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東方編
女子高生と女講師に挟まれて座る男
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俊也は明日香と共に町を歩く。
「君は誰?」
「切堂明日香。高3。今から第三小の裏山に登るから」
それ以降、会話もなく俊也と明日香は小学校の裏山に登り石碑を探した。石碑はなかったが台座の石だけ残されていた。
「何も起きないね。駄目か」
そこに講師の吉川が現れた。
「ようやく現れましたね。きっとこの辺りに消えた友達を探しに戻ってくると思ってました」
吉川は背中に背負っていた刀を抜いた。
「刀?」
「あの人は小学校で僕を尋問した先生です!」
俊也は訳も分からず一歩、二歩と後ろに下がった。
「なんで刀なんか持ってるの?先生じゃないの?」
「もちろん学校の講師ですよ。驚きました。まさか本当に本人が現れるなんて夢にも思ってなかったですから」
吉川は眼鏡をしっかりと押さえて、刀の先端を明日香に向けた。
「彼から離れなさい!」
吉川が大声で威嚇すると明日香は拳を突き出して構えた。
「刀を持つ私に拳で挑むつもり?勝ち目はないわよ」
「私は彼を守るように言われている。だから退かない」
「どうゆうこと?貴女も?」
吉川は刀を納めて、手招きで明日香を引き寄せた。
そして明日香と吉川は会話して、次第に笑い合った。
美咲が外出先から叔母の家に帰宅すると、リビングで俊也が明日香と吉川に挟まれて座っている光景に美咲は絶叫した。
「どうゆうこと!?おばあちゃん!さっき出て行って、もう2人目の彼女出来たの?どれだけモテんの!?」
「ちがうわよ、美咲ちゃん。静かにしなさい。お客さんの前ですよ」
叔母はリビングのテーブルに座る3人にお茶を出した。
「ありがとうございます。お邪魔してすみません」
吉川は申し訳なさそうに言った。
「私は藤宮第三小で講師をしています吉川 絵里です」
「あのー。失礼ですけど、講師の方が外で刀なんて物騒な物を持ち歩いていたら銃刀法違反で捕まって全国紙に載りますよ」
美咲は吉川の刀を指差して指摘した。
「これは彼を守る為の愛刀です。安心して下さい。絶対に家の中では抜きません」
(彼を守る……どんだけ愛されてんの!)
美咲は驚愕していた。俊也は、どう見ても普通の男。イケメンでもないし、外見は24歳、年相応でも中身は小学生。何故か叔母に女子高生の明日香に講師の吉川まで愛されているように見える。美咲は頭を抱えて悩んだ。
「明日香ちゃんどうだったの?」
「駄目でした。おそらく石碑は無関係です」
「そうなのね」
その時、家のインターフォンが鳴り、美咲は玄関を開いた。
玄関から美咲の悲鳴が聞こえて、リビングにいた全員が玄関に急いだ。
「おばあちゃん。この人達……」
玄関の先には100人もの人が集まっていた。
「誰か俊也さんが居る事、言いました?」
「すみません!私が嘉神さんのこと漏らしました!」
叔母と明日香は吉川を睨んだ。
吉川は小さくなり隅に隠れた。
「君は誰?」
「切堂明日香。高3。今から第三小の裏山に登るから」
それ以降、会話もなく俊也と明日香は小学校の裏山に登り石碑を探した。石碑はなかったが台座の石だけ残されていた。
「何も起きないね。駄目か」
そこに講師の吉川が現れた。
「ようやく現れましたね。きっとこの辺りに消えた友達を探しに戻ってくると思ってました」
吉川は背中に背負っていた刀を抜いた。
「刀?」
「あの人は小学校で僕を尋問した先生です!」
俊也は訳も分からず一歩、二歩と後ろに下がった。
「なんで刀なんか持ってるの?先生じゃないの?」
「もちろん学校の講師ですよ。驚きました。まさか本当に本人が現れるなんて夢にも思ってなかったですから」
吉川は眼鏡をしっかりと押さえて、刀の先端を明日香に向けた。
「彼から離れなさい!」
吉川が大声で威嚇すると明日香は拳を突き出して構えた。
「刀を持つ私に拳で挑むつもり?勝ち目はないわよ」
「私は彼を守るように言われている。だから退かない」
「どうゆうこと?貴女も?」
吉川は刀を納めて、手招きで明日香を引き寄せた。
そして明日香と吉川は会話して、次第に笑い合った。
美咲が外出先から叔母の家に帰宅すると、リビングで俊也が明日香と吉川に挟まれて座っている光景に美咲は絶叫した。
「どうゆうこと!?おばあちゃん!さっき出て行って、もう2人目の彼女出来たの?どれだけモテんの!?」
「ちがうわよ、美咲ちゃん。静かにしなさい。お客さんの前ですよ」
叔母はリビングのテーブルに座る3人にお茶を出した。
「ありがとうございます。お邪魔してすみません」
吉川は申し訳なさそうに言った。
「私は藤宮第三小で講師をしています吉川 絵里です」
「あのー。失礼ですけど、講師の方が外で刀なんて物騒な物を持ち歩いていたら銃刀法違反で捕まって全国紙に載りますよ」
美咲は吉川の刀を指差して指摘した。
「これは彼を守る為の愛刀です。安心して下さい。絶対に家の中では抜きません」
(彼を守る……どんだけ愛されてんの!)
美咲は驚愕していた。俊也は、どう見ても普通の男。イケメンでもないし、外見は24歳、年相応でも中身は小学生。何故か叔母に女子高生の明日香に講師の吉川まで愛されているように見える。美咲は頭を抱えて悩んだ。
「明日香ちゃんどうだったの?」
「駄目でした。おそらく石碑は無関係です」
「そうなのね」
その時、家のインターフォンが鳴り、美咲は玄関を開いた。
玄関から美咲の悲鳴が聞こえて、リビングにいた全員が玄関に急いだ。
「おばあちゃん。この人達……」
玄関の先には100人もの人が集まっていた。
「誰か俊也さんが居る事、言いました?」
「すみません!私が嘉神さんのこと漏らしました!」
叔母と明日香は吉川を睨んだ。
吉川は小さくなり隅に隠れた。
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