしれない…。
今後帰ってからむちゃくちゃな事になってしまうであろうが、このままよりはいい…。
郷に帰ってから職を失ってもいい…。
あの子達が助かる道があるのなら…。
そして私の翼が戻るなら…。
「嘘か本当かは、この際どうでもいい。私は行動して、自分の目で確かめるわ。」
ハクシは私の決意に頷いた。
「わかった。俺は今からこの騒動の根源であるシイクを食い止めに養殖場へ向かう。」
ハクシからその後、仲間が操られている理由と私の翼が利用されている事を説明された。
「おそらく養殖場の地下にマインドカラーを動かしている機械本体がある。そこに翼ができる限りの保存状態で置いてあるはずだ。それを奪還すれば、機人の技術で翼を縫合すれば元通り飛べるようになるはずだ。」
「そんな簡単に縫合なんてできるものなの?」
「俺の体は脳と心臓と呼吸器官と一部の細胞、血液部分のみ生身だ。古くなると自分で交換をするため、縫合技術はかなり高いぞ。もちろん動けるように神経も元に戻せる。」
「信じ難い話だけど、今はそれにかけるしか無さそうね…。」
私とハクシは気が合わないような口調で淡々と喋った。
そしてハクシは、アサトとシエルとポルテを見渡しながら問いかけた。
「これから養殖場に向かうが、お前達はどうする?」
「私達は今の現状で街にもどるが出来ないとあれば前に進むしかないと思ってる…。」
「え?僕はそんなこと思ってな…」
シエルはポルテを目で威嚇した。
「別にあんたはここで誰かの助けを求めて、1人で残るって言うのなら別な話だけど?」
「ついていきます…。」
「街の様子も気になるけど、戻った所で指名手配の件で何も出来ずじまいだと思う。だから…この騒動の根源を叩かない限り街には戻らない。養殖場についていくわ。」
ハクシはシエルの意思を受け取り、アサトの方へ目を向ける。
「数日で里帰りになるとは思っていなかったけど、もどる所もないし付いて行くよ。たぶん僕が一番非力だと自覚はしている。何かみんなの役に立てる事があれば雑用でもなんでも言って欲しい。」
「なにをバカなことを…。」
アサトの言葉にハクシが鼻で笑いフォローし始めた。
「最初は全員バラバラの種族が自分達の異なる理由の為に一箇所に集まった。全員争いの対象だった者が、今となっては手と手を取り合える関係となった。」
私は嫌そうな顔でハクシを見る。
それを受け取ったのか
「まぁ若干の意見の相違はあるにしても、今は全員同じ目的に向かっている。それは何故かわかるか?」
アサトは首をかしげている。
「アサトが中心にいなければ、ここに全員いなかったと言う事だ。」
「そうね…私を最終的に助けてくれたのはアサトだし…もちろんシエルにも感謝はしてるよ。」
「俺もアサトがあの場に居合わせていなければ確実にこの世にはいないであろう。シエルもきっかけはどうあれ俺やアリルの命を救っていなければ、そのままシイクに捕つかまっていたであろう。」
「私もまさかあの知識も何もない故人に、ここまで左右されるとは全然思ってもみなかったわよ。」
3人の別種族達はアサトの因果関係を賞賛した。
「僕は別にしたい事をしていただけだから…。」
アサトはかわいい照れ笑いで下を向いている。
すこし時間が経ちすぎていた…。
そろそろ行動を移さないとミラージュホログラムシステムが暴発しているとはいえど、敵もこちらを索敵しているのだから見つかる危険性もある。
私は移動を促す前に、悪い予感は的中してしまう。
「伏せろ!!!」
響き渡るハクシの声と共に銃弾の雨が降り注いだ。
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