異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

ヴォルケーノ大火山の異変

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 ヴォルケーノ大火山。

 それは、世界七大危険地帯の一角。

 数十年に一度のペースで大噴火を起こす、危険な火山。








「なるほど。それで僕に調査を依頼したい、と?」

「ああ。端的に言えば、そうなるな。」


 クロトはグリーンフォレスト邸でアルフォンスから話を聞いていた。

 同席しているのは、シンクレア王国国王のバーン、第一王女のインフィア。

 そして、エメラである。

 宰相は忙しいので欠席とのこと。


「にしても、噴火の前兆があるとは。確か、まだしばらく先の話でしたよね?」

「ああ。前兆が現れるにしても、数年は先だったはずなのじゃが・・・。」


 バーンやアルフォンスからすれば、予想外もいいところらしい。

 そこで、クロトに調査を依頼したい、と。


(カリスの侵攻が影響したのか、それとも他の要因か・・・。)


 現段階では確かなことは分からない。

 興味はあるので、依頼を受けるにやぶさかではないクロト。


 ただ、依頼するとなると、当然必要なものがある訳で・・・。


「それで、依頼料については?」

「「・・・・・・。」」


 バーンとインフィアが視線を交わす。

 クロトは嫌な予感がしたが、とりあえずは聞いてみることに。


「それなんじゃが・・・娘のインフィアを嫁に・・・」

「あ、いりませんので結構です。」


 予想通りだったので、言い切る前にお断りの言葉を挟んだクロトであった。





 即答で拒絶されて、女としてのプライドが粉々になって、落ち込むインフィア。

 エメラはそんなインフィアをなぐさめている。


「ううっ・・・。いくら政略結婚とはいえ、即答で拒絶されるなんて・・・。」

「ん・・・。インフィ・・・しっかり、して・・・?」

「エメラさん・・・!」


 インフィアはキラキラした目でエメラを見る。


「ん・・・。クロト、は・・・正直、な・・・だけ、だから・・・。」

「うわぁぁぁぁんっ!?」


 エメラが天然でとどめを刺した様子を尻目に、クロトはバーンへ問いただす。


「それで、どうしてそんな提案を?」

「それがの・・・他に差し出せるものが何も無いんじゃよ・・・。」

「シンクレア王国は、実質クロトの私有地みたいなものだからな・・・。」


 バーンとアルフォンスが情けない表情で訳を説明した。





 さかのぼること半年。

 シンクレア王国は魔王の侵略によって、事実上の崩壊を迎えた。

 王都シンクレアとグリーンフォレスト領を残して、残りは壊滅したのだ。


 そんな中、ミカゲ財閥が、復興を最初から最後まで独力で行った。

 一応シンクレア王国の名前は残っているが、事実上はクロトの支配地だ。


 仮に、シンクレア王国上層部がクロトと敵対したら、結果は明らか。

 住民は一人残らずクロトの側につくだろう。

 復興の際に行われた炊き出しなどの恩は、それほどに大きい。


 王都はクロトによってギリギリで救われたので、やはりクロトの味方。


 グリーンフォレスト領も、やはり似たようなものだ。

 森皇帝の一件でも多大な恩があり、世界を救った英雄。

 エメラの伴侶ともなれば、当然味方。


 とはいえ、クロトは王になる気など無いので、一応は国王の統治下にある。

 だが、実質はクロトの支配地、ということだ。


 



「つまり、支配地にある物を報酬に提示するというのは理屈に合わんのじゃよ。」

「そこで、王女殿下との婚約が話に上がったということだ。」

「・・・なるほど。」


 律儀な話だな、とクロトは思った。


「インフィアには事前に説明して、許可も貰ってあったんじゃが・・・。」

「まあ、国の為ともなれば、断れないでしょうね・・・。」


 クロトはそう思ったが、事実は少し違う。


 インフィアは、躊躇いはあったものの、嫌々という訳では無い。

 大好きなエメラの恋人なのだから、嫌悪感の類は欠片も無かったのだ。


 それに、一度は捨てた命なのだし、救ってくれた人のものになるのも悪くない。

 クロトなら、その辺の男よりも余程良いのは間違いないのだから。


 もっとも、好きかと聞かれれば、それは違うと断言できるのだが。


「・・・まあ、そういうことなら、貸し一つで引き受けますよ。」


 シンクレア王国内に欲しい物など無い(既に回収済み)ので、そう告げた。


「おお、そうか!感謝するぞ、クロト!」

「話が纏まって何よりじゃ。インフィアを嫁に出さずに済んだ・・・。」


 かくして、ヴォルケーノ大火山の調査を行うことに決まったのだった。








「ところでエメラ、何してるの・・・?」

「ん・・・?インフィ、を・・・なぐさめて、た・・・?」

「虐めてるの間違いじゃなくて?」


 クロトの視線の先には、エメラの天然による攻撃を受け、瀕死のインフィアが。

 エメラも状況は理解しているのか、やや表情に焦りが見える。


 インフィアが可愛そうなので、クロトは良いものをあげることに。


「インフィア、これをあげるから元気を出して?」

「ううぅ・・・・・・っ!?ありがとうございます、クロトさん!」


 インフィアはクロトから受け取った物を確認すると、すぐさま元気になった。

 果たして、何をもらったのだろうか。

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