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一章 妖符師誕生編
10 悪霊退治について
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中位悪霊を封印してから眠りにつき、次に目を開いたのは明け方。
中途半端な寝方をしましたのに、目覚めはスッキリしています。
契約によって人間をやめかけている体に感謝です。
お泊りで寝坊は恥ずかしいですからね。
昨夜の中位悪霊についてですが、「私有地での悪霊退治」に当てはまります。
許可を取って退治するか、無許可で退治するかによって変わりますが、今回も場合は許可などとっていないので後者です。
前者は依頼を受けて退治するということが主ですね。
勿論、妖怪や悪霊の退治を依頼してくる人なんて居ないに等しいです。
大抵の場合、起こっている異変を霊の仕業だと考えず、他の原因だと思って解決依頼を出します。
まあ、霊を信じていて、それで悪霊退治を依頼する人も居ないではないですが。
どちらにせよ、霊以外の原因を適当にでっちあげて報告することになるかと。
話が逸れましたが、あやかし屋ではその手の依頼を受けています。
依頼など滅多にありませんが、その場合、依頼料を受け取ることになります。
まあ、簡単に言ってしまえば、便利屋か劣化万事屋みたいなものですね。
依頼の例を挙げると、具合が悪いので効く薬が欲しい、とか。
誰も悪霊の仕業とは思いませんよね、普通。
ちなみに、法的には問題ないとのこと。
何故なら、霊に関する法なんてありませんから。
それで、今回の件に戻りますが、依頼を受けたわけでは無いので後者。
私有地かつ無許可で退治と封印を行った場合は、特に何もありません。
何も知らせず、報酬も受け取らない。
言ってしまえばタダ働きです。
なにせ、私が突然「悪霊を退治したので報酬をください」などと言っても、良くて病院を紹介されるくらいでしょうから。
また、「旦那さんの体調不良の原因たる病原菌の温床を排除したので報酬以下略」と言っても到底理解されないでしょう。
家主が詳細を認識しておらず、依頼してもない問題を解決したところで、報酬を払ってくれるはずがありませんもの。
仮に報酬云々が無くとも首を傾げられるだけです。
悪ければやはり病院へ連れていかれます。
そういう訳で、私有地での無断悪霊退治は基本行われないのです。
私がそれをやった理由は主に三つ。
第一に、妖符を少しでも集めたかったから。
現状は<低位符>二枚だけという、心許ないなどというレベルではないのです。
第二に、戦闘経験を積みたかったから。
妖符師になりたての私が経験を積む機会を逃す手はありません。
第三に、沢渡製糸やあやかし屋のため。
取引先には順調に経営して頂けた方が、あやかし屋の利益になります。
それに・・・折角の友達を見捨てるのはちょっと・・・。
・・・はい、白状します。
最後のが一番大きな理由です。
残りは殆ど後付けと言ってもいいでしょう。
私も良い友達ができるかどうかは少々不安でしたので。
私自身、人付き合いが上手い方ではありませんし、少し人間から離れてしまいましたから、凪沙さんのような良い友達ができるかどうか・・・。
こう見えて、かなり小心者だと自覚しております。
最後に、凪沙さんのお父さんについてですが、こちらは様子見です。
回復するかどうかを確かめるために病院へ押しかけることもできませんから。
と、そんなことを考えている間に凪沙さんが目を覚ましました。
「んんっ・・・・・・あ、おはよう、若葉さん」
「うん。おはよう、凪沙さん」
凪沙さんはしきりに目を擦っていて、少しだけ寝覚めが悪い様子。
悪霊の金縛りが少しだけ影響したようです。
少しすれば気にならなくなるレベルですので問題はないかと。
「・・・・・・」
凪沙さんが首を傾げながら、じっとこちらを見つめています。
「・・・・・・どうかしたの、凪沙さん?」
「・・・ううん、何でもないよ。ただの気のせいだと思うから・・・」
その言葉に、ドキリとさせられました。
いえ、おかしな意味ではありませんよ?
ただ、夜中の出来事を体が覚えていて、何か感じるものがあったのかもしれないと思いまして。
気のせいと片付けてくれてよかったです。
「あっ、寝癖がついてる・・・!恥ずかしいからあんまり見ないで・・・!」
「えっ、その・・・・・・」
いけません。ここは何かフォローしなくては。
目を背けるだけでは髪形が変だと肯定するようなものです。
「えっと・・・・・・あっ、そこはかとなくいい感じの髪形だよ・・・!」
「そんななぐさめは要らないよっ!」
「ええっ・・・!?それじゃあ、とても独創的で個性的な髪形・・・!」
「若葉ッ!恥ずかしいからもうやめてっ!?」
ああ・・・フォローは失敗だったようです。
何がいけなかったのでしょうか・・・?
こういうことも妖怪書に書いてあればいいんですが・・・。
・・・あの世で両親が泣いているような気がしますが、きっと気のせいです。
あれ・・・?
今、名前を呼び捨てで呼ばれたような・・・?
中途半端な寝方をしましたのに、目覚めはスッキリしています。
契約によって人間をやめかけている体に感謝です。
お泊りで寝坊は恥ずかしいですからね。
昨夜の中位悪霊についてですが、「私有地での悪霊退治」に当てはまります。
許可を取って退治するか、無許可で退治するかによって変わりますが、今回も場合は許可などとっていないので後者です。
前者は依頼を受けて退治するということが主ですね。
勿論、妖怪や悪霊の退治を依頼してくる人なんて居ないに等しいです。
大抵の場合、起こっている異変を霊の仕業だと考えず、他の原因だと思って解決依頼を出します。
まあ、霊を信じていて、それで悪霊退治を依頼する人も居ないではないですが。
どちらにせよ、霊以外の原因を適当にでっちあげて報告することになるかと。
話が逸れましたが、あやかし屋ではその手の依頼を受けています。
依頼など滅多にありませんが、その場合、依頼料を受け取ることになります。
まあ、簡単に言ってしまえば、便利屋か劣化万事屋みたいなものですね。
依頼の例を挙げると、具合が悪いので効く薬が欲しい、とか。
誰も悪霊の仕業とは思いませんよね、普通。
ちなみに、法的には問題ないとのこと。
何故なら、霊に関する法なんてありませんから。
それで、今回の件に戻りますが、依頼を受けたわけでは無いので後者。
私有地かつ無許可で退治と封印を行った場合は、特に何もありません。
何も知らせず、報酬も受け取らない。
言ってしまえばタダ働きです。
なにせ、私が突然「悪霊を退治したので報酬をください」などと言っても、良くて病院を紹介されるくらいでしょうから。
また、「旦那さんの体調不良の原因たる病原菌の温床を排除したので報酬以下略」と言っても到底理解されないでしょう。
家主が詳細を認識しておらず、依頼してもない問題を解決したところで、報酬を払ってくれるはずがありませんもの。
仮に報酬云々が無くとも首を傾げられるだけです。
悪ければやはり病院へ連れていかれます。
そういう訳で、私有地での無断悪霊退治は基本行われないのです。
私がそれをやった理由は主に三つ。
第一に、妖符を少しでも集めたかったから。
現状は<低位符>二枚だけという、心許ないなどというレベルではないのです。
第二に、戦闘経験を積みたかったから。
妖符師になりたての私が経験を積む機会を逃す手はありません。
第三に、沢渡製糸やあやかし屋のため。
取引先には順調に経営して頂けた方が、あやかし屋の利益になります。
それに・・・折角の友達を見捨てるのはちょっと・・・。
・・・はい、白状します。
最後のが一番大きな理由です。
残りは殆ど後付けと言ってもいいでしょう。
私も良い友達ができるかどうかは少々不安でしたので。
私自身、人付き合いが上手い方ではありませんし、少し人間から離れてしまいましたから、凪沙さんのような良い友達ができるかどうか・・・。
こう見えて、かなり小心者だと自覚しております。
最後に、凪沙さんのお父さんについてですが、こちらは様子見です。
回復するかどうかを確かめるために病院へ押しかけることもできませんから。
と、そんなことを考えている間に凪沙さんが目を覚ましました。
「んんっ・・・・・・あ、おはよう、若葉さん」
「うん。おはよう、凪沙さん」
凪沙さんはしきりに目を擦っていて、少しだけ寝覚めが悪い様子。
悪霊の金縛りが少しだけ影響したようです。
少しすれば気にならなくなるレベルですので問題はないかと。
「・・・・・・」
凪沙さんが首を傾げながら、じっとこちらを見つめています。
「・・・・・・どうかしたの、凪沙さん?」
「・・・ううん、何でもないよ。ただの気のせいだと思うから・・・」
その言葉に、ドキリとさせられました。
いえ、おかしな意味ではありませんよ?
ただ、夜中の出来事を体が覚えていて、何か感じるものがあったのかもしれないと思いまして。
気のせいと片付けてくれてよかったです。
「あっ、寝癖がついてる・・・!恥ずかしいからあんまり見ないで・・・!」
「えっ、その・・・・・・」
いけません。ここは何かフォローしなくては。
目を背けるだけでは髪形が変だと肯定するようなものです。
「えっと・・・・・・あっ、そこはかとなくいい感じの髪形だよ・・・!」
「そんななぐさめは要らないよっ!」
「ええっ・・・!?それじゃあ、とても独創的で個性的な髪形・・・!」
「若葉ッ!恥ずかしいからもうやめてっ!?」
ああ・・・フォローは失敗だったようです。
何がいけなかったのでしょうか・・・?
こういうことも妖怪書に書いてあればいいんですが・・・。
・・・あの世で両親が泣いているような気がしますが、きっと気のせいです。
あれ・・・?
今、名前を呼び捨てで呼ばれたような・・・?
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