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一章 妖符師誕生編
13 悪霊になる瞬間
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翌日の朝。
雑貨店『あやかし屋』は無事にオープンしました。
当然、最初は閑古鳥が鳴く・・・と思っていたのですが。
「二千円お預かり致します。
・・・三百五十円のお返しです。ありがとうございました!」
「ありがと。色々大変だろうと思うけど、頑張ってね」
「はい、精一杯頑張らせていただきます・・・!」
以前からの常連であるお客さんが励ましてくださいました。
とても心温まるお言葉ですね。
「へぇ、ホントに安いわね・・・噂を聞いて見にきて良かったわ」
「良心的な価格で仕入れさせて頂いておりますから。
・・・百二十円のお返しになります。ご利用ありがとうございました!」
初めていらっしゃった主婦の方が鍋を購入していかれました。
丁度新しい物に買い替える予定だったそうで。
ちなみに、常連さんの情報であれば頭に入っています。
以前からよく手伝いをしていましたし、妖怪書にはその手の情報(半分くらい帳簿)も載ってしましたので。
「あ~お嬢さん、いつものアレをくれんかね。ほら、アレじゃよ」
「はい。山野さん、この湿布でよろしかったですか?」
「おお、それじゃよそれ」
あやかし屋には大抵のものが揃っていますので、湿布もあります。
勿論、総数で見れば無い物の数が圧倒的に多いですが。
それほど大きくない店ですから、それは仕方ありませんね。
「お姉ちゃん、これ頂戴!」
「はい、駄菓子ですね。全部で二百十六円になります」
「はい、どうぞ!」
「丁度頂きました。またのお越しをお待ちしております」
今のところレジに列ができる程ではありませんが、そうならない内に対策を用意しておくべきでしょうね。いざ問題が起きてから対処するのでは遅いですから。
レジ自体は拡張が容易ですが、人手の問題が・・・。
どこかに手が空いていて信用のおける人は居ないでしょうか・・・?
・・・そんな都合のいい話はありませんよね。
この日は一日中お客さんがやってきて、とても大変でした。
明日からは少し減ると思いますので、様子を見てお昼休みを設定しましょう。
二十一時に店を閉め、巡回の前に食事です。
昼も夜も食べていないので僅かに空腹を感じているのです。
睡眠同様に一日一食もあれば健康を維持できるのですが、三食までなら食べても悪影響は無いそうです。体力を使う巡回の前に、食事は必須でしょう。
しばらくは朝と夜遅くの二食が基本になりそうです。
「よく急な身体の変化に戸惑わず適応できるコンね・・・」
「フォーン、何か言った?」
「何でもないコン。今日も一緒に頑張るコン!」
フォーンが何か言ったような気がしたのだけど、気のせいだったみたい。
強化された五感もある程度集中しないと使えないからね。
普段から五感が強化されていたら日常生活に支障がありそう。
「ところでフォーン、油揚げとか食べてみない?」
「ボクは狐じゃないコン!妖怪に普通の食事なんて要らないコン!」
「まあまあ、そう言わずに」
「どうして若葉は時々物凄く物分かりが悪くなるコン!?」
だって、狐といったら油揚げだよ・・・!
嫌じゃないなら食べさせてみたいと思うのが人情・・・!
数分後。
「若葉・・・油揚げのお替わりが欲しいコン・・・」
「ダメ。一日一つまでだよ」
「若葉ぁ・・・!」
「うっ・・・そんな顔してもダメだよ・・・!」
フォーンは瞳をうるうるさせ、尻尾は元気なさそうに垂れ下がっています。
ううぅ・・・そんな可愛くされても駄目なものは駄目・・・!
「・・・・・・巡回が終わってから一つだけだよ」
「ありがとう若葉っ!」
フォーンの尻尾が三本ともブンブン振られていて可愛い。
家計簿に新項目が加わりそうですね。
まあ、フォーンに対する報酬だと思っておきましょう。
そういう契約とはいえ、何もしてあげられていませんし。
では、黒のロングコートを着用して、出発です。
「ねぇフォーン、幾ら何でも多過ぎじゃないかな・・・?」
<これは・・・明らかに異常事態だコン・・・>
巡回中に立ち寄ったとある空き地。
そこには、おびただしい数の低位霊が集っていました。
集まり始めてからまだ数分ですが、百は超えていると思います。
そして、それだけの数が集まれば、当然の如く起こってしまうことが。
<若葉!大量に低位悪霊へ変化するコン!気を引き締めるコン!>
低位霊の内の何体かが悪霊へ変化し、近くの低位霊を取り込み始めました。
少し離れた位置にいた霊は難を逃れて退散しましたが、かなりの数が分散して取り込まれたようです。
低位悪霊が肥大化し・・・中位悪霊へ変化。
この変化の途中で刺激を与えると大惨事になり得るそうなので手が出せません。
悪さをしない低位霊そのものに手を出すことも厳禁です。
彼ら彼女らは良い影響も齎しますので。
最終的には・・・四体の中位悪霊。
途中で手が出せないというのはこうも歯がゆいものなのですね・・・。
さて。これは気合を入れて死ぬ気で戦わねば・・・・・・死にますね。
雑貨店『あやかし屋』は無事にオープンしました。
当然、最初は閑古鳥が鳴く・・・と思っていたのですが。
「二千円お預かり致します。
・・・三百五十円のお返しです。ありがとうございました!」
「ありがと。色々大変だろうと思うけど、頑張ってね」
「はい、精一杯頑張らせていただきます・・・!」
以前からの常連であるお客さんが励ましてくださいました。
とても心温まるお言葉ですね。
「へぇ、ホントに安いわね・・・噂を聞いて見にきて良かったわ」
「良心的な価格で仕入れさせて頂いておりますから。
・・・百二十円のお返しになります。ご利用ありがとうございました!」
初めていらっしゃった主婦の方が鍋を購入していかれました。
丁度新しい物に買い替える予定だったそうで。
ちなみに、常連さんの情報であれば頭に入っています。
以前からよく手伝いをしていましたし、妖怪書にはその手の情報(半分くらい帳簿)も載ってしましたので。
「あ~お嬢さん、いつものアレをくれんかね。ほら、アレじゃよ」
「はい。山野さん、この湿布でよろしかったですか?」
「おお、それじゃよそれ」
あやかし屋には大抵のものが揃っていますので、湿布もあります。
勿論、総数で見れば無い物の数が圧倒的に多いですが。
それほど大きくない店ですから、それは仕方ありませんね。
「お姉ちゃん、これ頂戴!」
「はい、駄菓子ですね。全部で二百十六円になります」
「はい、どうぞ!」
「丁度頂きました。またのお越しをお待ちしております」
今のところレジに列ができる程ではありませんが、そうならない内に対策を用意しておくべきでしょうね。いざ問題が起きてから対処するのでは遅いですから。
レジ自体は拡張が容易ですが、人手の問題が・・・。
どこかに手が空いていて信用のおける人は居ないでしょうか・・・?
・・・そんな都合のいい話はありませんよね。
この日は一日中お客さんがやってきて、とても大変でした。
明日からは少し減ると思いますので、様子を見てお昼休みを設定しましょう。
二十一時に店を閉め、巡回の前に食事です。
昼も夜も食べていないので僅かに空腹を感じているのです。
睡眠同様に一日一食もあれば健康を維持できるのですが、三食までなら食べても悪影響は無いそうです。体力を使う巡回の前に、食事は必須でしょう。
しばらくは朝と夜遅くの二食が基本になりそうです。
「よく急な身体の変化に戸惑わず適応できるコンね・・・」
「フォーン、何か言った?」
「何でもないコン。今日も一緒に頑張るコン!」
フォーンが何か言ったような気がしたのだけど、気のせいだったみたい。
強化された五感もある程度集中しないと使えないからね。
普段から五感が強化されていたら日常生活に支障がありそう。
「ところでフォーン、油揚げとか食べてみない?」
「ボクは狐じゃないコン!妖怪に普通の食事なんて要らないコン!」
「まあまあ、そう言わずに」
「どうして若葉は時々物凄く物分かりが悪くなるコン!?」
だって、狐といったら油揚げだよ・・・!
嫌じゃないなら食べさせてみたいと思うのが人情・・・!
数分後。
「若葉・・・油揚げのお替わりが欲しいコン・・・」
「ダメ。一日一つまでだよ」
「若葉ぁ・・・!」
「うっ・・・そんな顔してもダメだよ・・・!」
フォーンは瞳をうるうるさせ、尻尾は元気なさそうに垂れ下がっています。
ううぅ・・・そんな可愛くされても駄目なものは駄目・・・!
「・・・・・・巡回が終わってから一つだけだよ」
「ありがとう若葉っ!」
フォーンの尻尾が三本ともブンブン振られていて可愛い。
家計簿に新項目が加わりそうですね。
まあ、フォーンに対する報酬だと思っておきましょう。
そういう契約とはいえ、何もしてあげられていませんし。
では、黒のロングコートを着用して、出発です。
「ねぇフォーン、幾ら何でも多過ぎじゃないかな・・・?」
<これは・・・明らかに異常事態だコン・・・>
巡回中に立ち寄ったとある空き地。
そこには、おびただしい数の低位霊が集っていました。
集まり始めてからまだ数分ですが、百は超えていると思います。
そして、それだけの数が集まれば、当然の如く起こってしまうことが。
<若葉!大量に低位悪霊へ変化するコン!気を引き締めるコン!>
低位霊の内の何体かが悪霊へ変化し、近くの低位霊を取り込み始めました。
少し離れた位置にいた霊は難を逃れて退散しましたが、かなりの数が分散して取り込まれたようです。
低位悪霊が肥大化し・・・中位悪霊へ変化。
この変化の途中で刺激を与えると大惨事になり得るそうなので手が出せません。
悪さをしない低位霊そのものに手を出すことも厳禁です。
彼ら彼女らは良い影響も齎しますので。
最終的には・・・四体の中位悪霊。
途中で手が出せないというのはこうも歯がゆいものなのですね・・・。
さて。これは気合を入れて死ぬ気で戦わねば・・・・・・死にますね。
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