ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

文字の大きさ
60 / 111
新しい都市

妖精広場のスタンプラリー

しおりを挟む
 初めて聞く種族を名乗られた。
 この妖精はフェアリー族のナツィータさん。
 性別が決まっておらず、気分で見た目も性別も変わるらしい。黒鯛が性別変わるんだっけ? あっちは何度も変わるものじゃなかったと思うけど、どうしても魚に繋げてしまうな。
 それにしてもここの神様は面白い種族を作ったものだ。

「やっぱり初めて来たんだね」

 俺たちの話もだいたい伝え、帰って来た反応は「やっぱり」だった。
 観光客っぽい動きはしてたと思うけど、そこまで露骨だったかな?

「ここは有名だから、初めて来た人はだいたい通るんだよ」

 そんなに有名な場所なのか。

「君たちに配達でもしてもらおうかな」

《お使いクエスト:手紙の配達》

 YES!
 2人の顔を見るまでもなく受注。
 もともと色々散策するつもりだったし、受ける以外無いでしょ。

「それじゃあ、これを渡しておこう。報酬もその紙だよ」

 貰った紙は、白紙にいくつもの点が描いてある。

「あぁ、やっぱり時計ですね」

 現在地が中心にあり、その周りに12の点が置かれていて、言われてみると確かに時計にも見える。

「北の広場からまわって、それぞれの一番大きな建物に手紙を届けてきてね」

 なかなか時間がかかりそうなクエストだな。

「ハッチさん! 呆けてないで、行きましょう」

「そうだぞー。今日中は難しそうだけど、ちょっとでも進めておこうよ」

 さっそく行くぞと息巻く2人に引っ張られて向かう。

 北大通りを30分程進むと、目的地が見えてきた。
 工房がある広場と同じような作りだけど、エルフたちがそこかしこで談笑しているところが違っている。

「見たいところはありますが、他の広場も行くんです。詳しいところは後日個人で行きましょう」

 一番大きな建物に入るとカウンターに店員らしき人が立っている。

「手紙を持って来ました」

 俺たちが渡した手紙を渡すと、代わりにスタンプカードを貰った。
 押されているのはエルフの横顔かな?

「さぁ! 次行きましょう!」

「あぁ。待って待って」




 そこからはスタンプラリーのために歩き回る。
 南の広場に到着し、その日は解散となって。2日目に西側のスタンプを完成させて、中央へ戻って来た。

「おつかれさまー」

《お使いクエスト:手紙の配達 が完了しました。》

 持ってた地図がアイテム欄から消えて、マップに表示されるようになる。
 グスタフさんが言ってた通り、12の広場が外周を囲っていた。

「じゃあ、一旦ここで解散ということで」

 2人とも行きたい広場があったようで、目的の場所へ走っていく姿が見える。
 俺も気になっていた所はあったので、そちらに向かおうかな。
 そういえば、この人は木材売ってる場所知ってるかな?

「すみませーん」

「はいはい」

「木材買いたいんですけど、売ってる場所知ってますか?」

「それならドリアード広場にあったと思うよ」

 エルフの次に行った場所だな。

「ありがとうございます」

 エルフが0時だから、1時の大通りだな。
 昨日は急ぎで周りを見れていなかったけど、大通りにも結構店があるな。

「ちょっとウィンドウショッピングと」

【鉄樹の鎧(ドリアード専用)】
 専用装備か!
 こういうのは初めて見た。どうやって作るのかな? というか何の素材だ!?

「そこに張り付いてるお客さん。ここはドリアード専用の店だよ」

「あ、すみません。ちょっと気になったもので」



 そそくさと逃げるように離れたけど、少し質問しても良かったよな。次は聞いてみよう。
 1時広場はドリアードたちの溜まり場で、足元に注意が必要だ。

「あ、そこ気をつけてよ」

 言われて足元を見ると、数歩先に土中で半身浴しているドリアードが鎮座していた。

「すみません」

 ところで素材屋はどこだろう。

「何か探し物?」

「えっと、木材売ってる店を探してて」

「それならあそこだよ」

 指された方を見ると『木』という看板があった。

「あれが店なの!?」

「そうだよ」

 木だけじゃわかんねーよ!
 店の中に入って意味がわかった。

「木だな」

「木でしょ?」

 なんでこいつは着いてくるんだ。
 ドリアードが椅子に「よっこいしょ」と腰掛ける。

「何が欲しいの?」

「え? ここの店員なの?」

「そうだよ」

 先にそれを言ってくれ!

「何が欲しいと言われてもなぁ。俺が欲しいのは竹なんだ」

「竹もあるよ。こっち」

 連れられた先にあったのは、小さな竹林。

「あるのは麻竹《まちく》と孟宗竹《もうそうちく》だけなんだ」

「へぇ。俺が取ったのはこっちかな」

「孟宗竹だね。大きさはどのくらいのにする?」

「釣竿用だから握れる太さで……」

 ん? そういえば所持金無かったんだっけ。

「これが良いかな」

「あのー」

「どうした?」

「あまり持ち合わせが無いんですよね」

「えー? どのくらい?」

 いくらあったっけな。

「500Gです」

「……今日のおやつは何にしようかなー」

「あー! 待って! 一応値段だけでも教えて!」

「えぇ? そんなに高くないよ」

「なにとぞ! なにとぞ!」

「さっき言ったサイズだと1本1000Gくらいかな」

 マジか!?
 竹ってそんなに高いのか。
 溜め込んでおけば良かったな。

「言っとくけど、野生の竹なんかと比べてウチのほうがランク高いからね!」

 そういうことか。
 だとしても、まずは素材か道具を売らないと何も買えないな。

「ちなみにですけど、肉とか皮とか売れるところ知りませんか?」

「にくぅ? それこそドワーフが食うでしょ。あとは、北側の種族以外なら使うんじゃない?」

「北は?」

「そっちは肉食うの少ないかな? 私たちに持ってくるなら、肥料にしてきてね」

 肥料か。
 そういうレシピは持ってないな。

「ありがとうございます。また来ますね」

「じゃあねー」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

【完結】異世界先生 〜異世界で死んだ和風皇子は日本で先生となり平和へと導きます〜

雪村
ファンタジー
ある日カムイ王都の皇子、シンリンは宮殿に入った賊によって殺されてしまう。しかし彼が次に目覚めたのは故郷である国ではなく機械化が進んでいる国『日本』だった。初めて見る物体に胸を躍らせながらも人が全く居ないことに気付くシンリン。 そんな時、あたりに悲鳴が響き渡り黒く体を染められたような人間が人を襲おうとしていた。そこに登場したのは『討伐アカデミーA部隊』と名乗る3人。 しかし黒い人間を倒す3人は1体だけ取り逃してしまう。そんな3人をカバーするようにシンリンは持っていた刀で黒い人間を討伐して見せた。 シンリンの力を見た3人は自分達が所属する『討伐アカデミー』の本拠地へと強制的に連行する。わけのわからないシンリンだったが、アカデミーで言われた言葉は意外なものだった……。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...