75 / 111
日本初イベント大会
ガス地帯かミリピード地帯をおすすめします
しおりを挟む
不要なアイテムは置いてきた。
あとは誘《おび》き出すだけ。
「大蛇を出すトリガーは特定スポットの採掘でレア鉱石を出すことです」
見つけた場所は、地底湖奥と次層へ行く別れ道の行き止まり。それにミリピード地帯。
ミリピードはドワーフ村出身者だと行けてしまうんだよな。もちろん見た目が嫌な人はいる。ただ臭いは全然耐えられる。
それもこれも、初期のゴーグルでバチクソくっせぇマスクを借りたおかげだな。感謝はしない。運良くその洗礼を受けなかった奴はここに来る資格無し。
行き止まりはよくわからんガスが出ていて、ランダムで状態異常にかかる。これに関しては薬屋の洗礼を受けていれば問題ない。バチクソまっずい薬を飲めば良いだけだ。
「どこにしますか?」
「「地底湖で」」
「俺としては他のところがオススメなんですよ。蛇も状態異常になるし、ミリピードの体液を被れば攻撃頻度が下がるんです」
「「地底湖で」」
「残念です」
諦めて地底湖で採掘を開始する。レア鉱石は水鉱石と土鉱石の2種類で、採取率は5%程度かな。大蛇スポットのみ出る量が多く設定されているように感じる。
「うへぇ。なかなか出ませんねぇ」
「モジョコさんは、忍耐がありませんわね。もっと採取に行った方がよろしいですわ。アルデンさまの弟子なんですから」
そこにアルデンさんは関係ないかと思う。5%と言えど沼ったら出てこない。出現率10%に3日かける冷凍マグロは「黒目が亡くなってからが本番だ」と言っていた。
「あ! 出ましたわ」
「ちょっと良いですか?」
ツヤ感があるわりにゴツゴツしている。
「おめでとうございます! 宝石の原石です!」
「これで大蛇が?」
「出ません。これは0,1%の超レアですね。水鉱石か土鉱石限定ですので」
「はぁ。仕方ないですわ」
まだ掘り始めて1時間程度だ。
「これは?」
「土鉱石だ! 来ますよ!」
蛇特有のほぼ無音。ただこいつはデカすぎて「ズモモモモ」と独特の引きずる音が鳴る。
「これは……大きいですわね」
「うひゃー。話盛ってた訳じゃなかったんですね」
嘘はついてない!
まぁ、今までの敵と比べるとサイズ感が飛び抜けて違うので、疑いたくなるのもわかる。
持ち替えたハンマーで何枚か鱗を剥がしていく。そこからしばらくは全力で逃げ続けるのみ。ヘイトが溜まりすぎて、苛烈な攻撃のほとんどがこちらに来るから何もできん。
「とう!」
「てや!」
「ヘァ!」
「その避け方ふざけてませんの!?」
「なに! 言って! るんですか! 大真面目ですよ。ドワーフの鈍足舐めないでいただきたい」
走っても遅いなら飛べば良い。転がっても良い。脚力はあるのに何で遅いのかねぇ?
見えないデバフがかかってるとしか思えない。
なんとか避けつつ、削り続けること30分。
「よし! 引きつけてください!」
引きつけは問題ない。『武器破壊』とヤマトの挑発で一発だ。
それにしても、何するんだろ?
モジョコさんが煙を吐き出すと大蛇にまとわりつく。蛇はまだこっちに攻撃していて気づいてなさそうだ。
煙が全体を包み込むとモジョコさんが吸い込み始めた。
吸い込んだ空気どこに行ってるの!?
吸引力だけなら、ランキング1位の掃除機を超えたな。
なんという力技!
「大蛇を食べるなんてすごい!」
「あ、食べてないですよ」
手に乗った蛇がチロチロと舌を出している。
「え? これが?」
「さっきの大蛇です。使役しました」
マジか!
まさかさっきのがテイム!?
