1 / 165
その男、珍妙につき
しおりを挟む
大自然溢れるこの森には、変な男が住み着いている。
先住民は二足歩行の獣。
彼らは言葉を話し、自らを獣族と言っている。
数百年程前、この森に村を作り、そこで共同生活をしているという。
彼らをまとめる人物はエルフという種族で、精霊を見ることが出来るらしい。
まさに物語通りの見た目で、スラリとした体躯に品のある雰囲気を纏う。
変な男の話に戻るが、この男は村に住まずに森に小屋を何戸も作っている。
その小屋に住んでいるのかと言うと、転々と寝泊まりし、木や岩の上にいるのも良く見かけられている。
その男の話だと、瞑想するのに良い場所らしい。
確かに木漏れ日が差したり、風通りが良かったりするが、獣族にもわからない感覚をしている。
獣族からは『薬人』と呼ばれている。
名前が言いづらいというのもあるが、人嫌いの者が多く、以前は侮蔑した名で呼んでいた。
『毛無し』『短耳』『冴えない顔』色々あったが、今ではそれなりに良い関係が作られた。
__________________
今日は天気も良く、村の広場は盛況だ。
そこで、猫とタヌキに似た獣族が数人集まって談笑している。
「最近。薬人が山で変な植物見つけてきたらしいにゃ」
「変なって、どんなのです?」
「ちっちゃくて、すごい硬い実なんだけど、すり潰して生地にすると美味いんだってにゃ」
「ちっちゃくて、硬い、生地? 新種の麦かな?」
「いやいや、違うにゃ」
そこに薄手の服を着た男がやってくる。
「ちょうど良いにゃん。おーい! 新しい種見せてくれにゃー!」
そう呼ばれてやってきた男。
「やぁ。最近ってどれのこと? これ? これか?」
そう言って巾着からいくつも種を取り出した。
「相変わらずお前の頭はどうなってるにゃ。それは3ヶ月も前のにゃ。これこれ」
猫族がつまみ上げたのは、黄色く、丸みのある四角形。
「フリントちゃんね! そいつは良いよ!」
「フリントって言うの? しかし硬いね」
タヌキ族も摘んでみるが、全く潰せそうに無い。
「フリントコーンって言うんだけど、そいつは擦りこぎや石臼とか使って、ゴリゴリ磨り潰すんだよ。その粉を生地にすると香ばしくて良い味なんだ」
「ほうほう。また、良い売り物が出来そうです。どこで貰えます?」
「ヤギ族に任せたから、後で聞いてみてよ。ところでさ、使ってた棒が壊れそうだから、頑丈なやつ無いかな?」
この男の話しかけているタヌキ族が、この村の買い出し担当。村外の買い物はタヌキ族が一括して行っている為、男も頼んでいる。
軽く談笑すると、男が去って行った。
「相変わらず飄々としたやつだにゃ」
「あの冴えない顔で山や森のことは、すごい詳しいんだからね。見た目ではわからないものです」
「同じ人族からも冴えないように見えるかにゃ?」
「どうでしょうね。我々からしたら、人族は毛が無くて特徴も少ないし…。でも、外村の人よりノッペリした顔かな?」
去った男が向かったのは、熊族のところ。
「ベアさん、今日もよろしく。先に東家に行ってるね」
そう言うと、さっさと移動してしまった。
「あいつも言葉は上手くなったが、行動は変わらんな。俺も向かうから、村長に言ってきてくれ」
一回り小さな熊に声をかけると、ベアも家を出る。
村の外にある東家。
2人の男がテーブルを挟んで対面し、そこから一歩離れた場所にベアも座っている。
「ケープ村長に、今日のお土産はこれね」
そう言って男がサッカーボール大の糸玉を渡す。
「おぉ。良く採ってきたね。鬼蜘蛛も怒ってただろう?」
「ちょっとだけね。おかげでホラ」
そう言って着ていた服を見せてくる。
何も変わってないようだが…。
「作り直したんだ。ほつれも無くなって綺麗だね」
「でしょ? 作務衣も頑丈になったし、作って良かったよ」
他愛のない話だが、最初はほとんど言葉が通じず苦労していた。
村長だけに通じたカタコトの言葉を、少しずつ覚えさせていって、獣族とも話せる様になったのは2年経ってから。それから3年過ぎて、最近では、共通語も練習するようになってきた。
