異世界隠密冒険記

リュース

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第三部「全能神座争奪戦」編

回復と出発前

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 クロトは三十分程シロナの膝枕を甘んじて受け入れ、完全回復した。

 膝枕をされている間ものんびりしていたのではなく、シロナから様々な話を聞いてこれからの動きについて考えていた。

 アウターワールドは大きく分けて七つのエリアから成立している。

 今クロトたちが居る中心区画<白の領域ノーマルエリア
 北側に存在する<赤の領域レッドエリア
 南西に存在する<青の領域ブルーエリア
 南東に存在する<黄の領域イエローエリア
 赤と青の領域に挟まれた<紫の領域パープルエリア
 青と黄の領域に挟まれた<緑の領域グリーンエリア
 黄と赤の領域に挟まれた<橙の領域オレンジエリア


「――――と、<白の領域>は、何というか・・・ドーナツ型? をしてるよ。」

「ドーナツの中央部には内側の世界、かな?」

「その通り!流石はクロト、理解が早いねっ!」

「シロナの頭が足りないだけなんじゃない?」

「ひどぅいっ!?」


 そして、白以外の領域は全て三層構造。
 例えば・・・<赤の領域>ならば、中心に近い方から
 <レッド>・<深紅クリムゾン>・<超深紅ダーククリムゾン>に分かれている。

 危険度でいえば、パーティーやクランであることが前提で、
 <赤>がレベル100~125くらい。
 <深紅>がレベル125~150くらい。
 <超深紅>がレベル150~???くらい。


「まあ、<超深紅>は本当にヤバいところだから、レベル150だと即死だね。」

「シロナは行ったことがある、と?」

「数える程しか行ってないけどね。碌に探索も出来ずに逃げ帰ったよ~。」


 シロナから教えてもらった情報に、クロトは心穏やかではない。


(万が一みんながそのエリアに落ちたら・・・一巻の終わりかな? それ以前に、墜落死している恐れすらあるんだけど・・・。)


 とはいえ、それは考えても仕方のないことだ。
 クロトもそれは分かっているので、現段階では無事だと仮定して考えを進める。


「シロナ、こんなことを言うのはアレなんだけど・・・」

「あ、大丈夫大丈夫!クロトの恋人のことだよね?話を聞いたときには自然とから、並大抵の脅威であれば、上手く回避できるはずだよ?」


 もう一度強く願っておくけどね! と続け、シロナはクロトの恋人が無事であることを願った。


「ん・・・ありがとう、シロナ」


 クロトは頼む前から行動していてくれたことを感謝した。
 おかげで、心の余裕を取り戻すことにも成功する。

 感謝を受けたシロナは・・・しばし沈黙。


「・・・・・・はっ!?クロトがデレたっ!?」

「――――ここで一度死ぬかい、シロナ?」

「だってだって!あのクロトが私にっ、そんな真正面からお礼を言うなんてっ!?」

「・・・そんなに嫌な奴だっけ、僕。」


 クロトはシロナの言に眉を顰めるも、一応昔のことを思い出してみた。
 まさか、まともにお礼も言わないような人間だったとは思いもせず・・・。


(シロナにお礼を言った記憶は・・・無い。というより、お礼を言う機会そのものが無い・・・。何というか、一蓮托生みたいな感じだったからね・・・。)


 今の自分と照らし合わせるに、どうにも自分の記憶を信じ難いクロト。
 だがとりあえず、感謝の想いを抱かなかった訳ではないのは分かったようだ。

 この齟齬は、この世界に来てから少し変わったということなのかもしれない。

 そんな感じのことをシロナに伝えた。


「ふむふむ、クロトも変わったよねぇ。でも・・・昔のクロトも大好きだけど、今のクロトはもっと好きだよ?」

「シロナはあまり変わってないね。そうやって恥ずかしげもなくそういうことを言うところとか、さ。」

「いやいやいや、私だってところどころ変わってるよ?」

「それでも、根っこの部分は同じだよね。」

「それを言うならクロトだってそうじゃん!」


 シロナは膝枕をしているクロトの頬をムニムニと弄る。
 ・・・クロトは変顔をさせられても中性的な美形のままであった。


「シロナ、やめて・・・」

「むぅ・・・相変わらず綺麗でスベスベな肌・・・。そして女顔で痛ああっ!?」


 太腿を抓られたシロナは悲鳴を上げた。
 抓ったクロトは不機嫌そうにしている。


「シロナ、僕の嫌いなこと、知ってるよね?」

「痛い痛い痛いっ!!女顔って言ったのは謝るから許してよっ!」

「痛いなら逃げればいいのに・・・。」

「え?それだとクロトへの膝枕が終わっちゃうし・・・。」

「・・・・・・。」


 クロトはぷいと顔を背け、抓るのをやめた。
 シロナはシロナで余計なことを言ってしまったせいで、照れている。

 男が見れば爆発しろと言われそうな甘い空気である。


「さて、そろそろ出発しよう。モタモタしている暇は無いし。」

「あっ・・・・・・。」


 クロトがシロナの膝から起き上がり、残念そうな声を上げたのはシロナ。
 折角の久しぶりなスキンシップが名残惜しいようだ。
 クロトもそれは同感だが、状況が状況なので何とか割り切った。

 お互いの名残惜しさを感じ取り、再び空気が甘くなりかける。


「――――あ、当然私も一緒に行くからね?久しぶりにクロトと冒険したいっ!それと、出発の前に一つ大事なこと!こっちではステータスの見方が違うから要注意だよっ!」

「・・・何だって?」


 クロトはその後、途轍もなく重要なことを聞かされて、目が点になった。

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