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二章 高校入学編
29 出会いと入学式
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凛とは一度別れて凪沙さんを探していたのですが・・・道に迷いました。
いつの間にか来た道を見失い、裏庭のような場所に迷い込んでしまったのです。
方向音痴ではないと思うのですが、迂闊でした・・・。
しかし、必ずしも悪いことばかりではありません。
この裏庭(仮)は、桜の木が植えられていて、とても綺麗なんです。
とってもいい場所を見つけてしまいました・・・!
それにしても、大きな桜の木ですねぇ・・・。
と、その時、風が吹いて髪の毛が舞い上がってしまいました。
邪魔にならないように髪を抑えて・・・・・・おや?
桜の木の枝も風に揺れて、それにより私の居た場所からは見えなかった部分が見えるようになりました。
そこには、太い木の枝に乗って横になっている男性の姿が。
あ・・・目が合いましたね。
桜台高校の制服を着ていますから、学生さんでしょう。
例によって制服が綺麗なので、新入生の方だと思われます。
こんなところで何をしているのでしょうか・・・?
「あの・・・そんなに凝視されても、困ります」
「・・・ああ、すまん。悪気はない。許せ」
そう言って、プイと目を逸らされました。
そして、風が止んだことで再び視界を遮られました。
よくよく考えれば、見つめていたのは私も同じでしたね。
少し申し訳ないことをしました。
男性の方が見える場所まで移動。
「・・・・・・まだ何か?」
「はい。こちらこそ凝視してしまって済みませんでした」
「・・・別に気にしていない」
言葉少なげですが、お許しを頂けました。
木の上で寝ている男性は肩に掛からないくらいの黒髪で、絶えず無表情。
ですが、決して無感情という訳ではなさそうです。
中性的な顔立ちで、なんだか不思議な雰囲気のする方ですね・・・。
「ところで、こんなところで何をしているのですか?」
「・・・はぁ。見て分からないか?昼寝だ」
「まだ朝ですよ?」
「細かいことは気にするな。朝寝でも昼寝でも、どちらでもいい」
要するに、時間が空いた上、眠いので寝ているということですね。
確かに朝か昼かは関係ありませんでした。
「寝心地は如何ですか?」
「悪くはない。ここは風が心地いいからな」
「そうですか。私は真似出来なさそうですので、羨ましいですね・・・」
「そう言われてもな。俺は何もしてやれん」
ハッキリと言われてしまいました。
特に何かを求めるつもりもありませんでしたので、別に構いませんが。
と、あまり邪魔をしてはいけませんね。
そろそろ退散しましょう。
「それでは、私はもう行きますね。入学式に遅れないよう、お気をつけください」
「ああ。分かっている」
そして私は桜の木を後にしました。
さて、そろそろいい時間ですし、入学式の行われる体育館に行かなくては。
・・・・・・。
「すみません、体育館ってどちらにあるか分かりますか・・・?」
「・・・あっちだ」
「ありがとうございます・・・!」
迷子になっていたのをすっかり忘れていました。
今度こそ体育館へ向かいます・・・!
「・・・・・・変な奴だったな」
「私は変な奴ではありませんよっ!!」
「地獄耳かっ!」
不名誉なことを言われた気がしたので、遠くから反論しておきました。
あの方、ちゃんと感情が表に出るのですね。
あ、名前を聞き忘れました。
まあ、そのうちにまた会う機会もあるでしょう。
そう思うと、ちょっと楽しみですね。
「あっ、若葉!探してた人ってこの人だよね?」
「あはは・・・。いきなり捕まった時は驚いたよ・・・」
体育館に辿り着くと、そこには凛と凪沙さんがいました。
私よりも先に出会っていたようです。
話し振りから察するに、凛が私から聞いていた特徴と照らし合わせて確保したのでしょう。アグレッシブですね。
「凛、そんなに焦らなくとも、友達はちゃんとできると思うよ?」
「若葉っ!そんな意図は無いからね!?」
「凪沙さんも、友達ができないかもという不安が解決してよかったね?」
「若葉さんっ!そのことをばらさないでっ!」
誰しも心配することなのですから、恥ずかしがらなくともいいんですよ?
私だって、そういう悩みの一つや二つはありますから。
例えば、普通の高校生活を送れるのか、とか。
妖符師として生きることは決めましたが、普通の高校生活も経験したいですから。
それにしても、二人とも真っ赤になって可愛いらしいですね・・・。
「それでは、席に着きましょうか」
「「話を聞いてよっ!?」」
二人とも声を揃っていて、会ったばかりだというのに仲が良いですね。
・・・ちょっとだけ羨ましいです。
「―――であるからして、諸君らの成長を祈って、校長の挨拶とさせて頂きます」
「・・・はい、ありがとうございました。それでは、この後はクラスごとに分かれて移動していただきます。各クラスの担任の指示に従って移動したください!」
入学式が終わり、順番に各教室への移動が始まりました。
最初は一組からで、私の所属する二組は二番目です。
「先に一組が移動しますから、少しだけ待ってくださいね・・・!」
そう声を出したのは、二組の担任である女性の先生。
何といいますか、とても小柄な方で・・・ハッキリ言ってしまえば、とても背が低いです。百五十五センチメートルの私とそう変わらないくらいです。
百六十センチメートル近くある凛と同じくらいだと思います。
そんなことを思っている間に、順番がきました。
一年二組、12HRの教室は本校舎四階だそうです。
地味に遠いですね。
八クラス×三学年ですから、それも仕方ありませんね。
さて、ここから高校生活の幕開けです・・・!
