6 / 18
5
しおりを挟む
「そんな事件があったなんて… 」
食欲が殆どなくなってしまった謙也は目の前で美味そうにラムの香草焼きを食べる楠木や沢井を見て、やはら常軌を逸した人間の集まりなんだなとしみじみと思った。
「そんな場所で、その事件をモデルにした話を書きたいが為に…」
「いや、選んだのは沢井センパイっすよね」
「…悪かったな、神戸」
そういう神戸も香草焼きを頬張りながら、ビールを飲んでいる。
「それにしても、御厨はどこにいるんだ?」
「御厨センパイ、方向音痴だからどっか迷ってんじゃないすか?」
「チクるぞ神戸。でもホントにどこ行ったんでしょうか、御厨センパイ」
「ああいう奴だからなぁ。悪ふざけなんか普通にやりそうだよな」
楠木は笑いながら言った。
「それにしても、御厨センパイ。どんな劇の脚本を書こうとしてたんですかね?」
「今んとこ情報はそれしかないんだけど、キャスティングも人物設定も何も聞いてないんだよ」
「へぇ、部長もご存じなかったなんて…」
「皆様、お楽しみの所申し訳御座いません」
執事風の使用人が言った。スーツケースを引っ張りながら。
「こちらのお荷物が、玄関先に置かれておりましたが、ご存じありませんか?」
楠木は首を傾げた。
「なぁ沢井。知らないか?」
「いや、僕は知らないな。神戸?」
「いや、翔子ちゃんは?」
「あたしも知らない、御厨センパイじゃないかしら?」
成程、御厨なら何か企んでサプライズをやりそうだ。大概の部員は皆そう思っていた。
「鍵がかかってるのかな?」
「いや、それはなさそうですね。おい謙也、開けてくれよ」
「え?僕ですか?」
「そうだよ。お前以外誰がいるんだ?」
誰でもいいよな、という言葉を飲み込むと、謙也はスーツケースを開いた。
開くと、何かがごろりと床に転げ落ちた。
「えっ…」
「嫌ぁっ!」
それは、人間の生首だった。
「ま、ま、待てよ!作り物だって!」
「そ、そうだよ!おい謙也!何とか言ってくれよ!」
「いっ、いっ…」
「……御厨」
「え?」
「御厨だよ。間違いなく御厨の生首だ」
食欲が殆どなくなってしまった謙也は目の前で美味そうにラムの香草焼きを食べる楠木や沢井を見て、やはら常軌を逸した人間の集まりなんだなとしみじみと思った。
「そんな場所で、その事件をモデルにした話を書きたいが為に…」
「いや、選んだのは沢井センパイっすよね」
「…悪かったな、神戸」
そういう神戸も香草焼きを頬張りながら、ビールを飲んでいる。
「それにしても、御厨はどこにいるんだ?」
「御厨センパイ、方向音痴だからどっか迷ってんじゃないすか?」
「チクるぞ神戸。でもホントにどこ行ったんでしょうか、御厨センパイ」
「ああいう奴だからなぁ。悪ふざけなんか普通にやりそうだよな」
楠木は笑いながら言った。
「それにしても、御厨センパイ。どんな劇の脚本を書こうとしてたんですかね?」
「今んとこ情報はそれしかないんだけど、キャスティングも人物設定も何も聞いてないんだよ」
「へぇ、部長もご存じなかったなんて…」
「皆様、お楽しみの所申し訳御座いません」
執事風の使用人が言った。スーツケースを引っ張りながら。
「こちらのお荷物が、玄関先に置かれておりましたが、ご存じありませんか?」
楠木は首を傾げた。
「なぁ沢井。知らないか?」
「いや、僕は知らないな。神戸?」
「いや、翔子ちゃんは?」
「あたしも知らない、御厨センパイじゃないかしら?」
成程、御厨なら何か企んでサプライズをやりそうだ。大概の部員は皆そう思っていた。
「鍵がかかってるのかな?」
「いや、それはなさそうですね。おい謙也、開けてくれよ」
「え?僕ですか?」
「そうだよ。お前以外誰がいるんだ?」
誰でもいいよな、という言葉を飲み込むと、謙也はスーツケースを開いた。
開くと、何かがごろりと床に転げ落ちた。
「えっ…」
「嫌ぁっ!」
それは、人間の生首だった。
「ま、ま、待てよ!作り物だって!」
「そ、そうだよ!おい謙也!何とか言ってくれよ!」
「いっ、いっ…」
「……御厨」
「え?」
「御厨だよ。間違いなく御厨の生首だ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる