異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

138 レインと戦闘

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 ウェザリアに戻ると、入口にレインの姿があった。
 完全武装状態で準備万端のようだが、まだ待ち合わせまで三十分以上あるぞ?


「レイン、まだ時間には早いが、もう待っていたのか?」

「あ・・・それは、ですね・・・。集中力が長続きしないせいで作業が遅々として進まないので、早めに待っておこうかと・・・」

「なるほどな。だが、集中できないのはどうしてだ?何かあったのか?」

「へっ・・・!?
 い、いえ!一過性のものですから気にしないでくださいっ・・・!」


 首をブンブン振って、そう主張するレイン。
 急な動きに驚きはしたが、これはこれで可愛い。
 何故このゲームには写真機能が無いのだ・・・!

 ・・・あ、僕みたいな奴が居るからか。
 いや、本気で写真を撮ろうとは考えてないぞ?
 変質者ではあるまいに。

 しかし、一過性って・・・何事なのやら。


「まあ、それは良いんだが、このままだとしばらく暇だぞ?」

「色々な意味で待つことには慣れてますので、大丈夫です・・・!」

「はぁ・・・」


 色々な意味で、って・・・どういう意味だ。
 何故そんな意味深な言い方をするんだ、レインは。


「あー、どうせなら、今からデュエルでもするか?
 闘技大会の練習にもなるし。確かレインも個人戦に出場するんだよな?」

「はい、予選落ちになると思いますが、いい経験になりますから。
 もし相手になってもらえるのであれば、是非お願いします・・・!」

「ん、決まりだな。
 それじゃあ、倉庫の方に行こうか。倉庫の裏側に開けた場所があるし」

「はい!」


 いい笑顔だな、本当に。










 倉庫の方に来ると、アリアさんが倉庫の前で作業をしていた。


「・・・えっ?もうそんな時間になっていたの・・・!?」

「あ、いえ、違います・・・!私たちはPvPの練習をしようと思って・・・!」

「・・・そうだったの。時間に遅刻したのかと焦ったわ・・・」


 どうやら、僕とレインが遅いアリアさんを迎えにきたと思われたようだ。
 予想外のこととはいえ、ちょっと悪いことしたな。


「そういう訳ですので、裏手の広場をお借りしますね」

「ええ、どうぞ。私は表で、処理を終えた木を日に当てるから」


 倉庫の中を見ると、あれだけ大きかった老樹木の根幹がとても小さくなっていた。
 素材として使える部分はそんなところなのだろう。
 勿体ないと思ってしまうのは、僕が素人だからに違いない。

 前段階でこれほど手間が掛かるとは、生産は大変だな。
 いつか、錬金と料理にも似たような事態が訪れるのかもしれない。


「レイン、半減決着の賭けるもの無し、降参あり、でいいか?」

「はい、それでお願いします」


 闘技大会本番は全損決着だが、練習で死に戻りは勘弁なのだ。
 申請を出して・・・レインが受諾。

 カウントダウンが始まったので、その間に解析を使用。



 名前 レイン

 種族 人間 Lv19
 第一職業 中級服飾師 Lv11
 第二職業 土石魔法士 Lv5



 スケイルメイルの作製で大きく経験値を稼いだようだ。
 確か、作製に土魔法も使ったとかなんとか。

 レベル差は十以上あるし、幾らレベルによって増えるパラメーターが少ないとはいえ、負けたら恥ずかしいだろうな、これ。

 そんなことを考えている内に、決闘開始まで・・・3、2、1、決闘開始!


「いきます!クレイストーム!」

「ファイアストーム!」


 土と火の嵐はぶつかり合い、火魔法が土魔法を呑み込んだ。
 魔法攻撃力やら職業レベルやらを考えれば当然のことだ。


「えっ?きゃあっ・・・!」


 だが、レインには予想外の展開だったらしい。
 可愛らしい悲鳴を上げながら、火に呑み込まれた。
 自作らしい白色の魔法使い用ローブは、耐久値が設定されていたら大きく損耗していたことだろう。

 レインは対人戦の経験が殆ど無いので、魔法の打ち合いなんてしてこなかったんだろうな。
 そういう魔物だって決して多くはないし。

 僕だって滅多にやらない、というか、そうなる前に他の手を打つ。
 魔法の相殺は、見た目は格好良いけど酷く効率が悪いから。
 それでも必要に迫られた時はやるんだけど。


「ううっ・・・ストーンアップ!クレイアロー!」

「ん?フレイムアップ!流水!」


 フレイムアップで物理攻撃力を強化して、土の矢を受け流す。
 ストーンアップは土石魔法Lv1呪文アーツ『ストーンアップ』だよな?
 効果は、初期段階で物理防御力が約一割上昇だったはず。

 このタイミングで使う意味は・・・無いとも言い切れないか。
 現に僕が、レインに接近しているわけだし。

 時間に余裕が出来て、フレイムアップを最優先で使ったのは、このためだ。
 呪文やアーツは場合によって使うべきタイミングが変わるので難しい。


「あっ、ひゃっ!?」

「はい。勝負あり、でいいよな?」

「はい・・・!」


 アーツ名を言わずに放たれた、無詠唱(?)のパワースラストが心臓間近に突き付けられ、レインは降参を宣言した。
 それはいいのだが、悔しそうにしながらも目をキラキラさせるのはやめてほしい。
 嫌な気はしないが、非常にムズムズするのだ。

 なんといっても、今回は大したことをしていないし。
 一体、レインの目にはどのように映っていたのだろうか。

 真相は本人のみぞ知る、ということか。
 決闘の勝敗表示を眺めながら、そんなことを思った。

 さて、時間ギリギリまで、レインを鍛えるとしよう。
 次からは本気ではなく、教えることを主軸にな。

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