288 / 600
第二部「創世神降臨」編
プロローグ17
しおりを挟む
「創世連閃・神断!」
「GYAAAAAA!!」
クロトは赤いドラゴンに、絶対遮断を纏った四連撃を繰り出した。
だが、ダメージは僅かなもの。
「やっぱり無理か・・・。二百五十六式魔法陣『停滞世界』・・・発動!」
「GYAAA!?」
クロトはドラゴンの足止めをして、何とか撤退を完了させた。
出口から出て、戻って来た場所は、全極の島の中間部。
「はぁ・・・。外側の世界は、流石にまだ無理、か・・・。」
クロトは、思わずそう呟かずには居られなかった。
「まあ、鱗が手に入っただけでも上出来かな?」
開かれたその手には、赤い鱗が少々。
名称は、深紅龍の鱗。
クロトは疲れ切った体を動かし、近くに居た天帝を瞬殺。
家に帰り、ぐっすり眠ったのだった。
クロトのレベルは115のまま、ヘキサアイズ戦以来、変化していない。
経験値上昇の装備があってもそうなのだから、無かったら大変だ。
焦っていた訳でも無いが、腕試しとばかりに外側の世界へ。
そして、境界付近で最初に遭遇したドラゴンに勝てず、撤退。
情けなく思えるかもしれないが、傷一つないのは奇跡的だろう。
今回はあくまで情報収集と偵察。
初めから勝つつもりも無かったので、仕方が無い面もある。
全力で戦えば深紅龍には勝てたかもしれないが、その後が続かない。
ぶっ倒れているところに別の敵が来たら、死亡は確定。
到底、そんなリスクは冒せない。
アクアやエメラたちに運んでもらう、という手は使えない。
新たに分かったことだが、クロト以外は外側の世界へ入れなかったのだ。
原因は不明だが、レベルではないかと当たりを付けている。
また、外側の世界と内側の世界を超える転移は出来ない。
そんな訳で、安全第一の偵察だったということだ。
クロトは、まだまだ先が長いことに喜びを覚えた。
クロトが旧レモニア領から帰って来て一週間。
クロトが目覚めてからは、約四か月ほど。
二日前、中々に刺激的な経験をしたクロトは、王都の梟の止まり木亭に居た。
「ライト、生きてたんだ?」
「久しぶりに顔を合わせたってのに、随分な挨拶だな・・・。」
梟の止まり木亭の看板娘、セレンとの新婚旅行を終えて帰って来たライト。
久しぶりに会ったクロトの挨拶がそれでは、呆れたくもなるだろう。
「それで、セレンの姿が見えないけど、旅行中に振られたの?」
「振られてねぇよ!?縁起でもないこと言わないでくれ!」
新婚旅行中に振られるなど、冗談にしても笑えない。
「じゃあ、他に恋人でも出来た?」
「・・・・・・。」
「・・・図星みたいだね。」
ライトの何とも言えない表情から、一瞬で判断した。
「・・・参考までに、何故そんな予想が出来たのか聞いてみてもいいか?」
今後の参考にしたいというのは本心の様だ。
クロトは仕方なく、教えてあげることに。
「さっきセレンが、見知らぬ女性と歩いているのを見たからだよ?」
「最初から分かってたのかよっ!?じゃあ何で振られたか聞いたんだ!?」
「不誠実なライトの反省を促そうかと。」
「クロトにだけは言われたくねぇぞ!?」
「ごもっともで。」
まあ、自分の事と関係なく、ライトのためを思っての忠告なのだが。
ライトもそれは理解しているようで、本気で怒ってはいない。
寧ろ、猫なで声でアドバイスを求めて来た。
「な、なあクロト。どうしたらお前みたいに、軋轢を生まずに済むんだ・・・?」
「どう、と言われても・・・特別な事なんてしてないよ・・・?」
「なん・・・だと・・・!?」
大口を開けて愕然とするライト。
本気で、何か秘訣があると思っていたらしい。
そんなものは何処にも無いのに、と呆れるクロト。
もっとも、クロトが当然の如くやっていることが、それだったりするのだが。
例えば、毎回誠心誠意、頭を下げて謝罪する、とか。
他にも、なるべく恋人間で差を作らない、とか。
「クロト!隠してないで教えてくれ・・・!」
「いや、本当に無いから・・・。」
藁にもすがる思いでクロトに縋るライト。
男に縋られても嬉しくなど無いので、押しのけるクロト。
「・・・何か問題でも起こってるの?」
先程見掛けたところ、それほど問題があるようには思えなかった。
そのため、事情を問いただす。
「それは、だな・・・・・・。」
自分の恥を晒すようで話しづらそうな様子。
だがライトは、少しだけ口ごもった後、ぽつぽつと答え始めた。
「あれは、旧王都、現ブルータルの町へ向かう途中だったな・・・。」
「GYAAAAAA!!」
クロトは赤いドラゴンに、絶対遮断を纏った四連撃を繰り出した。
だが、ダメージは僅かなもの。
「やっぱり無理か・・・。二百五十六式魔法陣『停滞世界』・・・発動!」
「GYAAA!?」
クロトはドラゴンの足止めをして、何とか撤退を完了させた。
出口から出て、戻って来た場所は、全極の島の中間部。
「はぁ・・・。外側の世界は、流石にまだ無理、か・・・。」
クロトは、思わずそう呟かずには居られなかった。
「まあ、鱗が手に入っただけでも上出来かな?」
開かれたその手には、赤い鱗が少々。
名称は、深紅龍の鱗。
クロトは疲れ切った体を動かし、近くに居た天帝を瞬殺。
家に帰り、ぐっすり眠ったのだった。
クロトのレベルは115のまま、ヘキサアイズ戦以来、変化していない。
経験値上昇の装備があってもそうなのだから、無かったら大変だ。
焦っていた訳でも無いが、腕試しとばかりに外側の世界へ。
そして、境界付近で最初に遭遇したドラゴンに勝てず、撤退。
情けなく思えるかもしれないが、傷一つないのは奇跡的だろう。
今回はあくまで情報収集と偵察。
初めから勝つつもりも無かったので、仕方が無い面もある。
全力で戦えば深紅龍には勝てたかもしれないが、その後が続かない。
ぶっ倒れているところに別の敵が来たら、死亡は確定。
到底、そんなリスクは冒せない。
アクアやエメラたちに運んでもらう、という手は使えない。
新たに分かったことだが、クロト以外は外側の世界へ入れなかったのだ。
原因は不明だが、レベルではないかと当たりを付けている。
また、外側の世界と内側の世界を超える転移は出来ない。
そんな訳で、安全第一の偵察だったということだ。
クロトは、まだまだ先が長いことに喜びを覚えた。
クロトが旧レモニア領から帰って来て一週間。
クロトが目覚めてからは、約四か月ほど。
二日前、中々に刺激的な経験をしたクロトは、王都の梟の止まり木亭に居た。
「ライト、生きてたんだ?」
「久しぶりに顔を合わせたってのに、随分な挨拶だな・・・。」
梟の止まり木亭の看板娘、セレンとの新婚旅行を終えて帰って来たライト。
久しぶりに会ったクロトの挨拶がそれでは、呆れたくもなるだろう。
「それで、セレンの姿が見えないけど、旅行中に振られたの?」
「振られてねぇよ!?縁起でもないこと言わないでくれ!」
新婚旅行中に振られるなど、冗談にしても笑えない。
「じゃあ、他に恋人でも出来た?」
「・・・・・・。」
「・・・図星みたいだね。」
ライトの何とも言えない表情から、一瞬で判断した。
「・・・参考までに、何故そんな予想が出来たのか聞いてみてもいいか?」
今後の参考にしたいというのは本心の様だ。
クロトは仕方なく、教えてあげることに。
「さっきセレンが、見知らぬ女性と歩いているのを見たからだよ?」
「最初から分かってたのかよっ!?じゃあ何で振られたか聞いたんだ!?」
「不誠実なライトの反省を促そうかと。」
「クロトにだけは言われたくねぇぞ!?」
「ごもっともで。」
まあ、自分の事と関係なく、ライトのためを思っての忠告なのだが。
ライトもそれは理解しているようで、本気で怒ってはいない。
寧ろ、猫なで声でアドバイスを求めて来た。
「な、なあクロト。どうしたらお前みたいに、軋轢を生まずに済むんだ・・・?」
「どう、と言われても・・・特別な事なんてしてないよ・・・?」
「なん・・・だと・・・!?」
大口を開けて愕然とするライト。
本気で、何か秘訣があると思っていたらしい。
そんなものは何処にも無いのに、と呆れるクロト。
もっとも、クロトが当然の如くやっていることが、それだったりするのだが。
例えば、毎回誠心誠意、頭を下げて謝罪する、とか。
他にも、なるべく恋人間で差を作らない、とか。
「クロト!隠してないで教えてくれ・・・!」
「いや、本当に無いから・・・。」
藁にもすがる思いでクロトに縋るライト。
男に縋られても嬉しくなど無いので、押しのけるクロト。
「・・・何か問題でも起こってるの?」
先程見掛けたところ、それほど問題があるようには思えなかった。
そのため、事情を問いただす。
「それは、だな・・・・・・。」
自分の恥を晒すようで話しづらそうな様子。
だがライトは、少しだけ口ごもった後、ぽつぽつと答え始めた。
「あれは、旧王都、現ブルータルの町へ向かう途中だったな・・・。」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。