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不安な世界
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――引き続き4月。都内某会社内。
潜入捜査初日、つまり社会人初日をすんなりと迎えられないどころか、あわや緊急事態を発動しそうになり、なんとかそれを耐えたはずの僕だったが不安は募る一方だった。
会社は開いてないし、変な人間はやってくるし、ようやく出会えた意思疎通の出来る人間梅先氏からは、どうやら同じグループで仕事をする人間なんだろうけど、会う前からあまり良くない人宣言、つまり厄介な人! として紹介された紫野という人。なにこの会社。変な人間しかいないの? あれ? そう言えば、何か忘れているような……。
「あのっ」
僕は大切なことを忘れていることに気付いた。まさか……。
「ん?」
「その、あまり良くないと仰られた紫野さんと言う方は……男性ですよね?」
「うん。おとこ。」
よし。姫じゃない。そう僕は、姫を探しに来てるんです。もう色々あったから大切なものをこぼれ落とすところでした。厄介な方、紫野さんは、男。そこは大丈夫。でも、そうすると姫は……どこに?
「ほかにその、同じグループで女性の方は……」
「残念ながらうちのグループに女性はいないよ。うちのグループって言うか……」
??? 女性がいらっしゃらない?
「ええ!?」
僕は思わず声を上げていた。だって……。
「そんなに驚いた? ウチみたいな小さなシステム会社じゃありがちかなって思うけど。うちのグループも、さっきの八武さんがいる三戸(みと)さんのとこにもいない。うちの会社、ほとんど男ばっかりだよ。女性は総務に1人と、あと別のグループで外でオペレーターをやってる人たちぐらいかなあ。社内でエンジニアの女性って鳴海さんだけだよ」
僕、だけ? 僕だけ女性? ちょっと待って梅先氏。僕はですね、姫を探しにやってきたんですよ。遠いところから。僕は呆然とした。これって、緊急事態? 今度こそ緊急事態では?!
「……鳴海さん。大丈夫?」
気付けば、梅先氏が僕の顔をのぞきこんでいた。
「え……ええっと……ええ?」
落ち着かなきゃ。僕は動揺をなんとか押さえ込もうとして失敗したような声を出していた。総務には女性がいらっしゃるんでしたっけ? じゃ姫は総務なのかな? ちょっと待って。外でオペレーターってなんだろう?
「総務の方は女性……?」
「そう。面接に来たとき会ってないかな? 茶山さんが受付してくれたと思うんだけど」
お会いしましたとも! その切はお世話になりました。とっても優しそうなおばあさんでした。
え? でも、姫じゃないですよね?
潜入捜査初日、つまり社会人初日をすんなりと迎えられないどころか、あわや緊急事態を発動しそうになり、なんとかそれを耐えたはずの僕だったが不安は募る一方だった。
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「あのっ」
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??? 女性がいらっしゃらない?
「ええ!?」
僕は思わず声を上げていた。だって……。
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「……鳴海さん。大丈夫?」
気付けば、梅先氏が僕の顔をのぞきこんでいた。
「え……ええっと……ええ?」
落ち着かなきゃ。僕は動揺をなんとか押さえ込もうとして失敗したような声を出していた。総務には女性がいらっしゃるんでしたっけ? じゃ姫は総務なのかな? ちょっと待って。外でオペレーターってなんだろう?
「総務の方は女性……?」
「そう。面接に来たとき会ってないかな? 茶山さんが受付してくれたと思うんだけど」
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え? でも、姫じゃないですよね?
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