「若葉さん、小さくガッツポーズしても目立つからね・・・?」
「あれ?」
いつの間にか来た道を見失い、裏庭のような場所に迷い込んでしまったのです。
方向音痴ではないと思うのですが、迂闊でした・・・。
しかし、必ずしも悪いことばかりではありません。
この裏庭(仮)は、桜の木が植えられていて、とても綺麗なんです。
とってもいい場所を見つけてしまいました・・・!
それにしても、大きな桜の木ですねぇ・・・。
と、その時、風が吹いて髪の毛が舞い上がってしまいました。
邪魔にならないように髪を抑えて・・・・・・おや?
桜の木の枝も風に揺れて、それにより私の居た場所からは見えなかった部分が見えるようになりました。
そこには、太い木の枝に乗って横になっている男性の姿が。
あ・・・目が合いましたね。
桜台高校の制服を着ていますから、学生さんでしょう。
例によって制服が綺麗なので、新入生の方だと思われます。
こんなところで何をしているのでしょうか・・・?
「あの・・・そんなに凝視されても、困ります」
「・・・ああ、すまん。悪気はない。許せ」
そう言って、プイと目を逸らされました。
そして、風が止んだことで再び視界を遮られました。
よくよく考えれば、見つめていたのは私も同じでしたね。
少し申し訳ないことをしました。
男性の方が見える場所まで移動。
「・・・・・・まだ何か?」
「はい。こちらこそ凝視してしまって済みませんでした」
「・・・別に気にしていない」
言葉少なげですが、お許しを頂けました。
木の上で寝ている男性は肩に掛からないくらいの黒髪で、絶えず無表情。
ですが、決して無感情という訳ではなさそうです。
中性的な顔立ちで、なんだか不思議な雰囲気のする方ですね・・・。
「ところで、こんなところで何をしているのですか?」
「・・・はぁ。見て分からないか?昼寝だ」
「まだ朝ですよ?」
「細かいことは気にするな。朝寝でも昼寝でも、どちらでもいい」
要するに、時間が空いた上、眠いので寝ているということですね。
確かに朝か昼かは関係ありませんでした。
「寝心地は如何ですか?」
「悪くはない。ここは風が心地いいからな」
「そうですか。私は真似出来なさそうですので、羨ましいですね・・・」
「そう言われてもな。俺は何もしてやれん」
ハッキリと言われてしまいました。
特に何かを求めるつもりもありませんでしたので、別に構いませんが。
と、あまり邪魔をしてはいけませんね。
そろそろ退散しましょう。
「それでは、私はもう行きますね。入学式に遅れないよう、お気をつけください」
「ああ。分かっている」
そして私は桜の木を後にしました。
さて、そろそろいい時間ですし、入学式の行われる体育館に行かなくては。
・・・・・・。
「すみません、体育館ってどちらにあるか分かりますか・・・?」
「・・・あっちだ」
「ありがとうございます・・・!」
迷子になっていたのをすっかり忘れていました。
今度こそ体育館へ向かいます・・・!
「・・・・・・変な奴だったな」
「私は変な奴ではありませんよっ!!」
「地獄耳かっ!」
不名誉なことを言われた気がしたので、遠くから反論しておきました。
あの方、ちゃんと感情が表に出るのですね。
あ、名前を聞き忘れました。
まあ、そのうちにまた会う機会もあるでしょう。
そう思うと、ちょっと楽しみですね。
「あっ、若葉!探してた人ってこの人だよね?」
「あはは・・・。いきなり捕まった時は驚いたよ・・・」
体育館に辿り着くと、そこには凛と凪沙さんがいました。
私よりも先に出会っていたようです。
話し振りから察するに、凛が私から聞いていた特徴と照らし合わせて確保したのでしょう。アグレッシブですね。
「凛、そんなに焦らなくとも、友達はちゃんとできると思うよ?」
「若葉っ!そんな意図は無いからね!?」
「凪沙さんも、友達ができないかもという不安が解決してよかったね?」
「若葉さんっ!そのことをばらさないでっ!」
誰しも心配することなのですから、恥ずかしがらなくともいいんですよ?
私だって、そういう悩みの一つや二つはありますから。
例えば、普通の高校生活を送れるのか、とか。
妖符師として生きることは決めましたが、普通の高校生活も経験したいですから。
それにしても、二人とも真っ赤になって可愛いらしいですね・・・。
「それでは、席に着きましょうか」
「「話を聞いてよっ!?」」
二人とも声を揃っていて、会ったばかりだというのに仲が良いですね。
・・・ちょっとだけ羨ましいです。
「―――であるからして、諸君らの成長を祈って、校長の挨拶とさせて頂きます」
「・・・はい、ありがとうございました。それでは、この後はクラスごとに分かれて移動していただきます。各クラスの担任の指示に従って移動したください!」
入学式が終わり、順番に各教室への移動が始まりました。
最初は一組からで、私の所属する二組は二番目です。
「先に一組が移動しますから、少しだけ待ってくださいね・・・!」
そう声を出したのは、二組の担任である女性の先生。
何といいますか、とても小柄な方で・・・ハッキリ言ってしまえば、とても背が低いです。百五十五センチメートルの私とそう変わらないくらいです。
百六十センチメートル近くある凛と同じくらいだと思います。
そんなことを思っている間に、順番がきました。
一年二組、12HRの教室は本校舎四階だそうです。
地味に遠いですね。
八クラス×三学年ですから、それも仕方ありませんね。
さて、ここから高校生活の幕開けです・・・!
「若葉さん、小さくガッツポーズしても目立つからね・・・?」
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