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妹を犠牲にした公爵②
しおりを挟む王ではなく公爵夫人の兄に訊ねるだけ──そうとは一欠片も思ってはいないが、今は曖昧にするべきでは無いと強く思った。
「不敬を承知で伺いたい事が二つあります。
一つ目は妹は男児を産むまで殿下と子を為さなければ成らないのか、それとも男女関係なく一人子を産めば役目を終えられるのかです。
妹は我慢出来ると思っている様ですが、運命の恋人とやらに溺れている殿下が自分が触れると鳥肌が立つ政略結婚相手を何度も抱けるでしょうか?
子を成すまで妹と閨を共にするとは思えませんし、現状の殿下でしたら運命の恋人に操を立て初夜も行わない可能性があります──妹が一夜で子を孕める様に初夜には〝アルストロメリアの雫〟を使「! 何故!! 〝アルストロメリアの雫〟の事を何処で知ったのだ!」 用──」
公爵夫人の兄として若輩者の私の話に耳を傾けていた陛下だったが〝アルストロメリアの雫〟と発言した瞬間、陛下が叫んだ。
父が私の肩に触れ守る様に私の前に立つ。
「陛下、我が家は始まりの公爵家です。初代が子孫に遺した手記があり〝アルストロメリアの雫〟の事も伝わっております。媚薬の件は王家と公爵家の暗黙の了解───どの公爵家も当主ならば周知されているはずです」
陛下は父の言葉に一瞬目を見開くも、私達親子の方を向き真剣な表情で口を開いた。
「急に大声を出して悪かった──先程の話だが二人産んで欲しいと言うのが本音だが、フィアー嬢には男女関係なく一人世継ぎを産んで欲しい。
その子を世の次の王にし、婚約者にオーニソガラム家の嫡男の子を据えたいと思っておる。
先代のオーニソガラム夫人は私の伯母で嫡男の婚約者は私の姪──我が妃はこの国の者ではないが貴き血が王家へ還ると言えば納得せざえぬだろうし、元老院も否とはならぬだろう。あと一つは何を訊きたいのだ?」
「もう一つは婚姻後の妹の身の保障についてです。妹が子を産み育てる環境に悪影響になりえる殿下と男爵令嬢の事をどうなさるつもりですか?
男爵令嬢という身分は愛妾どまりですが、殿下は子を成せば側室に出来ると考えている様です。
さすがに妹との婚姻前に孕ます事はないと思いたいですが・・・・・・」
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