異世界隠密冒険記

リュース

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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編

お祭りと武闘大会

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 序列1位の魔人について聞いて、思う所のあったクロト。


 この先、関わるかは微妙なので、頭の隅に置いておくに留めることにした。



 ミレアイルドで買い物をした後で、王都へ戻った二人。


 残る法理の種を手に入れれば、一区切りつく素材集め。

 だが、法理の種が手に入るのはおよそ三か月後。

 クロトは、それまで何をして過ごすのかを考え始めた。


 とりあえず、久しぶりにステータスを開いてみた。






名前 クロト・ミカゲ
種族 人間(?)
性別 男性 
年齢 18
レベル 97
HP  3750
MP  3580
筋力  1802
防御力 1803
魔力  1785
速力  2167
幸運    65


ユニークスキル
隠密者ー気配遮断5/5ー暗殺  3/3
                  \
   ー魔力遮断5/5ー魔法遮断3/3ー暗殺魔法2/2 
                  \      \
   -存在遮断5/5ー存在創造3/3ー魔法存在2/2ー必殺の一撃1/1
                             
   -????



始祖天剣術・速7


レアスキル
天の瞳10 天眼10 天の叡智10 天感8 天法術10 天界突破6


スキル
言語理解8 格闘術8 アイテムボックス10 生活魔法9
解体10 魔力強化10 連携10 闇魔法7 生命強化8
筋力強化8 防御力強化7 速力強化10 幸運強化7 

スキルポイント 残り51





 いろいろと変わっている所はある。

 だが、最初に言うべきことは決まっている。



(・・・人間(?)って、なんなの?喧嘩売ってるの?)



 クロトは珍しく、怒りをあらわにしたのだった。




(はぁ・・・。それはさておき、レベル、上がらないね・・・。)


 二人がかりとはいえ、レベル90越えの堕天使を三体倒したのだ。

 それでも、レベルの上昇は97どまり。

 別に急ぐ訳では無いのだが、焦らされている気分になるようだ。


 クロトはステータスを閉じて、宿のベッドで眠りについた。




 翌日の朝、ライトから面白い話を聞いた。



「お祭りと武闘大会?」

「ああ。今度、開催されるらしいぜ?」


 ライトの話では、一週間後に、王都でお祭りが開催されるらしい。

 開催期間は5日間で、そのメインイベントの1つが武闘大会なのだとか。


「この時期にお祭りなんて、初めて聞いたんだけど?」


 すでに王都には1年近く居るが、そんな話は聞いたことが無い。

 それを疑問に思って、ライトに尋ねてみた。


「そりゃそうだ。毎年恒例じゃなく、今回限定の盛大な祭りみたいだからな。」


 どうやら、表向きは感謝祭で、本当は王城開放などを祝ったお祭りのようだ。

 それを知っているのは、一部の人間だけだが。


(お祭りか・・・丁度いいし、リンカを連れてこようかな?)


 いまや、永遠の眠り亭の立派な看板娘、リンカ。

 日本人としても、祭りに行ってみたい気持ちはあるだろう。

 そう思い、リンカを誘うことに決めたクロトだった。


 そして、武闘大会の方なのだが・・・


「なんだ、出ないのか?」

「うん。興味ないからね。」


 やはり、この手のイベントには出たがらないクロトであった。



 ちなみに、武闘大会には、梟の止まり木亭の面子も参加する。

 ライトにカレン、ナツメ、ヴィオラ、あと、レファイスも参加だ。

 不参加はクロトだけとなった。







 そんなわけで、ドレファトの町へ戻って来た。



「お祭り、ですか?」

「ああ。来週開催されるから、よかったらどうかと思ってね。」

「えっと・・・。」


 リンカは、永遠の眠り亭の女将さんの方を見る。

 近くで話を聞いていた女将さんは、鷹揚に頷いた。


 それを見たリンカは、嬉しそうに返事をした。


「できれば、行ってみたいです・・・!」





 一週間後に迎えに来ることを伝えて、永遠の眠り亭を後にしたクロト。


 冒険者ギルドへ向かい、ギルドマスターのアリスと面会する。



「こうして会うのは久しぶりね?中々会いに来てくれないから、寂しかったわ。」


 アリスが冗談めかして、そんなことを口にする。


「すみませんでした。もう少し頻繁に会いに来るようにします。」


 クロトは、魔人についての報告頻度を申し訳なく思い、謝罪した。


「っ!?・・・そ、そう。それは嬉しいわね。」


 申し訳なさそうにしながら、少しだけ微笑んだクロトの表情。

 それを見て、心臓が跳ねるアリス。

 ドキドキと激しく脈打つ心臓を抑えつつ、本題について尋ねた。





「じゃあ、王都については、もう心配はいらないのね?」

「ええ。序列1位の魔人については不明ですが、とりあえずは。」


 王城奪還作戦について話したクロト。

 アリスは胸を撫でおろした。


「そう・・・。これで一安心ね。」

「よろしければ、王都のお祭りに来ますか?」


 アリスのことも誘っておくクロト。


「あら、それはデートのお誘いかしら?」


 スカートからのびる綺麗な足を組み替えながら、クロトに尋ねる。

 前回よりも、更に色っぽさが増している。


「いえ。そういうわけではありませんよ。」


 それを平然と受け流すクロト。

 また、クロトは首を傾げながらも、こう言った。


「アリスさんは、僕とデートしたかったんですか?」

「っ!?・・・い、いえ。そういう訳では無く、ただの冗談よ。」


 そして、クロトが意図せず放ったカウンターを喰らって動揺するアリス。

 
「ああ、なるほど。ただの冗談でしたか。察しが悪くてすみません。」

「き、気にしないで頂戴。分かり辛い言い方をした私も悪いんだから。」

「そうですか・・・?」


 その後、クロトは執務室を後にした。


 それを見送ったアリスは・・・


「私、空回りしてばっかりよね・・・。」


 大きなため息を吐いたのだった。


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