79 / 111
日本初イベント大会
告知後の反応。気分です。
しおりを挟む
「ハッチさん。告知見たよー」
「にゃぁぁぁん」
「俺も見た! いつ合同イベントになったんですか!?」
「会場とかもう決まったんですか?」
発表してから、いろんな人に声をかけられるようになった。申し訳ないことに、俺が知ってる内容はほぼ全部告知してるんだよなぁ。
「悪いねー。詳しいルールや場所はわからないんだ。近々次の発表もあると思うから待っててよ」
賞品なんかも用意されるみたいだけど、入賞者には運営の用意したものになるみたい。俺が発表できなかったのはこの話くらい。
オトシンさんも、仕事が忙しいのか、ほとんどINしてる姿を見なくなったな。
「にゃぁぁぁ」
「さっきからウルサイ! あと引っ付くな!」
「新作作ってに゛ゃああああああああ!」
「兄貴! もうちょっとですにゃ」
「がんばれー!」
強牙たちは他のネコと比べて異様にしつこい。毎回こいつを振り解くのが面倒だ。他の人はどうやって対応してるんだ?
「強牙ちゅあああん! 私が作ってあげるわ~」
「遠慮するにゃ。ネズミ臭い耳はイヤ」
サビ猫さんいつまで付けてるんだろ。
「だったらお前らはどの匂いは良いんだよ」
「オレは魚派にゃ」
「アルフヘイムのケットシーは魚好きが多いにゃ」
釣り好きが多いのもそういうことか。待てよ? 一人というか一匹肉好きいたよな?
「確か二尾は肉派じゃなかったか?」
「それは新情報。詳しくお聞きいたします」
「俺の話が先にゃぁぁぁ!」
「いや、強牙の話は聞かないぞ」
「びゃああ!」
「あにきぃー!」
泣きながら走り去る強牙。釣竿職人は他にもいるから、そいつらに頼んでくれないかなぁ。
「ところでサビ猫さんたちの進捗はどうですか?」
「順調に釣竿増産中だよ。それより二尾ちゃんの情報プリーズ」
ブレないな。二尾の情報って言ってもあまり知らないぞ。
ケットシーの変種だってのは聞いたのと、猪肉が好きってくらいか?
「猪肉!? ありー! 探してくる」
「あ! 猪肉は……もう行っちゃった。進入禁止地区で取れるって話なんだけど。まぁ、いっか」
俺も少しは生産しておかないと、全然スキルが上がらない。というか、全く上がってない。釣りスキルだけ20まで増えたけど、他が据え置きというのは困る。
「今日は生産の日にしよう」
そうとなれば、溜め込んだ素材を使ってアップグレードだ。
俺がいるのは町の入り口の区画。時計みたいに分けられているので、一番下として6区と呼ぶ人もいるが、ドワーフ区とよく呼ばれている。
そんなドワーフ区に似つかわしくない建物が一軒建っている。
シュッ。コイーン。
カランカラン。
パンパン。
「あれ? ハッチさんがお参りって珍しいですね」
「珍しいって、ここ建って4日くらいだろ?」
「気分です。おっ。かなりお布施溜まってるじゃーん!」
こいつが1000万ゴールド集め、この神社を建てた当事者。そして俺も100万ゴールド寄付し、氏子として名前が載っている。
「お布施でオプション追加するって言ってたけど、何作るの?」
「神社と言えば守り神ですよね」
「確かにいるね。狛犬とか作るの?」
「まさか! アルフヘイムと言えばエルフ! エルフと言えば森! そして、森ならこいつでしょ」
神社の影から持ち出してきたのは、キリリと尻尾を立て、見下ろしながら片手を下ろしている石像。
「そう。これが守り神の仁王シマリス!」
「お、おう」
仁王って寺じゃなかったか?
まさか、俺は今まで自分は氏子だと思っていたが、いつの間にか檀家になっていたのか!?
「なんてことだ。柏手ではなく、お経を唱える場所だったのか」
「神社なんだから柏手でしょう?」
「じゃあ、なんで仁王なんだよ!」
「気分です」
この気分が問題で、当初は教会になる予定だったはず。今度は残りの吽形《うんぎょう》を作らず別物になるんだろうな。地獄から牛頭《ごず》あたりを引っ張って来ないかと心配になってきた。
「今ハッチさんからビンビンとアイデアが飛んできましたよ! 雷神も悪く無いと思います」
「なんか違う!」
「そういう気分だったんですけどね」
気分って、俺のアイデア受け取ってないだろ。
話してるだけで1日が終わりそうだし、早く鍛冶場に行こう。
「2日後にはオプション追加しておきますからねー」
気分屋生産者ロキ君。
残念ながらしばらく来るのは止めようと思う。
「にゃぁぁぁん」
「俺も見た! いつ合同イベントになったんですか!?」
「会場とかもう決まったんですか?」
発表してから、いろんな人に声をかけられるようになった。申し訳ないことに、俺が知ってる内容はほぼ全部告知してるんだよなぁ。
「悪いねー。詳しいルールや場所はわからないんだ。近々次の発表もあると思うから待っててよ」
賞品なんかも用意されるみたいだけど、入賞者には運営の用意したものになるみたい。俺が発表できなかったのはこの話くらい。
オトシンさんも、仕事が忙しいのか、ほとんどINしてる姿を見なくなったな。
「にゃぁぁぁ」
「さっきからウルサイ! あと引っ付くな!」
「新作作ってに゛ゃああああああああ!」
「兄貴! もうちょっとですにゃ」
「がんばれー!」
強牙たちは他のネコと比べて異様にしつこい。毎回こいつを振り解くのが面倒だ。他の人はどうやって対応してるんだ?
