異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

120 森の祠とただの石?

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 コボルトと戦闘をこなしながら、エリアの中央付近を目指した。

 するとやはり、中央付近まで森が続いていた。


「なあアスト、エリアポータル、どうなってんのかねぇ・・・」

「さあ?それを探るのも醍醐味なんじゃないか?」

「・・・それもそうだな」


 ディアスも納得したようだ。
 しかし、町らしきものは見えるのに、一向に町へ近づけない。
 町の方向へ進んでいたはずが、気が付くと町の周囲をぐるぐると周っているのだ。
 実に不可思議な現象だ。

 そろそろ夕刻だし、探索続行か撤退かの判断をしなくてはならない。
 このままではログアウトすらままならなくなってしまうからな。


「・・・ん?おいアスト、あそこになんかあるぜ?」

「・・・本当だな。近づいてみるか」


 ディアスが見つけた何かに向けて歩いていく。
 すると、それがなんなのかは直ぐに分かった。


「緑色の・・・祠、か?」

「気づいたのは偶然だけどよ・・・如何にもって感じだよな?」


 こんな見つけ辛い場所に配置されたオブジェクトが何の意味も無いとは思えない。
 ディアスの言う通り、当たりと見て良さそうだ。


「んで?どうすればいいんだ、アスト?」

「おい。少しは自分で考えろ」


 頭脳タイプではない僕に丸投げはやめてくれ。

 ・・・いや、待てよ?
 何かそれっぽいアイテムがあった気がする。
 アイテムボックスからそのアイテムを取り出す。


【ただの石(?)】特殊アイテム レア度ー
 ただの石かもしれないし違うかもしれない。
 その真相は誰にも分からない。


 アイテムの名称やら何やらが変わっていた。
 この石は、コボルトアサシンやコボルトトラッパーの居る群れと戦った時に手に入ったアイテムだ。暗殺者の短剣や犬人罠士の工具と一緒にドロップした。
 最初は「(?)」の表記も無かったし、特殊アイテムでも無かった。レア度や説明も異なっていたし、本当にただの石だと思っていたのだ。

 数は二つしかないが、よく見れば石に小さな模様が描かれている。
 アサシンのドロップした石には・・・短剣?の模様。
 トラッパーのドロップした石には・・・パイプレンチ?の模様。


「ディア・・・脳筋、祠を調べろ」

「誰が脳筋だ!つか、何でわざわざ言い直した!?」

「いいから早く調べてくれ・・・・・・筋肉」

「脳すらなくなった!?」


 ディアスが五月蠅い。
 考える方を丸投げしたんなら、せめて肉体労働をしてくれ。

 ・・・あ、パイプレンチは工具か。
 コボルトアサシンのドロップは短剣と石(短剣の絵)があり、コボルトトラッパーのドロップは工具と石(工具の絵)がある、と。
 無関係とするには無理があるな。


「だが調べろと言われても・・・あ?
 ・・・おいアスト、ここ、何かおかしいぜ!」

「おかしい?ディアスの頭か?」

「違ぇよ!?ここだよ、ここ!!」


 そう言われてもな・・・。
 角度的にディアスが自分自身の頭を指してるように見えるんだよ。
 狙ってやってるのかと問い詰めたい。

 祠に近づいてディアスが指し示す場所を見ると・・・そこには、汚れに隠れて何かの模様が存在した。
 専用の布を取り出して汚れを落としにかかる。


「何でそんなモン持ってんだ・・・?」

「普通は汚れ落とし用の布ぐらい持ち歩くだろ?」

「いや・・・普通は持ち歩かねぇから」


 だったら剣や槍の手入れはどうやってやるんだよ。
 最初はゲームなんだし無駄だと思っていたが・・・今では趣味のようなものだ。
 愛着の湧いた武器は綺麗にしておきたいからな。

 ちなみに、手入れの対象は現在のところかなり少ない。
 焔牙の槍と水飛沫の槍、精霊の剣と硬牙の剣、虚焔猪狼の革鎧くらいだ。
 水精霊の杖は使ってないから汚れないだろうし、暗殺者の短剣はまだ分からん。

 いや、馬鹿にされてもおかしくないと思うが、どうしても、な。

 そうこう考えているうちに模様を覆っていた汚れは無くなり、綺麗になった。
 磨き布はボロ布になってしまったので、これからはこういう時用の布にしよう。

 それで、肝心の模様というか紋様は・・・短剣?

 ・・・なるほど。
 ピンとくるものがあったので、祠に石(短剣模様)を収めた。

 すると、祠が淡く光り始め、みるみるうちに綺麗になっていった。
 やはり、そういうことなんだな。


「アスト、どういうことだ、これ!?」

「はぁ・・・少しは自分で考えてくれよな・・・。
 簡単に言えば、この石と祠がセットで結界の役割を果たしているんだろう。
 結界の種類は恐らくとしか言えんが、方向誘導とかそんな感じじゃないか?」

「ははぁ・・・なるほどな」


 問題は、祠が一つだけじゃないということだ。
 工具の模様が描かれた石がある以上、最低でももう一つあると見ていい。
 この石がフェイクの役割を果たしているというだけの可能性もあるが・・・。
 ま、推測が正しいかどうかは、町を目指せば直ぐに分かるだろう。
 

「よし。行くぞ、ディアス。あまり時間はかけてられない」

「おう、次はエリア開放戦か!」


 こいつ、まだ分かってなかったのか。
 ちゃんと石は確認させたのに。

 ちゃんと考えればそこそこなのに、考えようとしないのがいけないのだろう。




 その後、エリアの中へ向かったが、やはりいつの間にか方向感覚が狂っていた。
 まだ他にも祠があるということだ。
 一つ目は中々見つからなかったが、あると確信して探せば見つかるだろう。

 日が暮れる前にエリアを開放できるだろうか・・・?

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