俺の妹がVTuberかもしれない

じゃん

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第十話

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石山唯、24歳

--配信二日目!がんばります!


◎◎◎

昨日、VTuberデビューしたんだよな。
起きたてのぽやぽやした頭で昨日のことを思い出す。
緊張とか感動が入り交じって、はっきりと覚えていないのが悔しい。

それに、一晩寝て起きたら、昨日のことは夢だったのかも?って一瞬思ってしまった。

それくらい夢のような出来事だったんだよな。
ーー本当に、私がVTuberをやるなんて。
ーーそれに、こんなに楽しいって思えるなんて。

あ、そうそう。
小野田さんに言われたから、昨日はSNS検索をしていないし、今日もしない…つもり。

でも、昨日の配信をみてみんなが桃奈咲良の事をどう思ったのかは、気になってしまう。
配信中、好意的なコメントばかりだったのも逆に不安要素だ。
私が見えないところでいろいろ悪口とか書かれていたらどうしよう。
うう、検索したい。

でも、これは私の悪い癖だ。
どうしても悪いことを考えてしまう。
それに、検索してもし悪いことが書いてあったら?
多分私は気にしすぎて、配信どころじゃなくなってしまうだろう。

「そうだ、昨日のアーカイブでも見よう!」

ーそう、今日の夜も配信があるんだ。
今くよくよ悩んでいたって仕方がない。

せっかく配信を見てくれるお客さんがいるんだ。大切にしたいし、たくさん楽しんでほしいと思う。
だからこそ、昨日の配信をみてなにか掴めれば…!
それに、下ネタ系質問の模範解答は小野田さんが考えてくれるって言っていたけど、
私が見逃しているだけで他にも回答が難しい質問があったかもしれない。
そういったのも小野田さんに確認したい。

よし、そうと決まれば。
私はスマホで動画を再生し、今日の配信に備えることにした。


-----


「それでは、今日もよろしくお願いします。」

「はい!こちらこそです。模範解答もありがとうございます!」

配信10分前、小野田さんと通話で今日の配信についての確認を行った。
いろんな質問に対する模範解答ももらえたし、準備バッチリ。
あとは配信するだけ。

「ああ、二日目なのにやっぱり緊張するな…」

少しは慣れるかと思ったが、駄目だった。
昨日と同じ、いやそれ以上に緊張している。

ーでも、頑張ろう!

「こんばんは!桃奈咲良です!」

私のVTuber生活、二日目がはじまった。


◎◎



今日の配信は、カラオケコーナーと質問コーナー。

カラオケコーナーは自分の好きな曲で良いと小野田さんが言っていたので、
カラオケでよく歌う曲を一曲目に選んだ。

ーそういえば、最近カラオケ行ってないな…
ってあれ。もしかしてもう何年も行ってないのかも。

歌いながら最後にカラオケに行ったときの記憶をたどると、お兄ちゃんと行った記憶がよみがえってきた。
そういえば、昔はよくお兄ちゃんとカラオケに行ってたなあ。
そんな、懐かしい思い出に浸りながら歌い続ける。

一曲目が終わり、
二曲目、三曲目と歌っていく。

久しぶりに歌ったけど、やっぱり歌うことって楽しい。
こういった気持ちを思い出させてくれるのも、VTuberをはじめたからだ。
普通の社会人じゃ、人前で歌うことなんてないもんね。

「ありがとうございました!」

予定していた曲を全て歌い終え、聞いてくれたお客さんにお礼を言う。

ーーももちゃん歌うまい!
ーー声が可愛い!

コメント欄を確認すると、自分には勿体ないくらいの言葉で埋め尽くされていた。

「そんな!まだまだだよ!」

謙遜しながらも、心は嬉しさでいっぱいだった。
それに、もっともっと上手くなってみんなに聞いてもらいたいという気持ちが芽生えてきた。
そうだ、ボイトレとか調べてみようかな。

「もっと上手くなるから、みんな楽しみに待っててね!それじゃあ次は質問コーナー!」

本当はアンコール!といきたい気持ちだったが、曲の用意をしていない。
今度はアンコール用の曲も用意していこうかな、と思いながらも、質問コーナーにうつる。

流れてくるコメントを確認して、昨日答えていないものを優先して答えようとしているとー。

(枕営業…?)

私は気になるコメントを目にしてしまった。
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