おにぎりレシピ

帽子屋

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何ごと?

目を白黒させた僕を、迅速に席へと連れて行くとテキパキと椅子を引き座らせ、そしてピタリと机に挟んだのは、何をしてきたのか息の上がった梅先氏だった。いったいなにごとかと尋ねようとした僕の視線に、ピタリと目を合わせコクリと頷き返してきたので、何だか全くよくわからなかったけどされるがまま大人しく電源の入っていない真っ暗なディスプレイを見ていることにした。その後ろでは、息を切らすどころか、ゼーゼーと変な呼吸音で喘いでいる、まだまだ寒いこの季節になぜか上着を着てない男性。寒そうな姿のに、顔が赤いのは寒さのせいではないらしい。その証拠に顔に汗まで光ってる。

何やってきたんだろう?

その男性は震える手で大きく向こうの方に向かって、息も絶え絶え声も出せない状態にも関わらず、あっちへ行けと何かに手を振っている。その腕の往来の先には、ほんの数時間前なのに、とても長く遠くに感じる今朝、驚愕の未知との遭遇の前、古津と名乗ってコンビニへ行ってしまった同期であることに気付いた。
その古津さんは、自席だろうか最後の力を振り絞って電源を入れたパソコンの前で潰れたカエルみたいになった男性に、深々と頭を下げている。そのカエルは、なんとなく親指を上げて応えているようだった。随分と中途半端なサムズアップですね。だけど……。

何があったんだろう?

古津さんは随分と今朝の態度とは趣の違う、本当の新入社員みたいになっていた。
何、何、何、なになに???だらけの僕が横を向いた梅先氏と目が合ったのと、その更に奥にあった何か、がゆらりと動き出したのはほぼ同時だったように思う。

何かを察知したかのように突然、だが重々しく動き始めたソレは、窓から入る日差し、室内の光を遮るためか、或いはこの世界の全てを遮断するためなのか、すっぽりと覆われた上質そうな生地のその奥、深い底知れぬ闇のような深淵から鈍い二点の光を鈍く放つと、ゆっくりと立ち上がった。
ほんの数メートル離れたところからソレを見ていた僕はすんでのところで悲鳴を堪えた。

何アレ?!
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