クロスロード

つよけん

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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~

戦闘12

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私はアサトが落としたと思われるナイフを拾いに、一階まで戻ってきていた。
私を受け止めてくれた位置から少し離れた場所にそれはあった。

「このナイフね…。」

直ぐに拾い上げてアサト達の元に戻ろうと後ろを振り返った時に、入口付近に人の気配を感じ取った。
すぐにふわっと飛び上がり、警戒をしながら距離を取る。
人影が近づき、姿が露わになった。

「た、隊長!」

とても遠くて…とても愛おしいような感覚が体の隅々まで駆け巡る。
声をかけてくれたのは、紛れもなく私の仲間達だった。
一人も欠ける事なく、5人が私に眼差しを送っている。
私は勢いよく飛翔し、必死の思いで仲間達の元へ。
再開した喜びを全力で分かち合うように、仲間達と必死に抱きしめ合った。

「隊長!翼が元に戻ったんですね!」
「あなた達の必死な抵抗があったからこそ、翼を取り戻す事ができたわ…本当にありがとう…。」

私は涙を浮かべながら、感謝しても仕切れない気持ちを表に出した。

「我々は操られていただけです…。洗脳から解放して頂き、ありがとうございますぅ!」

仲間達も同じように、溢れんばかりの感謝の気持ちを伝えてくれた。
ほんの30秒程抱き合った後に、仲間の一人が口を開く。

「隊長!遅くなりましたが、我々の街へ帰りましょう!」

その言葉にハッと気づかされる。
まだ私にはやるべき事があると…。
ギュッとナイフを力強く握りしめて、仲間達から一歩後ろへと後退した。

「隊長?どうされたのです?」
「まだ私は帰るわけにはいかないの…。」

仲間達は驚いた顔をしている。

「こんな場所にまだ何か用事があると言うのですか?」
「そうね…私の目的はすでに終わっているけど、あなた達を助ける為に利害が一致した今の仲間達が必死に敵と戦っているの…。それを見捨てて私だけ帰る訳にはいかないわ…。」

周りを取り巻く空気が、少し重くなった気がした。
もちろん今すぐ逃げ出したい…逃げ出して街に帰りたい…そんな気持ちが無限に渦巻いている。

でも私は…この子達と同じように、アサト、シエル、そして…嫌いだけどハクシ達と共に行動していた時間も掛け替えのない物になっていた。

「ワガママで、ごめんなs…」
「謝る事は無いですよ!」

全部言い切る前に、言葉を断ち切られる。
みんなが笑顔を作り、私に言った。

「そんな隊長だからこそ、私達は今まで従って来れたのですぅ。隊長の思うように、思うがままにして下さい!」

…。

私は泣き虫だ。
脱水症状を起こしてしまいそうな程の涙が、想像以上に流れ出す。
私はブサイクになっている顔を隠すように、仲間達に対して翼を向けた。
直ぐに翼越しに、凛々しい声が耳に届く。

「隊長!差し出がましい申し出ではありますが、私達も何か手伝える事は無いですか?」

私のワガママに付き合ってくれると言うのか。
なんて隊長思いの小隊だ。
巻き込んでしまう形になってしまうが、味方は多い方が勝率は上がるはず。
戦闘に参加させる事の抵抗が若干あったものの、仲間達の申し出を受け入れる事にした。

指示を出すならば涙でクシャクシャな顔では、隊長としての威厳も何も無いだろう…。
私は気持ちを切り替えて、涙を腕で振り払い、もう一度仲間達の正面に振り返った。

「もう時間がないの!とても危険な事になると思うわ。私のワガママに付き合って貰う形になるけど、一緒について来て欲しい!」

5人は顔を見合わせて同時に叫ぶ。

「了解でありますぅ!!!」
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