言葉を覚えるのは慣れているのか、意外と早い。
しかし、それ以外の記憶力は村長とどっこいどっこいだ。
「そういえば、村の繭糸渡したのも結構前だったよね? 10年前だっけ?」
「15年くらい前じゃなかった?」
5年前だ。
いつものことなので、もうベアも突っ込まない。
「ターさんも、そろそろ村に住んだらどう?」
男の愛称がターさん。
村長とベアしか呼んでいないが、村の中では知られている名前だ。
本名を覚えているのもこの2人だけ。
馴染みのない名前なせいか、他の者達は愛称だけしか覚えなかった。
「俺も一度そうしようかと思ったんだけどね。森暮らしに慣れちゃって違和感があるんだよね」
「私も最初は、そうだったんだよ。でも、慣れると村も良いよ?」
「村長がそう言うなら…。でも、その前に調べたいことが終わってからかな。山のコッコの世話もあるしね」
「気長に待ってるよ。50年後でも良いよ?」
「そうだね」
「「ははは!」」
ベアには理解し難い話だが、2人にとっては、決して冗談の会話ではない。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
そう言ってターさんが立ち上がる。
「また2日後だね」
2人で握手して別れの挨拶をする。
「ベアさん今日もありがとう。はいこれ。川で取れた魚ね」
片腕サイズの大きな魚を渡す。
「やった! たまにこれがあるから付き添いも良いんだよな」
「2人ともじゃあね!」
そう言ってターさんが森に帰っていく。
「共通語も少し慣れてきたようだ」
「そうだね。ところでターさんの本名なんだっけ?」
「また忘れたのか!?」
村長がすぐ忘れる為、ベアが覚えてなければいけない。
「もう何度目だ? 今度こそちゃんとメモしててくれ!」
あの冴えない男の名前は『高橋《たかはし》 実《みのる》』。
突然森に現れた記憶力《きおくりょく》の無い男。
先住民は二足歩行の獣。
彼らは言葉を話し、自らを獣族と言っている。
数百年程前、この森に村を作り、そこで共同生活をしているという。
彼らをまとめる人物はエルフという種族で、精霊を見ることが出来るらしい。
まさに物語通りの見た目で、スラリとした体躯に品のある雰囲気を纏う。
変な男の話に戻るが、この男は村に住まずに森に小屋を何戸も作っている。
その小屋に住んでいるのかと言うと、転々と寝泊まりし、木や岩の上にいるのも良く見かけられている。
その男の話だと、瞑想するのに良い場所らしい。
確かに木漏れ日が差したり、風通りが良かったりするが、獣族にもわからない感覚をしている。
獣族からは『薬人』と呼ばれている。
名前が言いづらいというのもあるが、人嫌いの者が多く、以前は侮蔑した名で呼んでいた。
『毛無し』『短耳』『冴えない顔』色々あったが、今ではそれなりに良い関係が作られた。
__________________
今日は天気も良く、村の広場は盛況だ。
そこで、猫とタヌキに似た獣族が数人集まって談笑している。
「最近。薬人が山で変な植物見つけてきたらしいにゃ」
「変なって、どんなのです?」
「ちっちゃくて、すごい硬い実なんだけど、すり潰して生地にすると美味いんだってにゃ」
「ちっちゃくて、硬い、生地? 新種の麦かな?」
「いやいや、違うにゃ」
そこに薄手の服を着た男がやってくる。
「ちょうど良いにゃん。おーい! 新しい種見せてくれにゃー!」
そう呼ばれてやってきた男。
「やぁ。最近ってどれのこと? これ? これか?」
そう言って巾着からいくつも種を取り出した。
「相変わらずお前の頭はどうなってるにゃ。それは3ヶ月も前のにゃ。これこれ」
猫族がつまみ上げたのは、黄色く、丸みのある四角形。
「フリントちゃんね! そいつは良いよ!」
「フリントって言うの? しかし硬いね」
タヌキ族も摘んでみるが、全く潰せそうに無い。
「フリントコーンって言うんだけど、そいつは擦りこぎや石臼とか使って、ゴリゴリ磨り潰すんだよ。その粉を生地にすると香ばしくて良い味なんだ」
「ほうほう。また、良い売り物が出来そうです。どこで貰えます?」
「ヤギ族に任せたから、後で聞いてみてよ。ところでさ、使ってた棒が壊れそうだから、頑丈なやつ無いかな?」
この男の話しかけているタヌキ族が、この村の買い出し担当。村外の買い物はタヌキ族が一括して行っている為、男も頼んでいる。
軽く談笑すると、男が去って行った。
「相変わらず飄々としたやつだにゃ」
「あの冴えない顔で山や森のことは、すごい詳しいんだからね。見た目ではわからないものです」
「同じ人族からも冴えないように見えるかにゃ?」
「どうでしょうね。我々からしたら、人族は毛が無くて特徴も少ないし…。でも、外村の人よりノッペリした顔かな?」
去った男が向かったのは、熊族のところ。
「ベアさん、今日もよろしく。先に東家に行ってるね」
そう言うと、さっさと移動してしまった。
「あいつも言葉は上手くなったが、行動は変わらんな。俺も向かうから、村長に言ってきてくれ」
一回り小さな熊に声をかけると、ベアも家を出る。
村の外にある東家。
2人の男がテーブルを挟んで対面し、そこから一歩離れた場所にベアも座っている。
「ケープ村長に、今日のお土産はこれね」
そう言って男がサッカーボール大の糸玉を渡す。
「おぉ。良く採ってきたね。鬼蜘蛛も怒ってただろう?」
「ちょっとだけね。おかげでホラ」
そう言って着ていた服を見せてくる。
何も変わってないようだが…。
「作り直したんだ。ほつれも無くなって綺麗だね」
「でしょ? 作務衣も頑丈になったし、作って良かったよ」
他愛のない話だが、最初はほとんど言葉が通じず苦労していた。
村長だけに通じたカタコトの言葉を、少しずつ覚えさせていって、獣族とも話せる様になったのは2年経ってから。それから3年過ぎて、最近では、共通語も練習するようになってきた。
言葉を覚えるのは慣れているのか、意外と早い。
しかし、それ以外の記憶力は村長とどっこいどっこいだ。
「そういえば、村の繭糸渡したのも結構前だったよね? 10年前だっけ?」
「15年くらい前じゃなかった?」
5年前だ。
いつものことなので、もうベアも突っ込まない。
「ターさんも、そろそろ村に住んだらどう?」
男の愛称がターさん。
村長とベアしか呼んでいないが、村の中では知られている名前だ。
本名を覚えているのもこの2人だけ。
馴染みのない名前なせいか、他の者達は愛称だけしか覚えなかった。
「俺も一度そうしようかと思ったんだけどね。森暮らしに慣れちゃって違和感があるんだよね」
「私も最初は、そうだったんだよ。でも、慣れると村も良いよ?」
「村長がそう言うなら…。でも、その前に調べたいことが終わってからかな。山のコッコの世話もあるしね」
「気長に待ってるよ。50年後でも良いよ?」
「そうだね」
「「ははは!」」
ベアには理解し難い話だが、2人にとっては、決して冗談の会話ではない。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
そう言ってターさんが立ち上がる。
「また2日後だね」
2人で握手して別れの挨拶をする。
「ベアさん今日もありがとう。はいこれ。川で取れた魚ね」
片腕サイズの大きな魚を渡す。
「やった! たまにこれがあるから付き添いも良いんだよな」
「2人ともじゃあね!」
そう言ってターさんが森に帰っていく。
「共通語も少し慣れてきたようだ」
「そうだね。ところでターさんの本名なんだっけ?」
「また忘れたのか!?」
村長がすぐ忘れる為、ベアが覚えてなければいけない。
「もう何度目だ? 今度こそちゃんとメモしててくれ!」
あの冴えない男の名前は『高橋《たかはし》 実《みのる》』。
突然森に現れた記憶力《きおくりょく》の無い男。
10
あなたにおすすめの小説
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。
もる
ファンタジー
剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる