32 / 91
二章 高校入学編
32 営業努力
しおりを挟む
「影山さんがご両親のことを引きずっているだろうから上手くサポートしてやってほしい、と校長先生からも言われていましたが・・・そこのところ、どう思っているのか聞いてもいいですか?」
「はい。そうですね・・・最初は呆然自失状態でしたが、今はもう、落ち着いていると思いますよ?あくまでも自己評価ですので、実際のところは分かりませんが」
勿論悲しいことは悲しいですが、手紙に書いてありました。
私に幸せになってほしい、と。
それなのに私が悲しんでばかりいては、両親の方が悲しんでしまいます。
ですから、ひとしきり泣いた後は悲しむのを止めて、前に進みたいと思います。
やることは多いですし、大変な日々になりそうですが、充実した日々にもなりそうな予感がしています。
「そうですか・・・。
今日の様子から予想していましたが、余計なお世話だったようですね」
「いえ、余計ということはありません。純粋な善意からの心配は嬉しいものです」
「・・・影山さん、本当に高校生なんですか?」
「そうでなければここに居ないと思いますが・・・?」
私が高校生でなければ何だというのでしょうか。
誰がどう見ても普通の高校生だと思います・・・!
「あ、でも、笹川先生は生徒としても通えるかもしれませんね?」
「・・・影山さん、本当に職員室に来ますか?」
「遠慮させていただきます」
あまり時間を無駄にするのも嫌ですから、丁重にお断りです。
早く昼間に働ける店員さんを雇いたいですね・・・。
あ、でも、これだけは聞いておかなくてはなりません。
質問の時は聞けませんでしたから。
「ところで先生、一つお聞きしてもよろしいですか?」
「いいですよ?おかしな質問でなければ、ですが」
「いえ、おかしな質問ですけど聞かせてもらいますよ?」
「どうしてですかっ!そこは遠慮してください!」
そう言われましても、心当たりが無ければ変な質問になりますから。
心当たりがあったら・・・やはり変に思われますね。
「それでですね・・・」
「影山さんって人の話を聞かないんですね・・・!」
「最近身の回りでおかしなこと・・・怪奇現象とかが起きていませんか?」
「っ・・・!?」
おや・・・この反応は当たりかもしれませんね。
あまり自信は無かったので、ちょっと嬉しいです。
本当は喜んでいいことではないのですけれどね。
さて、どのように話を展開しましょうか。
「どうして、そんなことを聞くんですか・・・?」
「えっと・・・・・・何となく、そんな気配がしましたので」
「はぁ・・・」
何とも言えない表情をしていますね。
もしかして・・・埴輪の真似でしょうか?
・・・いえ、違いますね。驚いているだけのようです。
「もしもお困りのことがありましたら、ここまでどうぞ」
「これは名刺・・・『あやかし屋』?如何にもな名前ですね・・・」
「実態は雑貨屋さんですけれどね。一応相談とかも受けていますし、親の代ではそこそこ実績もあります。もうどうしようもないと思いましたら、駄目元でもいいですので、気軽に訪れてください。あ、しばらくは夜間営業になりますのでご注意を」
「・・・分かりました。一応頭の隅に入れておきます」
どうやら、上手くいったみたいです。
未来のお客様候補ですね。
「相談無料。解決費用は、状況次第。あやしいお店ではありません、よね・・・?」
「・・・・・・。」
「何故そこで目を逸らして沈黙するんですか!」
ご指摘はもっともなのですが、あやかし屋が妖しくないと言うのは、どうにもこうにも無理がありますからね。沈黙することしかできませんとも。
笹川先生に挨拶をして教室を後にしました。
昇降口まで来ると、そこには凛と凪沙さんが。
・・・何か話しているようですので、こっそり近寄ってみましょう。
「それで、凪沙はどうして若葉にさんづけなの?」
「あー、それはね・・・上手く言えないんだけど、その場の雰囲気に呑まれて?」
「確かに凄い人だとは思うけど・・・私にはよく分からないかも」
「あはは・・・。実は私も凛と一緒で、よくわかってないんだよね・・・」
どうやら私についての話をしているようです。
ちょっとむず痒いですね。
「ところでさ。凪沙って・・・ツッコミ上手いよね」
「その話はやめてよっ・・・!あれは咄嗟にやっただけなのっ・・・!」
「咄嗟であれだけできるって凄いと思うよ?」
「私もそう思います」
「凛、やめてってばっ・・・・・・え?」
凪沙さんと凛がこちらを振り向きました。
流石に会話に加わってしまえば気づかれますよね。
「若葉!?いつからそこに・・・!?」
「凪沙さんが、私のことを呼び捨てで呼びたい、と話していた時からだよ?」
「そんなこと言ってないよっ!!」
さて、高校一日目は無事に終了です。
待っていてくれた二人と一緒に帰りましょう。
これが、普通の学校生活なんですね・・・!
「ねえ若葉、聞いてるのっ!?」
「これは聞いてないね。多分自分の世界に入り込んでるよ」
「せめて誤解が解けてからにしてっ!!」
「はい。そうですね・・・最初は呆然自失状態でしたが、今はもう、落ち着いていると思いますよ?あくまでも自己評価ですので、実際のところは分かりませんが」
勿論悲しいことは悲しいですが、手紙に書いてありました。
私に幸せになってほしい、と。
それなのに私が悲しんでばかりいては、両親の方が悲しんでしまいます。
ですから、ひとしきり泣いた後は悲しむのを止めて、前に進みたいと思います。
やることは多いですし、大変な日々になりそうですが、充実した日々にもなりそうな予感がしています。
「そうですか・・・。
今日の様子から予想していましたが、余計なお世話だったようですね」
「いえ、余計ということはありません。純粋な善意からの心配は嬉しいものです」
「・・・影山さん、本当に高校生なんですか?」
「そうでなければここに居ないと思いますが・・・?」
私が高校生でなければ何だというのでしょうか。
誰がどう見ても普通の高校生だと思います・・・!
「あ、でも、笹川先生は生徒としても通えるかもしれませんね?」
「・・・影山さん、本当に職員室に来ますか?」
「遠慮させていただきます」
あまり時間を無駄にするのも嫌ですから、丁重にお断りです。
早く昼間に働ける店員さんを雇いたいですね・・・。
あ、でも、これだけは聞いておかなくてはなりません。
質問の時は聞けませんでしたから。
「ところで先生、一つお聞きしてもよろしいですか?」
「いいですよ?おかしな質問でなければ、ですが」
「いえ、おかしな質問ですけど聞かせてもらいますよ?」
「どうしてですかっ!そこは遠慮してください!」
そう言われましても、心当たりが無ければ変な質問になりますから。
心当たりがあったら・・・やはり変に思われますね。
「それでですね・・・」
「影山さんって人の話を聞かないんですね・・・!」
「最近身の回りでおかしなこと・・・怪奇現象とかが起きていませんか?」
「っ・・・!?」
おや・・・この反応は当たりかもしれませんね。
あまり自信は無かったので、ちょっと嬉しいです。
本当は喜んでいいことではないのですけれどね。
さて、どのように話を展開しましょうか。
「どうして、そんなことを聞くんですか・・・?」
「えっと・・・・・・何となく、そんな気配がしましたので」
「はぁ・・・」
何とも言えない表情をしていますね。
もしかして・・・埴輪の真似でしょうか?
・・・いえ、違いますね。驚いているだけのようです。
「もしもお困りのことがありましたら、ここまでどうぞ」
「これは名刺・・・『あやかし屋』?如何にもな名前ですね・・・」
「実態は雑貨屋さんですけれどね。一応相談とかも受けていますし、親の代ではそこそこ実績もあります。もうどうしようもないと思いましたら、駄目元でもいいですので、気軽に訪れてください。あ、しばらくは夜間営業になりますのでご注意を」
「・・・分かりました。一応頭の隅に入れておきます」
どうやら、上手くいったみたいです。
未来のお客様候補ですね。
「相談無料。解決費用は、状況次第。あやしいお店ではありません、よね・・・?」
「・・・・・・。」
「何故そこで目を逸らして沈黙するんですか!」
ご指摘はもっともなのですが、あやかし屋が妖しくないと言うのは、どうにもこうにも無理がありますからね。沈黙することしかできませんとも。
笹川先生に挨拶をして教室を後にしました。
昇降口まで来ると、そこには凛と凪沙さんが。
・・・何か話しているようですので、こっそり近寄ってみましょう。
「それで、凪沙はどうして若葉にさんづけなの?」
「あー、それはね・・・上手く言えないんだけど、その場の雰囲気に呑まれて?」
「確かに凄い人だとは思うけど・・・私にはよく分からないかも」
「あはは・・・。実は私も凛と一緒で、よくわかってないんだよね・・・」
どうやら私についての話をしているようです。
ちょっとむず痒いですね。
「ところでさ。凪沙って・・・ツッコミ上手いよね」
「その話はやめてよっ・・・!あれは咄嗟にやっただけなのっ・・・!」
「咄嗟であれだけできるって凄いと思うよ?」
「私もそう思います」
「凛、やめてってばっ・・・・・・え?」
凪沙さんと凛がこちらを振り向きました。
流石に会話に加わってしまえば気づかれますよね。
「若葉!?いつからそこに・・・!?」
「凪沙さんが、私のことを呼び捨てで呼びたい、と話していた時からだよ?」
「そんなこと言ってないよっ!!」
さて、高校一日目は無事に終了です。
待っていてくれた二人と一緒に帰りましょう。
これが、普通の学校生活なんですね・・・!
「ねえ若葉、聞いてるのっ!?」
「これは聞いてないね。多分自分の世界に入り込んでるよ」
「せめて誤解が解けてからにしてっ!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる 「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?
あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】
世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。
「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。
・神話級ドラゴン
⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺)
・深淵の邪神
⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決)
・次元の裂け目
⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い)
「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」
本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……?
「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー!
【免責事項】
この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
※こちらの作品は、カクヨムと小説家になろうでも公開しています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる