クロスロード

つよけん

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第一部ルート4「動き出す歯車」

追跡者5

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「私は自分で走れる!降ろせ!降ろせ!!…降ろせって言ってるだろこのポンコツ!」

ジタバタと俺の背中をアリルが非力な手でポコポコと叩く。

「アサト達の方向には、一体も追いかけなかったみたいだな。」

空中には5人の操られている天人の姿。
銃弾の雨がひっきりなしに降っていた。

「無視するな!あとお尻を触るな!この変態!」

アリルの態度がどんどんと悪化していく。
俺も流石に落ち着いていられずに、腹が立ってきた…。
元々アリルは敵なのだ。
ここで置いて行っても問題はなかろう…

…そんな事を思う…。

しかし思えば思うほど、アサトの顔が思い浮かんでくる…。
見捨てる事は簡単だが、ここはイラだちを抑えてアサトの顔を立てよう。

「本当に走って逃げられるんだな?」
「お前に担がれて走られるぐらいなら、自分の力で逃げて仲間に撃たれた方がマシだっ!」
「そうか…だったら勝手にするがいい。」

俺はそう言いながらアリルを担いだまま走り続ける。
自分から撃たれる覚悟でいるなら、走る事が出来ないという意味だろう。

「え?勝手にしろと言ったのに何故降ろさない!」
「それはお前が勝手にすればいい…。だが俺も勝手にお前を運ぶと決めただけだ。」

強情な判断だが、言いくるめるなら丁度いい言葉。

しかしアリルは逆に意地を張って本気で暴れ始めた。
流石に急に強弱をつけられたせいで、手を滑らせてしまいアリルを地面に落下させてしまう。
鈍い音を立てて華奢な体が簡単に転がった。

「くはっ、痛ったい…」
「しまった!」

俺は急ブレーキをかけてUターンする。
這いずるようにアリルが動き出そうとしていたが時は既に遅かった。
完全に銃の狙いが定まり、着弾まで数秒前という所。

間に合わない!俺のせいでアリルが死んでしまう…。
今後アサトにどう顔向けをすればいいんだ!
いや、今は考えるな!早く助けないと!

シイクと対峙した時の不思議な感覚が、自分の体を通して周りの景色を包み込む。
感覚が超スローモーションとなった。
後先の事を考えずに足にグッと力を込めて、アリルのいる場所へ体全体で飛び出す命令を出す。
空を切るような感覚は空中で顔をゆっくりと撫で、そのまま銃弾の飛ぶ渦中へ。
体を捻りながらアリルを片手にすくうように抱えて銃弾の軌道を見るべく上を見る。
弾がスローモーションとは言えど勢いを増してこちらに襲いかかってきていた。
これならばもしかすると相殺できるのでは?と思いながら反射的に体を動かす。
自分の腕の銃口を一発一発迫ってきている銃弾へ標準を合わせて撃ち放つ。
銃弾は間一髪のところで、こちらが撃った弾丸とゆっくりと衝突しそのまま裂けて散って左右に分散していった。
その光景が十数発続いたところで、俺の時の流れが正常に戻った。

さばききれなかった銃弾を浴びながら、アリルを胸元に抱えて背中から勢いよく着地する。
どれだけ速度が出ていたのかは分からないが、相当強い衝撃が自分に加わった。
その場はなんとか凌げたが、まだ次弾が残っているはずだと警戒する。
俺は背中で滑りから体を捻り、足を地に付けて地滑りしながら一旦停止。
アリルを大事に持ち抱えて、すぐさまその勢いを元に走り出した。

「え?何がおこったの?」
「俺にも、さっぱりわからん!」
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