ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

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飛び出せ!

オーク星人到着

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 皆さんは海王星を見たことあるだろうか。
 俺は初めて見た。

「ほほう。さすがは海王星ですな」
「ヘイ。ミスターシュリンプ」

 声を掛けてくれたのはトロン重工のトロトローリ氏。正式な名前は難解で聞き取れなかったが、ミスタートロで許されている。
 同じ海産物だと言ったら喜ばれた。寿司好きらしい。

「ネプチューンを見てたのかい?」
「そうです。トロ氏はあそこに魚がいると思いますか?」
「ノーン。ありえなーい。どんな生物でも住めないさ」
「なのに海王星とはこれいかに」

 俺が言葉遊びを始めたところで、「これだからニッポ人は」と手を上げる。
 こちらこそ言ってやりたい。コメ人でも言葉遊び好きな奴は多いぞ。

「それより、そろそろビッグゲストが到着するらしいよ。カモーン。シュリンプ氏は宇宙人に寿司食わせなよ。私はバーガー食わせるつもりだ」
「それは良い考えですね」

 そうとなれば食料担当者に打診をしよう。
 トロ氏にはすぐに行くと伝えて倉庫へと向かう。
 非常に困難な交渉の末、いくつかの食材を土下座ゲット。
 時間がかかってしまったせいで、相手の宇宙船到着の瞬間は見られなかったが、これでウーゴを楽しませてやれるだろう。

 船内の大ホールに行くと、地球人側と宇宙人(着ぐるみ)側で向かい合っているところが見えた。
 500人規模で向かい合ってるとこれから合戦でもするような光景にも思える。
 中心にいるのは笹森さんと……船長かな?

「ボウタ! 遅かったじゃないか」
「すみません。ちょっと用事で……ところでジャックさん。今はどんな状況ですか?」
「今後の打ち合わせらしい。私は向こうのデザイナーと会談予定を頼んでいるが、君は?」
「え?」

 はっきり言って細かいことは何も知らない。
 ウーゴと「会おう」くらいにしか聞いてなかったからな。

「詳しいことは笹森さん任せだから」
「早めに確認すると良い。すまないが、私はこれから移動がある。失礼」

 かなりキッチリした性格の人だな。俺とは逆の性格をしている。
 みんなが整然と待っている間、数人がチョコチョコと動き回っている。

「ミスターシュリンプ。君も宇宙人観察かい?」
「えぇ、なんか思ってた格好と違う人も多いので気になって。ゴリラっぽいのと犬みたいなのは何が……」
「私も気になってたんだ。ドッグマンはバーガーでも良いと思うが、もしかしてコングマンは菜食かもしれないな。君の国のライスとビーンズでチリテイスト……こうしちゃおれん!」

 駆け出したトロ氏は俺が来た方向へと向かって行ってしまった。
 俺としてはダメなら明日別のものでも用意すれば良い気がしている。これから1週間はここにいるらしいからな。

 にしても、一部物々しい集団もいますな。
 大量のSPに囲まれた様々な人種の人たち。それと向かい合う宇宙人側も独特な衣装を纏っている。
 業界ごとに集まっているみたいだが、あの集団だけは謎だな。
 悪の組織とでも仮定しておこう。
 つまり、近づかんとこ。

「さぁ、これから各自会談を行います。アース星人はそれぞれ所定の場所へ移動をお願いします。我らオーク星人もその後に続きます」

 向こう側の代表の掛け声で笹森さんのところへ向かおうとしたが、誰一人として動かず、踏み出した一歩から先へ進めなかった。

「地球の言葉を話したぞ」
「翻訳機か?」
「それにしても誤差時間無かった。流石はオーク星と言うべきか」

 驚くことじゃ無いだろう。彼らも同じ星の住人なのだから。
 かと言ってそれを楽しむ人たちに茶々を入れる程俺も子供ではない。
 そういう趣向なのであれば、一緒に姿勢を正して待っていようじゃないか。
 しかし、相手側の視線がこちらに集まっているのは落ち着かない。
 早く話を進めていただきたいものだ。

「さぁさぁ、皆さま時間が無くなっちゃいますよ。政府関係者の方々は用意も大変でしょう? 研究班は準備を。さぁ動いてください!」

 笹森さんの掛け声で場が一斉に動き出す。

「ミスターシュリンプ! 今はどんな状況だ」

 戻ってきたトロ氏に今の状況を伝えると、でっぷりとしたお腹を弾ませて、跳ねるように庭園の方へと走って行ってしまった。
 それを見送った後、ようやく落ち着き出したところで笹森さんに声をかける。

「ハッチ君。ちょっと待ってね。あ、プレゼントあったでしょ? あれ、用意させてるから裏手で確認してきて」
「はい」

 スタッフに手招きされて着いて行くと、巨大な水槽ケースにタキタロウとタキコが入っている。
 トラックの荷台に乗せられながらも元気に泳いでいるが、ここでふと思った。

「もしかして、これの飼育って向こう側難しくね?」
「それは問題ないと思いますよ。水質から餌まで、細かいメモがありますし」
「いや、水槽のことなんだけど」
「それこそ考える必要ありませんよ。向こうはこちらより良い技術を積んでますから」

 そうなのか?
 まぁ、そういうことなら良いだろう。
 一応目隠し用の幕を被せて、準備完了。

「さぁ、助手席に乗ってください」
「うぃっす」
「このプレゼントは相手も驚くと思いますよ。私も楽しみです」
「ウーゴの着ぐるみも脱げちゃうかもね」
「ん? まぁ、皆さんも待ってるでしょうし、行きましょう」

 プープーとクラクションを鳴らし、大ホールへと入って行くと、残っていた一同の視線がこちらに集まってくる。
 笹森さんの後に止めると、相手が警戒を増しているように見える。

「これ大丈夫? 結構危なくない?」
「大丈夫ですよー。こちらの銃器なんて、向こうからしたら豆鉄砲みたいなものですし」

 恐る恐る車から降りて、簡単な挨拶をすることにした。

「えー、エビナボウタです」
「違う違う。そっちじゃなくてゲームの方の!」
「あ、自分はハッチです。皆さまにプレゼントがあります。ちょっと大きめですが、地球の魚を送ります」

 着ぐるみだとわかっているが、若干緊張している。
 それを拭い去るように荷台の幕を外して行く。

「さぁ、ご覧ください! 伝説の魚です!」
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