「強牙ちゅあああん! 私が作ってあげるわ~」
「遠慮するにゃ。ネズミ臭い耳はイヤ」
サビ猫さんいつまで付けてるんだろ。
「だったらお前らはどの匂いは良いんだよ」
「オレは魚派にゃ」
「アルフヘイムのケットシーは魚好きが多いにゃ」
釣り好きが多いのもそういうことか。待てよ? 一人というか一匹肉好きいたよな?
「確か二尾は肉派じゃなかったか?」
「それは新情報。詳しくお聞きいたします」
「俺の話が先にゃぁぁぁ!」
「いや、強牙の話は聞かないぞ」
「びゃああ!」
「あにきぃー!」
泣きながら走り去る強牙。釣竿職人は他にもいるから、そいつらに頼んでくれないかなぁ。
「ところでサビ猫さんたちの進捗はどうですか?」
「順調に釣竿増産中だよ。それより二尾ちゃんの情報プリーズ」
ブレないな。二尾の情報って言ってもあまり知らないぞ。
ケットシーの変種だってのは聞いたのと、猪肉が好きってくらいか?
「猪肉!? ありー! 探してくる」
「あ! 猪肉は……もう行っちゃった。進入禁止地区で取れるって話なんだけど。まぁ、いっか」
俺も少しは生産しておかないと、全然スキルが上がらない。というか、全く上がってない。釣りスキルだけ20まで増えたけど、他が据え置きというのは困る。
「今日は生産の日にしよう」
そうとなれば、溜め込んだ素材を使ってアップグレードだ。
俺がいるのは町の入り口の区画。時計みたいに分けられているので、一番下として6区と呼ぶ人もいるが、ドワーフ区とよく呼ばれている。
そんなドワーフ区に似つかわしくない建物が一軒建っている。
シュッ。コイーン。
カランカラン。
パンパン。
「あれ? ハッチさんがお参りって珍しいですね」
「珍しいって、ここ建って4日くらいだろ?」
「気分です。おっ。かなりお布施溜まってるじゃーん!」
こいつが1000万ゴールド集め、この神社を建てた当事者。そして俺も100万ゴールド寄付し、氏子として名前が載っている。
「お布施でオプション追加するって言ってたけど、何作るの?」
「神社と言えば守り神ですよね」
「確かにいるね。狛犬とか作るの?」
「まさか! アルフヘイムと言えばエルフ! エルフと言えば森! そして、森ならこいつでしょ」
神社の影から持ち出してきたのは、キリリと尻尾を立て、見下ろしながら片手を下ろしている石像。
「そう。これが守り神の仁王シマリス!」
「お、おう」
仁王って寺じゃなかったか?
まさか、俺は今まで自分は氏子だと思っていたが、いつの間にか檀家になっていたのか!?
「なんてことだ。柏手ではなく、お経を唱える場所だったのか」
「神社なんだから柏手でしょう?」
「じゃあ、なんで仁王なんだよ!」
「気分です」
この気分が問題で、当初は教会になる予定だったはず。今度は残りの吽形《うんぎょう》を作らず別物になるんだろうな。地獄から牛頭《ごず》あたりを引っ張って来ないかと心配になってきた。
「今ハッチさんからビンビンとアイデアが飛んできましたよ! 雷神も悪く無いと思います」
「なんか違う!」
「そういう気分だったんですけどね」
気分って、俺のアイデア受け取ってないだろ。
話してるだけで1日が終わりそうだし、早く鍛冶場に行こう。
「2日後にはオプション追加しておきますからねー」
気分屋生産者ロキ君。
残念ながらしばらく来るのは止めようと思う。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。
Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。
最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!?
ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。
はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切)
1話約1000文字です
01章――バトル無し・下準備回
02章――冒険の始まり・死に続ける
03章――『超越者』・騎士の国へ
04章――森の守護獣・イベント参加
05章――ダンジョン・未知との遭遇
06章──仙人の街・帝国の進撃
07章──強さを求めて・錬金の王
08章──魔族の侵略・魔王との邂逅
09章──匠天の証明・眠る機械龍
10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女
11章──アンヤク・封じられし人形
12章──獣人の都・蔓延る闘争
13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者
14章──天の集い・北の果て
15章──刀の王様・眠れる妖精
16章──腕輪祭り・悪鬼騒動
17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕
18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王
19章──剋服の試練・ギルド問題
20章──五州騒動・迷宮イベント
21章──VS戦乙女・就職活動
22章──休日開放・家族冒険
23章──千■万■・■■の主(予定)
タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる