サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太

文字の大きさ
99 / 165
5章 獣王国

第98話 獣王国不定期

しおりを挟む
大地歴2120年

季節はたぶん夏。
ロック鳥の調査報告のおかげで特別に3級へ上げてもらった。
それが先月頃の話。
今もスケッチと報告書を作成しているが、これってただの成長記録だよな?
メサは気まぐれにやってくるので、その時に渡すようにしている。
俺が出て行こうとすると戻されるんだよな。
ヒナも見たいから、飛ぶまでは面倒見てやるつもりだ。


大地歴2122年

この年も教授の記述がなかったらわからないな。
ヒナがかなり大きくなってきて、手が掛からなくなってきた。
もしかしたら巣立ちが近いかもしれないな。
体も10mくらいになってきて、小さめの大蛇は1匹で食っていた。
その頃届いた手紙に、ヒナの名前を王様が付けたと言う。
『ベルゴッテ』山の神という名前らしい。
ロック鳥を神とする部族もいるらしいので、それに配慮したようだ。
神様が現世にいるわけないけど、いたらと考えたら震えが止まらないな。
存在だけで壊れるんじゃないか?
考えるのは止めておこう。


大地歴2128年

あれから6年掛けてようやく親鳥に大きさで近づいた。
モコモコだったのが筋肉質になって、カッコ良くなったぞ。
そういえば、巣立ちしたらどこに行くんだろうか?

そう思ってたんだが、予想外の結果。
子供の方じゃなくて、親鳥の方が巣立ったよ。
大陸中央の方向へ向かって優雅に飛んでいる。
巣の方を見ると、モコズ達も少しずつ減っていき。
いくつかの卵だけ残されている。
こっちの卵はモコズ達の方だな。
大人になったばかりのロック鳥が、卵を見守っている様子も面白い。
モコズ達もただ守ってただけじゃないんだな。


卵にヒビが入り出した頃に、モコズ達が様子を見にやってくる。
誕生すると、親達は子供達の餌やりで外へ行き、その間はロック鳥が守る。
確かハゼと鉄砲エビの共生があったな。
それと似ているかな。
こいつもレポートにして送ろう。



大地歴2135年

山頂周辺の調査とかしてたらこんなに経っていた。
ドリー達の子供も成人したとか書いてあったし、一度戻ろうと思う。
その前に聖教国側の山頂にも気になる木があるんだ。
あとその下に洞穴もあるし、川の魚も。
書いててわかったけど、これは戻らなくなるやつだな。

一旦やりたいことは置いて会いにいくか。


大地歴2136年

久しぶりにドリー達に会ったらかなり老けてた。
ドリーも村長になっていたし、ホーも役員だったよ。
子供達は5cmくらいだったのに大きくなったな。
冗談だよ。
前見た時は80cmくらいだっけ。
今では立派な成人だ。
ジールにも子供が生まれたらしいが、首都住みだから会っていない。

あの洞窟の事だけど、モール族の案内で何度か研究者を潜らせている。
ただし、あれ以降ホログラフは起動しないし、長居出来るほど長期間持つ食料も無い。
俺は面倒だし、あそこは良いかな。
ただ、ヴェルグの地下に埋めるって言葉だけは気になる。
あの位置より地下ってことだよな。
さすがに、俺1人じゃ無理だし、深くなるほど魔物が増えると言う。
とりあえず、食料事情が良くならないと無理かな。

みんなが老けている中、俺と教授だけが変わらない。
首都にあと1人長命種がいるようだが、わざわざ会うまでも無い。
教授にも、一度王様に会わないかと言われた。
もちろんNOだよ。
なんでワザワザ面倒そうな人に会わないといけないのか。
それに首都は行く気にならない。
見上げても人がいる空間。



大地歴2142年

ファングのみんなが会いに来てくれた。
ゲイルが子供を抱えていてビックリ。
前からベスと付き合ってると聞いてたが、子供が出来て結婚したらしい。
ファングは、王様に頼まれた仕事で、それなりの役職をもらっている。
今は首都の中心街暮らし。
羨ましいかと聞かれたが、返しに困った。
とりあえず「良かったね。」とだけ言ったら、苦笑い。
俺の反応も予想済みらしい。
王様がファングにも俺を誘うよう愚痴ってたらしい。

たぶん、一度俺を連れてこようと兵士を派遣している。
教授の話では、強引では無いらしいが、霊峰を登れなかった。
ただそれだけのこと。
ベルゴッテは俺を同族か庇護者と考えてるのか、俺は入れるけど、他の人は縄張りに入れない。
これは育てた特典だよな。
ファングのみんなには、知り合い用にとっておいたベルゴッテの羽をあげよう。
戻るたびに家に置いてってるから、結構貯まってるんだ。



大地歴2160年

ドリーが危篤と聞いて会いに行った。
布団から出られず、寝たままの面会だったが、彼は変わらず笑っている。
力の入らない手で俺の手を握りながら何度も感謝された。
「ノールのおかげで、願いが叶った。」
俺こそドリー達のおかげで楽しく過ごせている。
もう生命力が少ない。
あと3日くらいだろう。
ちょっとだけ元気に出来ると言ってみたが、数秒だけ考えて首を振った。


大地歴2161年

今度はホーが逝った。
ドリーと同じことを聞くが、彼も同じ答えだ。
仲良かった教授も寂しそうだが、彼らの孫達がいる。
たぶん先代の時もそうだったんだろうな。


この時、オスクは教授に譲った。
寂しそうだったのもあるけど、教授に懐いていたし、最近は一緒にいられなかったからな。
俺といるより、教授と居た方良いだろう。
オスクの子も大人になってるし、群れの長としてまとめなきゃいけない。
無駄に連れ歩けないもんな。


大地歴2199年

ここ最近、大陸中央の様子が良く無いらしい。
一応注意するように言われたが、どうしようもない。
記憶だけにはとどめてと思ったが、ここに書いた方が良い。

バートから、『大陸中央で召喚の兆しがある。召喚生物に気をつけろ。』
他にも長々あったけど、そっちは孫の事だったりなので割愛だ。

そろそろ日記帳の残りが少ない。
また、誰かに買ってきてもらわないとな。
俺は行かないよ。
モール族なら雲網きのこで喜んで行ってくれる。

もうすぐ年明け。
そろそろ他の国に行っても面白そうだな。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

処理中です...