魔法で子猫になった第一王子の婚約者選び

三毛猫

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あと二本

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 ーー フィナ視点 ーー

計画は途中まで順調に思えた。しかしリノラが子猫になった本物の殿下を連れ去ったお陰で偽物のルーベルトの仕事が増えた。

私の従者の男に魔法でルーベルトに魔法をかけた。本物そっくりに立ち振る舞ってもらわなければならない。

しかし、舞踏会で出会った女に従者が惚れてしまい変身の魔法が解けて危うく偽物とバレるところでした。本物のルーベルト王子の毛はあと二本。二本使い切る前に結婚して偽ルーベルトを国王に即位させ、女王
として君臨する。

そして本物のルーベルト殿下はペットとして常に私の近くに置いておきたい。


「フィナ様、レベッカ嬢がお越しになられました」

「フィナ様、大変麗しゅうございます」

「久しく見ない間に痩せて貧相になりましたか?婚約候補破棄以来ですね」

「フィ、フィナ様こそ少しお痩せになりましたか?」
レベッカが持つ扇がプルプルと震えている。

「殿下と色々忙しくて。それより見てくださいこの部屋を。城内の部屋の一室を私好みに改築して調度品も好みの物を取り揃えましたの」

「素晴らしい趣味をお持ちで」

もうレベッカの耳が真っ赤。

「気分が落ち着くお茶を用意しました」

「フィナ様。ありがとうございます。こ、これは!」

私は国内の貴族であれば誰もが知る高価なティーポットとティーセットをレベッカに分かるように用意していた。
子爵の私を散々馬鹿にしてきた敗北者め。私の今の力を知るいい機会を与えてあげます。

「大変高価な名品で私も一式を見たのは初めてです。お招きいただきありがとうございます」

レベッカがティーカップを持つと私が折れやすいように細工していたハンドル部分から折れてティーカップが落下して地面に落ちて砕けた。
顔面蒼白になり土下座して謝るレベッカに私は寛大な処置を下した。

「ティーカップの一つや二つ、よいのです。それよりお怪我はありませんか?」

「怪我はありません。大丈夫です。高価な素晴らしい名品を割ってしまいました」

「レベッカ。頭を上げて下さい。名品と理解する貴女のような目利きのできる人は国内でもごく僅か。どうでしょう?まだ複数ティーカップはありますから、差し上げましょうか?」

「よろしいのですか?」

「ええ」

レベッカの顔が明るくなり、別のティーカップ一式を渡した。部屋を片付けるという理由でお茶会はお開きにした。
何度もお礼を言うレベッカにウンザリしながら私はレベッカが去った後に従者を呼んだ。

「殿下!」

「はっ!」

「片付けておいて」

「承知しました」


ルーベルトの姿をした従者はせっせとホウキで床に散らばったティーカップを集めた。

これで第一婚約者候補のレベッカはもう私との上下関係は明白になった。
あとはリノラと本物のルーベルトを捕まえて、第二、第四婚約候補者を私の周りから遠ざければ安泰だろう。
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