初めて見たけど驚愕のテイム方法だな。
オトシンさん以外で使役してる人いないからなぁ。ドワーフはテイムできないし、貴重な経験をさせてもらったのかもしれない。
「良いものが見れました。ありがとう」
「は、はぁ」
モジョコさんは、小さくなった蛇を髪の中に仕舞い込むと帽子を被り直す。
帽子の端からちょこちょこ頭を出している小蛇がかわいい。
「私の用事は終わりました。ありがとうございます」
「では帰りますわよ」
結局2回採掘できたことで、石英が多めに採れた。
モジョコさんも目的達成したし、どっちも得したことになる。良かった良かった。
街の入り口までたどり着くと、2人とも用事があるということで解散になった。
「あ、これ良かったら譲りますわ」
「土鉱石? それなら」
シュルルル。
土鉱石を出した瞬間に顔を出す蛇君。
だろうな。何度も戦ったからわかってるぞ。
「その蛇が食べると思いますよ」
「なるほど。では、モジョコさんに差し上げましょう」
「わわ。ありがとうございますー」
2人と別れてから、何度もあの光景を思い出す。
何かのスキルだろうか。
まさか吸引とか?
ちょっとやってみるか。
「スウウウウ! 違うな。もっと勢いがあった。シュオーーーー!」
なかなか良いんじゃ無いか?
「シュオーーーーー!」
「それってなんですか? 新しいフラグ発生?」
「え?」
———————————————
<特殊スキル報告版>
……
…………
208:猫好きポックル
吸い込みスキルの目撃情報あり
強烈な吸引力で大蛇も飲み込む。
情報提供者:某ドワーフ
信頼度:20%
209:カカオハンター人間
信頼度低すぎわろた
210:毛玉職獣人
え? 某ドワーフの信頼度低すぎ!?
211:拳のドワーフ
あの人の情報はランダムボックスだから、又聞き情報だとはずれが多いぞ。
有用な情報はすぐに広まるしな
212:一部がヒュンとした人間
いつもお世話になっています
213:鵜ジュージン
>>212
何をだ!
名前が危険すぎるぞ!
あとは誘《おび》き出すだけ。
「大蛇を出すトリガーは特定スポットの採掘でレア鉱石を出すことです」
見つけた場所は、地底湖奥と次層へ行く別れ道の行き止まり。それにミリピード地帯。
ミリピードはドワーフ村出身者だと行けてしまうんだよな。もちろん見た目が嫌な人はいる。ただ臭いは全然耐えられる。
それもこれも、初期のゴーグルでバチクソくっせぇマスクを借りたおかげだな。感謝はしない。運良くその洗礼を受けなかった奴はここに来る資格無し。
行き止まりはよくわからんガスが出ていて、ランダムで状態異常にかかる。これに関しては薬屋の洗礼を受けていれば問題ない。バチクソまっずい薬を飲めば良いだけだ。
「どこにしますか?」
「「地底湖で」」
「俺としては他のところがオススメなんですよ。蛇も状態異常になるし、ミリピードの体液を被れば攻撃頻度が下がるんです」
「「地底湖で」」
「残念です」
諦めて地底湖で採掘を開始する。レア鉱石は水鉱石と土鉱石の2種類で、採取率は5%程度かな。大蛇スポットのみ出る量が多く設定されているように感じる。
「うへぇ。なかなか出ませんねぇ」
「モジョコさんは、忍耐がありませんわね。もっと採取に行った方がよろしいですわ。アルデンさまの弟子なんですから」
そこにアルデンさんは関係ないかと思う。5%と言えど沼ったら出てこない。出現率10%に3日かける冷凍マグロは「黒目が亡くなってからが本番だ」と言っていた。
「あ! 出ましたわ」
「ちょっと良いですか?」
ツヤ感があるわりにゴツゴツしている。
「おめでとうございます! 宝石の原石です!」
「これで大蛇が?」
「出ません。これは0,1%の超レアですね。水鉱石か土鉱石限定ですので」
「はぁ。仕方ないですわ」
まだ掘り始めて1時間程度だ。
「これは?」
「土鉱石だ! 来ますよ!」
蛇特有のほぼ無音。ただこいつはデカすぎて「ズモモモモ」と独特の引きずる音が鳴る。
「これは……大きいですわね」
「うひゃー。話盛ってた訳じゃなかったんですね」
嘘はついてない!
