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つよけん

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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~

終焉11 ~アリルの飛翔~ 【後編】

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私とアサトは気まずい沈黙の空気の中、なんだかそわそわした気持ちで過ごした。
この場に居れなくなったのか、アサトはハクシの様子を伺う為に、この場から立ち去っていく。
確かハクシにアサトの血を輸血し際に、手足が生えてきたと騒いでいた事を思い出す。
そんな事はどうでもよかった…。
アサトが傍に居ないだけで、なんだか寂しい…。
…でも今はそれでいいと感じる部分もあった…。

しばらく時間が経ち、日が完全に山を出た所で空から人がフワリと降りてきた。
そのまま私の4歩先ぐらいに降り立った。

「アリル隊長でお間違い無いですか?」

私達以外の天人が、こちらに話し掛けてくる。
よく見ると偵察部隊のバッジが目に飛び込んで来た。

「私達を探しにきたの?」

偵察部隊の天人は首を横に振る。

「あなた方は既に任務に失敗と判断されて、殉職扱いとなっています。ですので我々は次の派遣の準備の為に、下見で派遣された部隊となります。」

3日も連絡も帰国もしなければ、そんな扱いになるのは仕方ないか…。
偵察部隊の天人が広場にいる故人を見て反応を返す。

「それにしても驚きました…。もしや作戦を遂行させて、この人数を確保したのですか?」
「成り行きではあるけど…一応ここの故人全員を連れて帰るつもりよ。」

私は自慢気に彼女に話す。
なにやら不満な顔をしながらこちらへ

「メスも混ざっているようだが…。」

天人の標的は故人のオスに絞られる…。
当然ではあるが、故人のメスは必要とされていない。
こう言われる事を見越して私は説得を始めた。

「これは作戦の一環として必要な事だったのよ。簡単に説明すると完全にノーマークのメスを狙う事によって機人の隙を付き、混乱にじょうじてオスを確保すると言う物よ。」

いかにもデタラメな事をしゃべっているが、全員連れて帰るには必要な嘘である。
私は感情的に話を続けた。

「それにメスを頭ごなしに使えないと決め付けるのも良くないわ。機人は故人をペットとして利用する活用方を使用している事も調査して解ったわ。だから知識さえ埋め込んでしまえば、使い道はいくらでもあると思うわ…。」
「一理あるな…。しかし今はそんな余裕もないと思うのだが…。」

否定的な意見に私は食い下がった。

「責任は私が取ります!」

この言葉は決して生半可な覚悟では言えない事である。
約1000人の故人メスを自分の管理下で育てなければならない事を意味しているのである。
初の試みに街の援助も期待はできないであろう…。
それでも私はこの子達を全員助けてあげる事を心に誓っていたのである。
今更迷いは過去に置いて来た…。

「わかった…。街に連れて帰る事を許可するが、一筋縄では行かないと思え。街に着いたら真っ先におさに説明してもらうよ。こちらは関与を一切しないので心するように…。」

取り敢えず第一関門突破と言ったところであろう…。
ほっと一息つく暇もなく、偵察部隊の天人はすぐに行動を取り始める。

「それでは移動準備を始めよう。」
「えっ、もう移動するの!?」

唐突な判断に驚いてしまう。

「我々も偵察任務意外に仕事が残っていて、時間がとても惜しい…。一旦帰ってまた来るとなると、色々とややこしい事になりそうだ。それを踏まえての提案だったのだが?」

もう少しゆっくりとしていたかった事は事実だが、彼女のいう事も正しい。
一旦帰ってココに来るとなると、街の天人に故人メスの事が知れ渡ってしまう。
最悪の場合、連れて帰れない事態が起こってしまう可能性がある。
そうならない為にも、真っ白な状態で墨を落とした方が可能性は上がるだろう。

「わかったわ。今すぐに準備を始める。」

私は疲れて寝ている仲間を無理に起こして、事情を説明して故人誘導の指示を出した。
偵察部隊の天人も空中に待機させていた者達を呼び出し手伝をしてくれた。

故人の誘導の準備が完了する。
これから何処かへ輸送される事を悟っている故人達は、不安そうな目で私達を凝視していた。
養殖場での生活よりかは、確実に人間として扱われる天人の街なら、より幸せを感じられるはず。
安心させるように私は笑顔で反応する。

ふと建造物の方が気になり顔を向ける。
割れた窓越しにアサトとハクシが何やら話していた。

「それでは誘導を開始しよう。」

偵察部隊の天人が指示をだした。

「ちょっとだけ、時間を頂戴。」

その言葉を残して、私は急いで窓際まで飛んでいく。
ハクシは地面に足をつけて、感触を確かめていた。

「大地の感触はどうかしら?」

 私は割れた窓越しにフワフワと浮きながらハクシに向かって話しかけた。

 「神経が通っているのだろうか、重さが直接伝わってくる感じだ。」

急に喋りかけたんだから、もっと驚いて欲しかった。

 「隊長!早く行かないと怒られますよぉ!」

私の仲間達が催促をしている。
ちょっと勝手な行動だっただろうか…。
でも挨拶ぐらいさせて欲しい。

 「急いで出るつもりは無かったんだけど、たまたま他の偵察部隊と合流出来た関係で早急になっちゃったのよ。」

急ぐ素ぶりを見せながら、少々早口で喋っていた。

 「私的にはアサトもきて欲しいんだけど、断られちゃったからね…。」

私は恋しそうな目でアサトを見つめてみる。

 「僕は自由に旅をする事にしたんだ。また天人の街にもお邪魔する機会もあると思うから、その時によろしくね。」

 決意のこもったハキハキとしたアサトの声に、やっぱりカッコいいなと思いながら、悲しさを表に出していた。

 「絶対に私を見つけてね!」

私は名残惜しさを捨てつつ、次に繋げる言葉を残して、その場を立ち去った。
私はもう一度だけ振り返り、器用に空中を綺麗に一回転して、手を振りながら仲間達の元へ帰っていった。

「遅れて、すみません。」

軽く謝罪を込めて頭を下げる。

「あの者達は?」
「陰ながらの協力者です。」

偵察部隊の天人はあまり信用はしていなかったが見て見ぬ振りをしてくれた。
シエルに挨拶が出来なかった事は、心残りではあるが…流石にこれ以上は時間を伸ばせない。
またきっとどこかで会える時が来る気がするから、それまで待っていよう…。

そう心に取り留めて。

私達は明るい未来への扉を開門する為に、大空へと飛び出した!
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