妖符師少女の封印絵巻

リュース

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二章 高校入学編

30 最初のホームルーム

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 教室に移動して、割り当てられた席へ座ります。
 右隣が凪沙さんだったのはとても嬉しいです。


「はい、皆さん席に着きましたね。それではホームルームを始めます」


 担任の先生がそう言いつつ、黒板に名前を書いていきます。
 よくよく見ると、まだ若いですね。後ろ姿、ボブカットの髪形が可愛らしいです。

 ・・・先生にそんな感想を持ってはいけませんね。


「私は笹川真紀です。このクラス、二組の担任を務めさせて頂きますのでよろしくお願いします。何か質問のある人はいますか?」

「はい!年は幾つですか?」

「年は二十八・・・って、女性に年を聞くものではありませんよ!」


 途中まで・・・いえ、最後まで答えたところで我に返ったようです。
 背が低いせいか、怒る姿はあまり怖くありません。寧ろ、子供が背伸びしているみたいに思えて可愛いです。

 誰もが似たようなことを思ったのか、微笑ましい雰囲気が教室を支配しました。
 質問をした男子生徒は、まさか答えてもらえると思っていなかったようで苦笑い。

 それにしても、二十八歳ですか・・・。
 もっと若く、それこそ二十歳くらいだと言われても納得しそうな容姿です。


「先生への質問は締め切ります!次です!」


 あちこちから温かい目を向けられたのが恥ずかしかったのか、あっという間に質問時間を切り上げてしまいました。
 私も聞きたいことがあったのですが・・・。


「次は皆さんに自己紹介をしてもらいます。出席番号一番の相川さんからどうぞ!」

「ええっ!いきなりですか!?
 えっと、相川愛華です。趣味は裁縫です。一年間よろしくお願いします!」

「はい、相川愛華さんですね。よろしくお願いします。では次の方、どうぞ」


 そうして一人ずつ順番に自己紹介していき、私の番です。


「初めまして。私は影山若葉です。趣味は読書。天涯孤独の身ですので、みなさん仲良くしてくださると嬉しいです」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」


 教室内に妙な空気が流れました。
 もしかして、何か失敗したでしょうか・・・?


「若葉さん、重いよ・・・!」


 凪沙さんが隣から原因を教えてくれました。
 でも、納得がいきません。


「私、そんなに重くはありませんよ?寧ろ軽い方です」

「体重の話じゃないよ!?話の内容が重いってこと!」

「あれ?」


 ちょっと勘違いしていたみたいです。失敗失敗。
 言われてみれば、ちょっと重い話だったかもしれません。

 ・・・教室の中から堪えきれない笑い声が僅かに漏れてきます。


「凪沙さん、笑われても気にしないで・・・!」

「私が笑われてるの!?違うよね!?若葉さんを笑ってるよね!?」


 次の瞬間、爆笑が教室を包みました。
 真紀先生は何とか笑いを噛み殺しています。流石は先生です。


「先生は流石ですね。見た目に惑わされてはいけないようです」

「んなっ!?」

「「「「ぶはっ!?」」」」


 皆さん噴き出しました。非常に息が合っています。


「ハハハハハッ!!それ、皆が思っても言わなかったやつ!確かに小さな見た目に惑わされたら駄目だよなっ・・・!」

「そこの男子生徒!藤井遊星くん!あとで職員室に来てください!」

「何で俺だけ!?」

「あなただけが明言したからに決まっています!」


 先生はプンスカしながら呼び出し宣告を行いました。
 男子生徒、藤井君はご愁傷さまです。


「影山さん、助けて!影山さんも先生のことちっちゃいと思ったよな!?」


 そんなことを尋ねられましたので、微笑みを浮かべて回答します。


「さて、何のことでしょうか?私には分かりかねます」

「その満面の笑みで堂々と嘘!?」

「嘘だなんてとんでもない。私は可愛らしいと思っただけですよ?」

「影山さんも後で職員室に来なさいっ!」

「あれ・・・?」


 何故でしょう・・・?
 小さいなどと一言も口にしていないのに・・・!
 心の中で思っただけなんです・・・!


「先生・・・!私、心の中でしか小さいだなんて言ってません・・・!決して小さいとは口に出していませんし、それに小さいというのは悪口でもなく、いい意味で小さいんです・・・!」

「分かりました、分かりましたから!小さい小さいと言わないでください!」








 その後、自己紹介は進み、全員紹介し終わりました。


「これで全員ですね。一部、キャラの濃い人も居ましたが、いい子ばかりですね」

「凪沙さん、キャラが濃いと言われてるよ?」

「私じゃないよ!若葉さんのことだよっ!」


 またまた、そんな嘘を吐かなくともいいのに。


「・・・一部不本意な要素はありますが、明るいクラスになりそうです。
 それでは、残りの時間を使って、必要なことを決めていきましょうか。
 まずは学級委員と各委員会ですね。資料を配布しますので回してください」


 委員会決めですか。図書委員とか、ありますかね・・・?

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