まぁ、今までの敵と比べるとサイズ感が飛び抜けて違うので、疑いたくなるのもわかる。
持ち替えたハンマーで何枚か鱗を剥がしていく。そこからしばらくは全力で逃げ続けるのみ。ヘイトが溜まりすぎて、苛烈な攻撃のほとんどがこちらに来るから何もできん。
「とう!」
「てや!」
「ヘァ!」
「その避け方ふざけてませんの!?」
「なに! 言って! るんですか! 大真面目ですよ。ドワーフの鈍足舐めないでいただきたい」
走っても遅いなら飛べば良い。転がっても良い。脚力はあるのに何で遅いのかねぇ?
見えないデバフがかかってるとしか思えない。
なんとか避けつつ、削り続けること30分。
「よし! 引きつけてください!」
引きつけは問題ない。『武器破壊』とヤマトの挑発で一発だ。
それにしても、何するんだろ?
モジョコさんが煙を吐き出すと大蛇にまとわりつく。蛇はまだこっちに攻撃していて気づいてなさそうだ。
煙が全体を包み込むとモジョコさんが吸い込み始めた。
吸い込んだ空気どこに行ってるの!?
吸引力だけなら、ランキング1位の掃除機を超えたな。
なんという力技!
「大蛇を食べるなんてすごい!」
「あ、食べてないですよ」
手に乗った蛇がチロチロと舌を出している。
「え? これが?」
「さっきの大蛇です。使役しました」
マジか!
まさかさっきのがテイム!?
初めて見たけど驚愕のテイム方法だな。
オトシンさん以外で使役してる人いないからなぁ。ドワーフはテイムできないし、貴重な経験をさせてもらったのかもしれない。
「良いものが見れました。ありがとう」
「は、はぁ」
モジョコさんは、小さくなった蛇を髪の中に仕舞い込むと帽子を被り直す。
帽子の端からちょこちょこ頭を出している小蛇がかわいい。
「私の用事は終わりました。ありがとうございます」
「では帰りますわよ」
結局2回採掘できたことで、石英が多めに採れた。
モジョコさんも目的達成したし、どっちも得したことになる。良かった良かった。
街の入り口までたどり着くと、2人とも用事があるということで解散になった。
「あ、これ良かったら譲りますわ」
「土鉱石? それなら」
シュルルル。
土鉱石を出した瞬間に顔を出す蛇君。
だろうな。何度も戦ったからわかってるぞ。
「その蛇が食べると思いますよ」
「なるほど。では、モジョコさんに差し上げましょう」
「わわ。ありがとうございますー」
2人と別れてから、何度もあの光景を思い出す。
何かのスキルだろうか。
まさか吸引とか?
ちょっとやってみるか。
「スウウウウ! 違うな。もっと勢いがあった。シュオーーーー!」
なかなか良いんじゃ無いか?
「シュオーーーーー!」
「それってなんですか? 新しいフラグ発生?」
「え?」
———————————————
<特殊スキル報告版>
……
…………
208:猫好きポックル
吸い込みスキルの目撃情報あり
強烈な吸引力で大蛇も飲み込む。
情報提供者:某ドワーフ
信頼度:20%
209:カカオハンター人間
信頼度低すぎわろた
210:毛玉職獣人
え? 某ドワーフの信頼度低すぎ!?
211:拳のドワーフ
あの人の情報はランダムボックスだから、又聞き情報だとはずれが多いぞ。
有用な情報はすぐに広まるしな
212:一部がヒュンとした人間
いつもお世話になっています
213:鵜ジュージン
>>212
何をだ!
名前が危険すぎるぞ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
230
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる